トピックス

伝統韓屋・古宅でタイムスリップ!両班の一日を体験

  • Tag etc Food History Tour
  • 日付2020/02/26
  • Hit87

青松 松韶古宅

旅の醍醐味とは、そう訊かれたら、みなさんはどう答えるでしょうか。海外旅行というと、とかく観光地をぐるっと回るだけの旅という形になりがちですが、それではなかなか旅の楽しさは味わうことはできないかもしれません。
そんな旅からちょっと脱して、今回ご紹介するのは、時代を遡る旅。
時空を超えて、遥か昔に暮らしていた古の人々の暮らしぶりに思いを馳せる、そんな旅があったらどんなに楽しい旅になることでしょう。
海外から韓国へやってくると、必ずと言っていいほど立ち寄るのが韓国の伝統建造物・韓屋(ハノク)。中でも、朝鮮時代の富の象徴ともいうべき韓屋の大邸宅・九十九間古宅は、朝鮮時代の支配階層・両班(ヤンバン)やその一族の暮らしぶりや生活文化を実感できる場所で、韓国の歴史や文化をより深く理解するには絶好の場所です。
今回は両班文化が色濃く残る古宅(コテク)で、古の両班の一日の暮らしを実際に体験・取材し、両班の一日がどんなものであったのかをご紹介いたします。

* 本コラムは朝鮮時代の両班の一日を現代風に脚色したもので、特定の人物及び古宅に関する内容ではありません。また、本コラムは2020年2月初旬に取材した内容を基に構成しています。

映像で伝統韓屋の一日を体験したい方はこちら!

[VisitKorea] A day in the life of Korean aristocrats

※2020年3月1日よりYouTubeではIE(Internet Explorer)がサポート対象外となります。本動画はYouTube上でのサービスのため、Google Chrome、Microsoft Edge、Firefox、OperaなどIE以外のブラウザでご覧ください。

午前7時 歩いても歩いても家が続く大邸宅

舎廊チェの建物を背に庭を歩く両班の姿

両班の一日は起床とともに、思索に耽るところから始まります。朝鮮時代の両班一族の家長は主人の居間がある舎廊(サラン)チェの建物の前の庭を散策しながら思いを巡らせます。
朝から何故散策か、とお思いの方もいるかとおもいますが、それにはまず、古の富の象徴「九十九間古宅」から説明する必要があります。
朝鮮時代の両班の家では、その屋敷の大きさがそれぞれ違っていました。その中でも韓屋の規模が99間ある古宅が最高の富を謳歌する両班の象徴だったのです。九十九間古宅とは、当時、100間以上の韓屋を建てることが禁じられていたことから、制限ぎりぎりの99間の広さの韓屋が最大となっており、富を築いた両班らが建てられる最高の邸宅がこの九十九間古宅だったのです。今日でいえば、財閥一家が住む大邸宅ということになるでしょうか。
この広々とした大邸宅の敷地は、散策するだけでも午前中の時間がつぶれてしまうほど。 一族の家長は舎廊チェの前の庭や邸内の石塀沿いを散策したりしましたが、家長が浮かない表情だったり、散策しながら思いに耽る時間が長かったりすると、一家の人々は何かあったのではないかと、気が気でない状態になったそうです。

午前11時 及第祈願!朝からガリ勉モード

勉学に勤しむ両班の様子(上)、客人が来るのを確認するのに使ったクモンダム・穴塀(下)

両班の午前は、勉学に勤しんだり、客人を迎えたりして過ごします。朝鮮時代の支配階層でもあった両班の男性は儒教を学び、科挙に及第(合格)することが最も重要な目標でした。当時はいくら両班といえども、科挙の試験を受けなければ、後ろ指をさされる時代でした。そのため、午前から「ガリ勉モード」にならざるを得なかったのです。
一方、両班一族の女性たちは、客人を迎えるため、女性たちが暮らしている母屋と、家長や男性らが生活をする舎廊チェを隔てるクモンダム、直訳すれば「穴塀」、塀に開けられた小さな穴を通して母屋側から客人がやってくる舎廊チェの建物の様子を覗きつつ、せわしなく働いていました。
この客人が来たかどうか確認する「穴塀」には、実は隠れた秘密があります。それは、女性たちが暮らす母屋側の方から見るとその穴の数は三つなのですが、男性らが暮らし、客人が訪れる舎廊(サラン)チェ側から塀の穴を見ると、穴が六つある構造となっているのです。これは母屋側の穴1つが、舎廊チェ側の塀の方に行くと2つの穴に分かれているためで、男性がいる舎廊チェ側からは女性のいる母屋側がこの穴からは見えず、女性がいる母屋側の穴からだけ、舎廊チェ側の動きが見えるように作られています。

午後1時 一日五食、大食家のご飯は?

両班の御膳を再現した沈富者パプサン(外部提供:慶北ナドゥリ)

両班の食事は格別なものでした。よく、朝鮮時代の両班は一日に5回も食事を取った「大食家」として知られていますが、食事の度に沢山の料理を食べ、十分な栄養を取りました。
両班の食事には少なくとも5皿、多いと9皿のおかずを食べることがありました。ご飯とおかずのことを「飯床(パンサン)」といいますが、おかずのお皿の数には、ご飯と汁物、そしてキムチは含まれません。
慶尚北道(キョンサンプクド)青松(チョンソン)にある沈富者パプサンでは、両班が食べたその味を楽しむことができます。

午後4時「両班の品格」余暇の時間も優雅に…

茶道体験プログラム(青松チョンウォンダン・上及び左下)、投矢遊び(右下)

両班一族の午後は主に余暇に時間を費やします。一般的に男性は囲碁、チャンギ(韓国の将棋)を打ち、女性は投矢、裁縫、詩作どをし午後のひとときを過ごします。
近頃では多くのこのような古宅で、古の時代に両班の人々が楽しんでいた余暇を体験できるプログラムを実施しています。今回このコラムでご協力いただいた松韶古宅(ソンソコテク)では、投矢など手軽に楽しめる伝統遊びのほか、茶道体験、伝統婚礼体験、餅つき体験も可能で、古宅音楽会も観覧することもできます。

午後7時 心を清め、両班の一日もおしまい

母屋

夕陽が沈み、暗がりがやってくると、両班の夫婦は親に挨拶をし、それぞれの時間を持つことになります。
大抵の場合、各自の部屋で儒教の経典を読んだり、読書をしたりして一日の終わりを過ごしますが、時には夫が妻を恋しがり、母屋で一緒に一夜を過ごすこともあります。

今回ご紹介したように韓国全国各地にある古宅では、古の時代、両班がたどった日常を体験できる場所が数多くあります。また韓国にある数多くの古宅が人里離れた山間部にあるため、夜になると周囲は驚くほどの静けさとなり、心休まる時間を過ごすことができます。一晩だけでも韓国伝統の古宅に宿を定め、ぽかぽかのオンドル部屋の床の上でこころを癒し、夜になったらしばし外の空気に触れて満天の夜空を眺めるのも、また乙なものです。韓国の地方に行く機会があれば、ぜひ伝統韓屋で貴重な大変をしてみるのはいかがでしょうか。

More info

今回このコラムで登場した古宅の詳細情報はこちら

松韶古宅(ソンソコテク)

  • ☞ 所在地:慶尚北道 青松郡 巴川面 松韶古宅キル 15-2 (경상북도 청송군 파천면 송소고택길 15-2)
  • ☞ アクセス: 青松バスターミナルからタクシーで約5分(3.1km)、バスで約35分
  • ☞ 利用時間:チェックイン 14:00 ~チェックアウト 12:00 ※ 古宅の観覧は午前9時から午後6時まで・年中無休
  • ☞ 宿泊料金: 1泊 50,000ウォン~ 200,000ウォン台まで
    ※ 人数、繁忙期・閑散期により料金が異なりますので、公式ホームページにてご確認ください。
    ※ 各部屋にトイレは付いていません(別棟の共用トイレあり)
  • ☞ 体験プログラム: 餅つき体験、伝統婚礼式体験、茶道体験、リンゴ狩り体験など
    ※ 季節により異なりますので事前にご確認ください。
  • ☞ 電話問合せ: +82-54-874-6556 (韓国語)
  • ☞ 公式ホームページ:https://songso.modoo.at (韓国語)

チョンウォンダン(茶道体験及び古宅ステイ)

  • ☞ 所在地: 慶尚北道 青松郡 巴川面 松韶古宅キル 3(경상북도 청송군 파천면 송소고택길 3)
  • ☞ アクセス: 青松バスターミナルからタクシーで約5分(3.1km)、バスで約35分
  • ☞ 利用時間:先着順による予約制
  • ☞ 利用料金:古宅ステイ 200,000ウォン(4人当たり) 、 茶道体験 20,000ウォン(大人1人当たり)
  • ☞ 体験プログラム: 古宅ステイ (1日1組限定で予約)、伝統茶道体験など
  • ☞ 電話問合せ: +82-10-3530-6119 (韓国語)
  • ☞ 公式ホームページ:https://chungwondang.modoo.at (韓国語)

沈富者パプサン(심부자밥상)

  • ☞ 所在地: 慶尚北道 青松郡 巴川面 徳川キル 3(경상북도 청송군 파천면 덕천
    길 39)
  • ☞ アクセス: 青松バスターミナルからタクシーで約5分(3.1km)、バスで約35分
  • ☞ 利用時間:8:00~20:00・年中無休
  • ☞ 利用料金:沈富者パプサン(9種類のおかずがある定食)9,000ウォン
    ※めにゅーはすべて定食物となります。
    ※おかず等は旬の食材を使うため、内容が変わることがあります。
  • ☞ 電話問合せ: +82-54-874-6555 (韓国語)
  • ☞ 韓国観光公社が認証する韓国観光品質認証(Korea Quality)には、 韓国伝統の韓屋の宿が数多く登録されています。韓国で今回ご紹介したような古宅・韓屋でのご宿泊をお考えの方は、ぜひこちらで検索。
    韓国観光品質認証紹介ページ
  • 韓国観光案内電話 +82-2-1330 (日本語・英語・中国語・ロシア語・ベトナム語・タイ語・マレー/インドネシア語)

※上記のコラムは2020年2月初旬に取材した内容を基に構成されたものです。