江華物語

江華山城

血と汗と涙で築き上げた城郭、

江華山城

築城現場にいる「チュ」の姿 【 築城現場にいる「チュ」の姿 】

今日も「チュ」は朝早くから公役のために山城を築く現場へ向かいました。モンゴルが突如侵略して来たため、高麗第22代王の高宗は高麗の都を開京(今の開城)から江華島(カンファド)に移すことにしました。そして開京と同じく宮殿や官庁を建て、山城を築き始めました。築城のためには、まず地固めをしなければなりません。彼は地硬石を片付けて地固めをする準備をしました。「地硬石」とは重くて丸い石に太い荒縄を結んだもので、この縄を取り合って歌に合わせて一斉に持ち上げて「ドン!」と落とすことで地を固める道具です。こんなに大変な作業には労働歌が欠かせません。
「どっこいしょ、城を築き上げよう。城の石が重たいから、どっこいしょ、城を築き上げよう♪♬

女真族の船がやってくる前に、どっこいしょ、城を築き上げよう。早く運んで、どっこいしょ、城を築き上げよう♪♬」
先頭の人が先に歌い出すと石を持ち上げ、残りの人たちがサビを歌いながら地硬石で一日中地固めを繰り返します。その上に城郭を築き上げると崩れず丈夫に建てることができるからです。こんなふうに地固めをしていれば手足が震えてしまいには感覚さえなくなります。今日のような夏の日には汗が滝のように流れ、目眩がするくらいです。

地固め作業の様子 【 地固め作業の様子 】

「チュ」が築城作業を始めて一年目になりました。土と石を混ぜて築き上げた江華山城(カンファサンソン)は王様が過ごす宮殿を取り囲んでいます。江華山城には東西南北にそれぞれ門があり、彼が働いている所は「北門」区間です。北門で稜線に沿って傾斜を登れば山の頂上が出てきますが、北側に広がる土地と干潟と海が見えて眺めがすばらしいです。モンゴルの侵入を監視できる北将台(プクチャンデ)です。向こうにはアラビアの商人たちが来て貿易した碧瀾渡(ピョンナンド)も見えます。彼はどしゃぶりの雨の中で泥道を通って避難してきたことや開京の小さな我が家のことを思い出します。
あっ!あそこで誰かが抱き合って泣いています。ケガでもしたのでしょうか。北将台区間の幼い人夫が血を流していて、その隣では年配の人が泣いています。チュが駆けつけたところ、紆余曲折を経て戦争中に別れた12歳の息子に再会した父親でした。ところが、よりによってケガした時に出会ってしまい、父親と息子は涙を流しています。血と汗と涙で築き上げた城の敷地で「チュ」はまた開京のことを思い出します。いつになったら帰れるのでしょうか。

More Info
  • 江華山城の構成: 江華山城には東門の望漢楼(マンハンル)、西門の瞻華楼(チョムファル)、南門の晏波楼(アンパル)、北門の鎮松楼(チンソンル)があり、高い所から見張るための北将台・南将台(ナムジャンデ)と、秘密通路だった暗門4つと水門 2つが残っています。
  • 旅行作家おすすめのグルメ店: プクサンイヤギ(032-932-5180)は北門と北将台に行く道にあるカフェで簡単な食事もできます。
  • 周辺名所: ワンジャジョン、高麗宮址、江華文学館
  • 曲がりくねった江華山城【 曲がりくねった江華山城 】
  • 山城の前で地固めを再現する様子【 山城の前で地固めを再現する様子 】
  • 北将台から眺めた北側【 北将台から眺めた北側 】
  • 東門の望漢楼【 東門の望漢楼 】
  • 西門の瞻華楼【 西門の瞻華楼 】
  • 南門の晏波楼【 南門の晏波楼 】
  • 北門の鎮松楼【 北門の鎮松楼 】
  • 日が暮れる南将台の光景【 日が暮れる南将台の光景 】