江華物語

高麗宮址

一輪の牡丹の花のような宮殿、高麗宮

高麗時代に宮殿があった高麗宮址の様子 【 高麗時代に宮殿があった高麗宮址の様子 】

山や野原に赤い花が咲く暖かい春の日、高麗王朝(918~1392年)の首都・開京で高麗第23代王・*高宗に長男が生まれました。彼には「植(シク)」という名前が付けられました。「植」は高麗王宮の人気者になり、宮廷には毎日笑いが絶えませんでした。そんなある日、大陸の北の方からモンゴルが攻め込んできました。チンギス・カンがモンゴルの草原で建設した帝国はあっという間に巨大勢力になって数々の都市や村を次々と焼け野原にし、彼らが去った後に残ったのは「死」もしくは「降参」しかありませんでした。高麗王朝はモンゴルの侵攻から逃れて首都を急遽江華島に移しました。1232年に高麗王の高宗と王子「植」そして10万戸を越える開城の民たちが20日にわたって江華島に避難してきました。草原で生まれ育ったモンゴル人が水を恐れたため、江華島は天然の要塞でした。

Spas & Hot Springs in Korea 【 山呼亭で高宗と牡丹の花の香りを嗅いでいる王子の植 】

「植」は全国各地から集まった若者や軍人たちと一緒に昼夜を問わず高麗宮の建設に没頭し、約2年で完成させることができました。宮殿の正南門の昇平門をくぐると広場の毬庭があり、儀鳳門を通ると第1正殿の宣慶殿、本宮の延慶宮が現れます。康安殿、永寿殿、景霊殿など14の付属建物の中で、彼が一番好きな場所は宮殿の後苑「山呼亭」でした。開京にある後苑のように山呼亭には牡丹の花がたくさん植えられました。父親の高宗は牡丹が栄華栄耀、そして王子の品格を意味すると言いました。彼は父親と一緒に山呼亭に咲いた牡丹の花を見ながら開京のことを思い出し、モンゴルとの抗争が早く終わるように祈りました。
しかし、江華島での長い戦いは10年、20年、30年が経っても続きました。モンゴルからの圧迫が激しさを増して国民たちは苦しくなり、父親の高宗は加齢とともに衰弱していきました。彼は長い戦いを終わらせるためにモンゴルの王の所へ向かいましたが、その間に高宗が息を引き取りました。急いで江華島に戻ってきた彼は江華島の高麗宮で高麗第24代王・*元宗に即位しました。

高麗は国の名前と制度を守ることができましたが、モンゴルと戦うために作った施設は全て無くさなければなりませんでした。39年間、高麗王朝の都だった江華島を離れる際(1270年)に、王になった植は10代から30代までを過ごした高麗宮を燃やし、宮殿は炎を上げながら数日間燃え続けました。彼は思わず赤い血の涙を流しました。こうして高麗王宮は炎の中に消えていくというのでしょうか。

*高宗、元宗:王が逝去すると宗廟(王室の祭祀場)に神位を奉り、諡号を付ける。後世の人が付ける名前だが理解しやすくするために諡号を使った。

More Info
  • 高麗宮址(コリョグンジ): 高麗王朝がモンゴルの侵略に対抗するために、高宗19年(1232年)6月から開京に還都した元宗11年(1270年)までの39年間過ごした高麗宮があった跡地と推定される場所。現在は朝鮮時代に建てられた明威軒、吏房庁などがあります。
  • 住所: 仁川広域市江華郡江華邑江華大路394
  • 電話: 032-930-7078
  • アクセス: 龍興宮公園から江華小学校方面の丘の上
  • 入場料: 大人900ウォン、青少年600ウォン
  • 営業時間: 09:00~18:00、年中無休
  • 旅行作家おすすめのグルメ店: ワンジャジョンムッパプ(032-933-7807)のどんぐりこんにゃく入りクッパと塩辛スープカルビがおいしいです。
  • 周辺名所: 龍興宮、聖公会江華聖堂、江華文学館、江華観光プラットホーム
  • Seungpyeongmun Gate, the main gate of Goryeo Palace【 高麗宮址の正門の昇平門 】
  • Goryeo Palace Site where several palace buildings used to exist【 いくつかの殿閣があった高麗宮址 】
  • Myeongwiheon (built in the Joseon era) on Goryeo Palace Site【 高麗宮址にある朝鮮時代の建物、明威軒 】
  • A view of Goryeo Palace Site from Myeongwiheon【 明威軒から見た高麗宮址 】
  • A fresco on the tiled wall depicting the construction of Goryeo Palace and fighting against the Mongol army【 高麗宮を建ててモンゴルと抗争する様子を描写したタイル壁画 】
  • Ganghwa Literary Museum sitting close to Goryeo Palace Site【 高麗宮址に行く道にある江華文学館 】