冬になり木枯らしが吹き始めると、韓国ではこの時期ならではのさまざまな食べ物が、町のあちらこちらで見かける屋台に登場します。
フナの形をした、たい焼きをちょっと小ぶりにしたような、皮がカリッとしたプンオパン、日本でも最近人気のホットク、焼き栗、ふかふかで小腹を満たすのに十分な「ホッパン」こと蒸しパンなど、厳寒の冬を吹き飛ばすにはもってこいのグルメが目白押しです。
韓国の人々にとっては幼い頃友だちと買い食いした想い出などが沢山つまった韓国のストリートフードですが、外国からの観光客の皆さんには目新しいものがあるかと思います。今回はそんな韓国の冬のあったかなストリートフードの中でも代表的な六つをご紹介します。
いまや韓国の冬の風物詩ともなった感があるのが、この食べ物・プンオパン。
プンオとは鮒のことで、直訳すれば「フナパン」。フナの形をした焼き型に生地を流し込み、小豆餡を入れて焼き上げます。日本の鯛焼きよりは小ぶりで、皮がカリッと焼きあがっているのが特長です。
韓国の人々は陽気が寒くなってきて街角でプンオパンの屋台を見かけると、冬が近づいてきたことを実感します。そんなプンオパンは韓国の人々にとって冬を象徴する食べ物となっています。
最近ではプンオならぬインオ・鯉の形をしたインオパン、ちっちゃな形がかわいいミニプンオパン、小豆餡の代わりにクリームや野菜、チーズ、中にはキムチまで入ったちょっと風変わりなプンオパンなど、さまざまなプンオパンもあります。価格はその地域ごとによって違いますが、3つから5つほどで2000ウォン程度となっています。
蒸しパン(チンパン)はいろいろな具が入った中華まんのような食べ物で、大手食品メーカーが70年代に手軽に食べられる蒸しパン「ホッパン」を発売したことから、一般には「ホッパン」とも言われています。
韓国の街中ではキムパプや小麦粉を使った軽食を提供する粉食(プンシク)のお店の店先で、蒸し器から立ち上がる湯気を見かけた方も多いかと思います。
蒸しパンの具には小豆あんや野菜・挽肉が入ったものをはじめ、ピザ味やカボチャ味のものまであります。価格は1個1,000ウォンから2,000ウォン程度となっています。
町の粉食のお店以外にも、工場で作られた蒸しパンはコンビニや町の小さなスーパーでも気軽に購入できます。
焼き栗は、殻をむいた栗を弱火で焼き上げ、ほのかな甘さと香ばしい味わい、そして栗のホクホク感がたまらない一品。
昔ながらの在来市場やその周辺では栗を焼いている屋台を見かけることが多く、価格は1袋3,000ウォンから5,000ウォンほどです。
トッポッキは韓国でいまや国民的人気を誇る軽食のひとつで、文字通り訳せば、トッ=トク・餅、ポッキ=炒めで、さしずめ「餅炒め」といったところ。
トッポッキは長細い韓国のお餅を切り、練り天(練かまぼこ)、タマネギ、キャベツ、人参などさまざまな野菜を、コチュジャンベースの甘辛ソースや同じ屋台でつくっている練り天のだし汁などで煮込みつくります。
街中の屋台でトッポッキを注文すると、練り天のだしが出ておいしいだし汁もサービスで一緒に出てきます。トッポッキは韓国の国民食的な存在の食べ物なので、韓国全国どこへ行っても食べることができます。
近年ではさまざまな味のトッポッキを楽しめるトッポッキ専門チェーン店も登場、カレー味をはじめ、チーズ、ジャージャー麺ソース味などちょっと変わったトッポッキも味わえます。
価格はお店により異なりますが、1人前2,500ウォンから3,500ウォンほどです(屋台の場合は1人前から注文できますが、トッポッキ専門店の場合は店により2人前以上からとなっているところもありますので、注文前にご確認下さい)。
冬を迎えると、韓国の街のあちらこちらでは湯気の上がる屋台の店先で、串刺しのこの食べものを食べている人々をよく見かけます。それは串刺し練り天(練りかまぼこ)。
串刺し練り天は、魚肉をすりつぶして平たくした練りかまぼこを細長い串に刺し、大根や昆布などでだしをとっただし汁で長時間煮込みます。
厳寒の空の下、プリプリした練り天を頬張りながら、一緒にアツアツのだし汁をすすると、身も心もほかほかに温まります。
練り天は全く辛くないので、お子さまや辛いものが苦手な方にもおすすめ。屋台での価格は1本500ウォンから1,000ウォンほどです。
いまや日本でも大人気となった韓国のストリートフードといえばこれ、ホットク。
ホットクは小麦粉やもち米などで生地を作り、その中に黒糖、落花生、シナモンなどの具を入れ、油を引いた鉄板で丸い押し器で平べったく成形しながら焼き上げます。
砂糖や落花生などが入ったホットク以外にも野菜入りのものや、さまざまなナッツ類や炒った種・シアッなどが入ったシアッホットクなどもあり、バラエティに富んでいます。
できたてのホットクは大変熱く、中に入っているどろどろに溶けた黒糖が飛び出してくることが多々ありますので、がぶっといかず、端から少しずつ食べることをおすすめします。
値段は店により異なりますが、1枚1,000ウォンほどです。 最近ではスーパーで自宅で簡単につくれるホットクミックスも販売されているので、お土産で購入し、韓国の味をもう一度ご自宅で味わってみてはいかがでしょうか。
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※ 上記の内容は2020年12月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。