大小さまざまなビルが建ち並ぶ世界屈指の大都会・ソウル。そんなソウルですが実はソウル市内に数多くの山々があるのをご存じでしょうか。いずれの山も気軽に山登りができ、週末になると多くの人々で賑わいます。 今の時期、秋の紅葉も美しいところも多いソウルの山々。今回はソウル中心部から近く、気軽に登ることができるおすすめのソウルの山3か所をご紹介したいと思います。
▶ 仁王山おすすめのコース:往復 約2時間
ソウル中心部の景色を山の上から眺めてみたい、山の自然を愉しみたいという方におすすめなのがここ、仁王山(イナンサン/インワンサン)。 ソウル江北エリアの中心に聳える仁王山は、比較的登りやすい山で、城郭に沿って設けられた散策路・城郭(ソングァク)キルなどが整備されており、気軽にトレッキングを楽しみたい方に人気の山です。 仁王山の山頂へ向かうにはソウル地下鉄3号線景福宮(キョンボックン)駅を基点にスタートするのがおすすめ。景福宮駅からバスに乗って北へおよそ2kmほど、紫霞門トンネルを越えた辺りでバスを降り、物静かな雰囲気の街でおしゃれのカフェなどがあり人気の付岩洞(プアムドン)の街を通り抜けて彰義門(チャンイムン)あたりから漢陽都城(ハニャントソン)の城郭に沿って仁王山山頂へと上って行きます。
仁王山山頂へと続く石段を上がって行くと、城郭キルのそばの木々の合間からは南山ソウルタワーやソウル中心部の街並みがよく見えます。歴史と自然、そして都市が共存するソウルの山ならではの風景がそこにあります。
仁王山は日の出や夕暮れ、夜景が美しい場所としても知られ、多くの写真愛好家が訪れる人気の山でもあります。夜の帳が下りたソウルの街に輝く街の灯りやライトアップされた城郭キルの夜景は、仁王山の魅力を十二分に実感でき機会があればぜひ訪れてほしい場所です。
彰義門あたりから仁王山に登る前に時間的に余裕があれば、訪れていただきたい場所がここ、清雲(チョンウン)文学図書館。
清雲文学図書館はソウル特別市鐘路区(チョンノグ)付岩洞にあるソウル特別市の公共図書館で、韓屋の建物で読書が楽しめる珍しい場所。緑の木々に囲まれた図書館の風景、そして窓越しに見える滝はSNS映えすると大人気です。
仁王山登山路入口
清雲文学図書館
▶ 冠岳山恋主台コース(登山上級者向け):往復 約3~4時間
▶ 冠岳山湖水公園コース(登山初心者向け):往復 約1時間20分
標高632m※の冠岳山(クァナクサン)はソウル特別市南部や京畿道(キョンギド)果川市(クァチョン)・安養市(アニャンシ)と接する山で、金浦国際空港へと降下する際飛行機の窓から見える岩山がこの冠岳山です。頂上の近くの崖の上にある恋主台(戀主臺)をはじめ、なだらかな散策路・トゥルレキルや公園など変化に富んだコースとなっており、山登り初心者から登山経験豊富な人まで楽しめる山です。
※註)標高629mと表示されている地図もありますが、この高さは頂上碑のある場所の標高で、実際の山頂の標高はは632.2mとなっています。
頂上付近にある恋主台は切り立った岩が印象的な場所で、冠岳山の風光明媚な場所のひとつ。辺り一帯は岩山となっており登山上級者向けのところですが、頂上にたどり着いたときの爽快感は何もにも代えがたいものがあります。
登山上級者向けの恋主台コースのほかにも、気軽に冠岳山の自然が楽しめるのがこちら、冠岳山湖水公園コース。 冠岳山公園入口からおよそ1kmほど森の中の散策路を歩いていくと、美しい景観の冠岳山湖水公園が見えてきます。秋の空が水面に映るその向こうに近くの国立ソウル大学校冠岳キャンパスの景色も見え、大都会ソウルの自然を満喫できます。
冠岳山から下りてきたらそろそろお腹が空いてくる頃。そんな時はバスに乗って近くのソウル大入口駅近くにあるシャロスキルへ直行!
シャロスキルはソウル地下鉄2号線ソウル大入口駅2番出口近くから隣の落星垈(ナクソンデ)駅方面へ続くおよそ600mほどの通りで、大学に入ったばかりの10代後半から20代・30代までの若者たち、山登りを終えやって来るさまざまな年代の人々でいつも込み合うフードストリートです。
ちなみにシャロスキルという名前は、ソウル大学正門の形がハングルの「샤(シャ)」の字に見えることから、ソウル・江南区新沙洞にある人気の通り「カロスキル」にあやかって名付けられた名称です。
韓国料理はもちろんのこと、日本・タイ・イタリア・フランスなど海外をコンセプトにしたお店やカフェも多く、食べるだけではなく世界各国の雰囲気も楽しめるのがここシャロスキルです。
登山を終えシャロスキルにやってきたらジョン(チョン=煎)をつまみにマッコリが飲めるお店を探してみましょう。シャロスキルには様々なジャンルのレストラン・食堂がありますが、韓国で登山の後といえばマッコリとジョンはお決まりのコース。酸味の中にも甘さがあるマッコリを片手に、キムチの辛さと酸っぱさが絶妙なキムチジョンを味わえば、今日一日の苦労も一気に吹き飛んでしまいます。
冠岳山恋主台(戀主臺)コース(登山上級者向け)& 冠岳山湖水公園入口(登山初心者向け)
シャロスキル マッコリカフェ雑(샤로수길 막걸리카페 잡)
▶ 清渓山おすすめのコース:往復 約3時間半
鬱蒼と生い茂る森に清らかな水が流れる渓谷。静かな自然が魅力のここは清渓山(チョンゲサン)。
江南駅から地下鉄・バスで小一時間ほどの清渓山はソウル市内から気軽に訪れることができる山。大都会ソウルに近い山ですが、急峻な場所もあり、思いの外、登山は一苦労。そんなときは登山の途中で渓流の音を聴きながらしばし森の中で一休み。
清渓山山頂にあるメボンパウィは清渓山を登山する人々にとって見逃せないフォトスポットとして有名。
メボンパウィの後に果てしなくつづく山々の稜線はいつ登ってきても素晴らしい景色を私たちに見せてくれます。
清渓山登山路入口にあるカフェソッソッ618はエコ・フレンドリーな山荘をコンセプトにしたカフェ。インテリアをはじめコーヒーのメニューに至るまで自然を感じられるようデザインされており、カフェの中はまさに森の中といった感じ。
カフェおすすめのメニューは韓国の伝統茶として有名なサンファチャ(双和茶)。韓方の薫り豊かなサンファチャは登山の疲れを癒すのにもってこいの一品です。
カフェの下の階にはリサイクルショップもあり、キーホルダーやエコバックなどの繊維製品に名前を刻印してくれるサービスも行っており、ぜひ自分だけのオリジナルグッズを作ってみてはいかがでしょうか。
清渓山登山路入口
カフェソッソッ618(카페 솟솟618)
※上記の内容は2021年10月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。
※本コラムは大韓民国代表旅行チャンネル・TRAVELHOLICキム・ジヨン(JOLLY KIM)氏提供の文章および写真をもとに翻訳・構成したものです。