2021/12/02
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静かで鬱蒼としている11kmの森道には、昼にも光があまり入らないほどヒノキとスギがぎっしりと茂っている。西帰浦癒しの森は、ゆっくり散歩を楽しみぼんやりと木々を眺めることで疲れた心身を癒しやすい場所である。
済州には広く知られている旅先が多い。しかし、賑わう有名観光スポットの代わりに人々の足が届かない静かな場所を探していれば、西帰浦癒しの森は良い答えになるだろう。旅行が自分を振り返ってリフレッシュするチャンスだと思ったら、癒しの森はそこである。標高320~760mに位置しているため、暖帯林と温帯林の多様な植生を一か所で観賞できることは一番の魅力といえる。樹齢60年以上のヒノキとスギがぎっしりと森を成した西帰浦癒しの森は、合計10のテーマ路で構成される。入口から約1.9kmも広がるカモンオモン森の道から残りの9つの道が伸びていくのだが、事前予約をしてはじめて入場できる。険しくはないが、土道で滑るので登山靴や運動靴を履いた方が良い。
家族みんなで楽しめる多様な山林治癒プログラムも西帰浦癒しの森を訪問すべき重要な理由 になる。「山林治癒プログラム」は、癒しの森で出会える体表プログラム。森中の多様な環境を利用して弱まった免疫力を高め、心身と自然の調和により心身を健康にする時間になる。山林治癒プログラムは、資格を保有した山林治癒指導者の指導の下で運営、1回に最大10人と入場人数を制限して山林治癒効果をさらに高めている。プログラムは大きく3種類となっている。子供と一緒に訪問したなら、親は石階段と渓谷を挟んでいるマイナスイオンたっぷりの森道から山林教育と素足の足湯を楽しみ、子供たちは遊びを楽しみながら森に親しむ「家族山林治癒」プログラムに参加るのもおすすめ。「会社人山林治癒」プログラムは、森の多様な景観を眺め、フ レッシュな常緑樹の森道を歩きながら心身の回復を引き出す。一般向け(大人)の山林治癒プログラムは、身体の弛緩を助ける木の体操、呼吸、瞑想、茶談から余裕と心の安定を取り戻す。3つのプログラムは、すべてストレスや忙しいスケジュールで自分を顧みる余裕のない現代人に森中の豊かなフィトンチッドと太陽、風、美しい景色を楽しむ癒しの旅をプレゼントする。
西帰浦癒しの森は、第17回美しい森全国大会で「美しい生命賞(大賞)」を受賞するほど美しさが際立っている。ほかでは見られない済州固有の生態系がそのまま保たれていることも、ここを特別なものにしている。癒しの森では体力がなくても気軽に森の風景を眺め、新鮮な空気を吸い、のんびりトレッキングできる。四季を通じてヒノキ、アカガシ、スギなどがびっしり生い茂り、秋は紅葉が見事で、冬は雪道を歩く趣が楽しめる。静かに歩きながら瞑想する時間は森からの贈り物。森の道ヒーリングプログラムは完全予約制。ガイド付きで森を体験できる5つのコースが用意されている。いずれのコースも、様々な森の風景を鑑賞しながら体と心に森のエネルギーを取り込めるように構成。座って休める場所があちこちにあるため、マイペースで休み休み歩ける。森の真ん中にある快適な憩いの場で横になれば、疲れた心が浄化されていく気がする。
森を存分に楽しんだら、チャロン癒し弁当でお腹を満たそう。チャロンは食べ物を入れる済州式竹籠のことで、その中に済州産の食材で作った済州料理が入っている。漢拏山のシイタケ、千切り蒸し大根の蕎麦粉薄皮巻き、ブロッコリー、串焼き、ヒジキおにぎり、オタカラコウ包みご飯、カボチャの葉おにぎりなど、真心のこもった料理がぎっしり。現在は新型コロナのためしばらく運営を中止しているので、事前に予約可否を確認する必要がある。