江華物語

外奎章閣

世界で最も美しい本「儀軌」があった場所、
外奎章閣

江華府宮殿図(1888年)から見える外奎章閣。出所:王室図書館外奎章閣 【 江華府宮殿図(1888年)から見える外奎章閣。出所:王室図書館外奎章閣 】

1866年10月のある日。フランス海軍の極東艦隊司令官ピエール・グスターヴ・ロゼ提督(Pierre-Gustave Roze、1812~1882年)が朝鮮に到着しました。当時、朝鮮ではカトリック教が禁じられ、フランス人の神父や朝鮮人のカトリック信者たちが処刑されました。これを丙寅教獄と言います。一命を取り留めたフランス人宣教師リデル(Félix Clair Ridel、1860~1884年)は、中国に逃げて丙寅教獄のことをフランスに知らせました。するとフランス海軍のロゼ提督は軍艦7隻と兵力1,525人を率いて江華島(カンファド)を占領した後、フランス人宣教師を殺した責任者を厳罰に処し、通商条約の締結を要求しました。結局、朝鮮軍とフランス軍は戦闘することになりました。

フランス軍は朝鮮軍より火力が良い新式武器で武装していたため、朝鮮軍には勝ち目がないように見えました。それで油断したのでしょうか。フランス軍は鼎足(チョンジョク)山城での戦闘に約160人の兵士を投入しましたが、朝鮮の梁憲洙(ヤン・ホンス)将軍が指揮する朝鮮軍に惨敗してしまいました。フランス軍は撤退する際に外奎章閣(ウェギュジャンガク)にあった本359冊と銀19箱などを持ち去り、残りの書籍は燃やしてしまいました。
ロゼ提督の艦隊に所属していたフランス海軍将校アンリ・ジュベール(Henri zuber、1844~1909年)は、江華島に着いてからの全てを文字と絵で記録しました。

儀軌を見て驚いてる姿 【 儀軌を見て驚いてる姿 】

繊細な描写に長けていた風景画家のジュベールは、外奎章閣にある本を見て驚きを隠せませんでした。外奎章閣は1782年に朝鮮第22代王の正祖が建て、歴代王たちの文章や文字、王が見るための御覧用儀軌と王室の物品が保管されていました。中でも王室の行事を記録した儀軌の臨場感あふれる絵と鮮明な色に画家のジュベールは衝撃を受けました。それぞれ違う色の服を着た人々とその動き、大きさや形が異なる旗、色々な種類の馬車と大勢の兵士や臣下たちまで、儀軌の中の絵はまるで目の前でそれらが動いているような立体感と生動感を与えました。御覧用儀軌はもっと気品があったので、ジュベールは感心と恥、嫉妬心など色んな感情が渦巻きました。彼はフランスに戻る船の上で「小さな部屋の中で筆で文字を書いている朝鮮のソンビ(昔の学者)」という絵を完成させました。そしてその絵の下にこう書きました。
「…我々のプライドを傷付けた一つの事実は、どんなに貧しい家でもそこには本があり、字が読めない人がほとんどいなかったことである。」
本と絵において朝鮮はジュベールに大きな感動を与えました。

More Info
  • 住所: 仁川広域市江華郡江華邑江華大路394高麗宮址内
  • 電話: 032-930-7078
  • アクセス: 龍興宮公園を通り過ぎて高麗宮址の中に入る。
  • Tip: 高麗宮址の入場券が必要
  • 旅行作家おすすめのグルメ店: ワンジャジョンムッパプ(032-933-7807)のどんぐりこんにゃく入りクッパと塩辛スープカルビがおいしいです。プクサンイヤギ(032-932-5180)の抹茶ラテがおいしいです。
  • 周辺名所: 龍興宮、高麗宮址、江華観光プラットホーム、沁都織物の煙突
  • 高麗宮址内の外奎章閣【 高麗宮址内の外奎章閣 】
  • フランス国立図書館から145年ぶりに賃貸形式で返還された儀軌【 フランス国立図書館から145年ぶりに賃貸形式で返還された儀軌 】
  • 英祖貞純王后嘉礼都監儀軌の一部【 英祖貞純王后嘉礼都監儀軌の一部 】
  • アンリ・ジュベールが描いた「小さな部屋の中で筆で文字を書いている朝鮮のソンビ」【 アンリ・ジュベールが描いた「小さな部屋の
    中で筆で文字を書いている朝鮮のソンビ」】
  • ワンジャジョンのどんぐりこんにゃく入りクッパ【 ワンジャジョンのどんぐりこんにゃく入りクッパ 】