2021/12/02
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アンタクト時代に最もふさわしい旅先は、国立山林治癒院である。小白山の麓に位置している国立山林治癒院は、鬱蒼として木々で囲まれた森中を歩いたり休みながら、本物の山林治癒の力が体験できる場所である。
賑わう場所を避ける傾向が広がり、週末になると山に向かう人々が増えている。山に上ると開けた場所で新鮮な空気で思いっきり呼吸しながら健康までケアできるので一石二鳥。季節ごとに異なる風景を見せ、健康な身体に清らかな精神まで宿らせる山は、病院に負けないくらいの癒しを与えるわけである。山と森の治癒力は、すでに多くの研究から証明された。森を体験してからは、ストレスの程度を示す値のコルチゾールが減少した研究結果が報告された。また、胆のう摘出手術患者をそれぞれ森が見える病室とレンガで囲まれた病室に入院させた結果、森が見える病室に入院した患者の方が鎮痛剤の服用回数も少なく、退院も早かったという。一方、山林公園を頻繁に訪れる人がそうでない人より病院を訪問する回数が少なかったという研究結果が報告されるなど、数多くのデータから人間の健康に与える森の好影響が証明された。森から大量放出されるフィトンチッドやマイナスイオンも同様。森の治癒力を象徴する言葉のように考えられるフィトンチッドやマイナスイオンが健康に与える好影響もよく知られていて、それについての研究は今でも続いている。森は、都市における多忙な日常で疲れた身体を健康にする、エネルギーの宝庫である。そのため、国立山林治癒院に向かう足取りはさらに軽い。国が提供する山林福祉サービスがしっかり受けられるからだ。
国立山林治癒院は、日帰りや1泊2日など短期で山林治癒プログラムを利用する人々のためのチュチ村・修練センター・山薬草院・水治癒センター・健康増進センターなどがある「チュチ地区」と、長期滞在者や団体客向けの文筆村がある「文筆地区」で構成される。そしてこれらのスペースを「癒しの森道」と名付けられた9つの森道が囲んでいる。森道は小白山国立公園、妙積峰、天浮山圏域につながるのだが、その延長は50kmに及ぶ。軽い散歩で森道を回りたい山登りの初心者は、ムンドゥレミ癒しの森道へ行こう。古項峠と文筆村をつなぐ緩やかなコースで、鬱蒼とした森を散歩しているかのように気軽に歩ける。
山林治癒プログラムは、大きく個人と団体で分かれる。個人向けプログラムはさらに「森セラピー」「健康セラピー」「自主体験」に区別される。森セラピーは、森道を散歩しながらハンモックで休んだり、マイナスイオンの呼吸などにより自然と親しむ時間である。また山林瞑想、カウンセリングなどから心に自然を留めてお いたり、チュチ地区の森道で山林浴体操、日光浴をして免疫力を高めることもできる。生活方式全般を健康に変えてみたいか、闘病で心身が弱まっている状態であれば、長期滞在するのも1つの方法である。まずは電話で申し込んで入居同意書を作成してから入所できる。朝になると非対面で簡単な運動をしてから、曜日ごとに異なるプログラムに参加する。午前にはマッサージ、瞑想、運動などを交互に行い、午後になると国立山林治癒院の松香の森、チョウセンマツの森などで癒しの時間を送る。ただし、病院ではないので医学治療は提供しない。心身を健康に変化させるか、日常のストレスから離れてリラックスして休憩し たい場合は、訪問をおすすめしたい。国立山林治癒院ならではの自慢といえば、他では見かけられない「水セラピー」プログラムと専門施設を整備していることである。水の流れと水圧を利用して心身に活力を与えるプログラムで、バーデプールスパと露天風呂、水圧マッサージ器など差別化された水セラピー施設が設置されている。バーデプールは、筋肉痛を解消して関節治療と腰・足首の筋力強化に働く水中リハビリ機器、緊張をほぐして動脈硬化、高血圧などに有効な水圧マッサージ器がある。バーデプールで運動をしてからは熱治癒室で汗を十分流した後、屋外の露天風呂で開けた山の眺めを観 賞しながら温泉を楽しむことができる。水でできるすべての癒しを実現しているのだ。
チュチ村で1泊2日間泊まりながら山林治癒を行うプログラムである。2人から6人まで、宿泊とプログラムによって費用が異なる。プログラムは基本、基本+屋外、基本+屋外+屋内から選択できる。タスリムステイは基本3食付きで、水セラピーや治癒装置の体験などが追加できる。治癒装置には遠赤外線を使って半身浴をする温熱体験器と水圧や水の波動を利用してマッサージする水セラピーが用意されている。