爽やかなフィトンチッドシャワーで癒しを

ヒノキののこくずをばらまいた森道を素足で歩きながら癒すことのできる場所である。広々と統営の沖合が見える農場で、松の5倍に達するフィトンチッドたっぷりの森を体験してみよう

統営のナポリ農園は、ヒノキの散策路とフィトンチッドのヒーリングスペースを提供している。ヒノキをベースに多様なプログラムを用意し、都心では感じられない森の美しさを自慢する。ナポリ農園は自然にできたところではない。代表のキル・ドッカンが17年間に渡り一から十まで直接手掛けた。故郷の抱川で園芸業を営み営農後継者に選ばれた彼は、趣味のため古くから統営を頻繁に訪問していた。そのうち、前から病んでいたアトピーがひどくなると、抱川の事業をすべて片付けて1997年に統営へと移住した。統営のナポリ農園は、本来はキウイ畑だった。統営に来てからは、キウイの農事をしてソウルへと流通させる仕事をした。当時、ソウルにあるキウイ流通会社の隣に、ヒノキで商品を作る業者があった。その会社の経営が悪化し、廃業するときにヒノキに関する資料をすべて引き受けた瞬間、ヒノキ製品でアトピーの症状を改善した記憶が浮かび上がった。結局、キウイを引き抜いてヒノキを植えた。

2004年に事業を本格化して、現在はヒノキの栽培・生産・加工から体験と教育まで網羅する形で発展、それに基づいて農林畜産食品部の6次産業認証を受けた。2019年基準でナポリ農園の年間訪問客は5万名に達する。新型コロナ以降の全プログラムは、100%事前予約で運営される。予約のない車や訪問者は入口を通ることができないので、注意する必要がある。

裸足で感じるヒノキの感触

ナポリ農園を訪れた人は皆、入口で靴を脱がなければならない。裸足で歩くことがポイントであるためだ。体験コースは、ヒノキの効能やプログラム内容について説明する動画を見ることから始まる。外に出て、狭い回廊のような探訪路を歩いて行けばヒノキのおがくずが敷かれている森中の散歩道が見えてくる。おがくず が敷かれているすべての区間にザイモゲン(zymogen)酵素とフィトンチッド液を自動で噴射するパイプラインを設置しており、地面をしっとりとした状態を維持する。そのうえ、農園の代表が毎朝4時にすべてのコースを自ら回りながら点検を行うため、探訪路は常にきれいな状態が保たれている。足の裏が弱い子どもでも安心して歩くことができる。探訪路 ではさわやかな空気を感じ られる。ヒノキと一緒に育つ、アオキや茶の木が陰イオンを放出して いるからだ。探訪路周辺に階段式で植栽したヒノキの樹齢は13～25年ほどで概して若く、免疫増進、ストレ ス解消、鼻炎など呼吸器疾患の緩和に効果があるフィトンチッドを大量に発散している。「フィトンチッド」とは、植物が発散する揮発性物質の総称で殺菌作用があり、皮膚や呼吸器から体内に吸収される。ヒノキをはじめとする針葉樹林はフィトンチッド濃度が高いためウェルネス体験施設に最適である。フィトンチッドがなかなか経験できない都市の人々に大切なチャンス を与える。

きめ細かく設計された体験コース

ナポリ農園には、体験コースのあちこちにエンターテインメントを用意している。空気を入れたテ ントに入って楽しめるエアシャワー、マイナスイオン道、ハンモック、神秘の気運を受入れるピラミッド気体験、風浴を楽しむ芝生ベッドなどで退屈する暇がない。新しく公開されたコースで、「屋外のフィトンチッド熟睡治癒室」もある。ヒノキの森に設置された屋外ベッドにリラックスして横になる。静かなヒノキの下でしばらく空を眺めていると、自然とまぶたが重くなる。暖かくてだるい気運が広がり、すぐ甘い眠りに落ちてしまう。不眠症がひどいかストレスにより熟睡できない人におすすめできる。熟睡治癒体験は無料でできる。なかなか見られない個性的なカフェもある。それは 「エアカフェ」。フィトンチッドの空気を思いっきり吸い込みながら気管支を丈夫にする場所である。リラックスして休憩できる椅子も用意されている。

室外コースの最後は、冷たい水に足をつける「クナイプ治癒コース」である。ドイツ•バイエルン州のカトリック神父であったセバスチャン•クナイプが考案したクナイプ療法は、「冷水浴」や「つゆが宿る草の上を歩く」ことなどが含まれた水治癒法である。それから、室内でヒノキ精油を落としたお湯で足浴を行うことで、1時間30分に及ぶ体験コースが終了する。

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