
韓国の食卓に欠かすことのできない伝統料理「キムチ」。白菜、大根、きゅうり等を薬味に漬けて作る代表的な発酵食品です。キムチは材料と調理法によって様々な種類に分けられ、その効能が科学的に認められてから、世界中の人々の関心と人気を集めています。
キムチの始まり
農耕文化を基礎とする韓半島(朝鮮半島)では、寒さの厳しい冬場に不足する野菜を保存する手段としてキムチを作り始めました。単に塩漬けした野菜であったキムチに様々な香辛料と調味料が加わり、更に辛い唐辛子粉が使われるようになり、現在のような赤色の輝きを持つようになりました。
キムチの効能
キムチはアメリカの健康専門雑誌「ヘルス」で世界五大健康食品に選ばれるほど、栄養学的に高い効能を持っています。キムチが発酵する際に生じる乳酸菌は食べ物の消化を助け、内臓をきれいに保ってくれます。また、免疫を高め、癌の予防に効果があることが知られています。
韓国キムチの種類
キムチは地域や季節、環境により様々な特色を持ち、多様な形態へと変化してきました。その種類は100を超え、白菜キムチ、カクトゥギ(カクテキ)、ナバッキムチなどが最も代表的なキムチです。
- 白菜キムチ
韓国人が好んで食べる白菜キムチ。塩漬けした白菜の葉一枚一枚に、大根の千切り、唐辛子粉、ニンニク、ジョッカル(韓国の塩辛)を混ぜ合わせたヤンニョムと呼ばれるタレを塗りこみ、発酵させて作ります。
- カクトゥギ(カクテキ)
大根を漬けたキムチの種類の一つ。一般的に白菜キムチと同じ材料で作られますが、白菜の代わりに大根を使います。
- ナバッキムチ
塩漬けし薄く切った大根とワケギに唐辛子粉とニンニク、生姜、梨などを混ぜ合わせ、甘めのスープを作って食べる水キムチです。
- ヨルムキムチ(大根の若菜キムチ)
白菜の生産が難しい夏場に多く食べられるキムチです。若い大根の葉に唐辛子粉、ネギ、ニラなどの材料を混ぜ合わせて作り、独特な味と香りを持ちます。
- オイソバギ(きゅうりのキムチ)
春から夏にかけて食べられるキムチで、さくっとした歯ざわりのきゅうりの味とさっぱりとした出汁が特徴的です。
キムチの購入
韓国では毎年キムジャン(キムチを漬ける時期:一般的に11月~12月)の時期になると家庭でキムチを漬けますが、出来上がりの味は地域や家庭により様々です。近年は工場でキムチを大量に生産・販売されるようになったため、季節を問わず気軽にキムチを購入することができるようになりました。コンビニエンスストアや大型スーパーには豊富な種類のキムチが手軽に買え、空港の免税店でも旅行者のために真空パックされたキムチを入手することができます。