ソウルは、韓国の首都だけあって、芸術を楽しみ文化を体験できるさまざまな施設があります。
中でも2019年にオープンしたばかりの新しい文化芸術施設は、これまでにないコンセプトの展示企画が多く、多くの人々から注目を集めています。多種多様な展示をはじめ、SNSで話題沸騰中のフォトゾーンなども随所にあり、屋内で文化芸術に触れ。充実したひと時を過ごしたい方におすすめの施設ばかりです。また、今回ご紹介する新しい文化芸術スペースはいずれも無料というのも観光客にはうれしいところです。
まだ、地元・ソウルの人も知らない新しく誕生した注目の文化芸術スポットを、今回は皆さんにこっそりとご紹介します。
※註)現在、コロナウイルス感染症‐19拡大防止のため、博物館など韓国全国の公共施設が臨時休業あるいは開館時間短縮となっている場合がございます。本コラムで取り上げている各施設につきましても変更となっている場合がございますので、公式ホームページ等でご確認ください。
西小門(ソソムン)聖地歴史博物館は、朝鮮時代後期、数多くのカトリック信者が迫害を受けた場所として知られる「西小門外十字路殉教聖地」の一部に開設された博物館です。
地下1階から地上3階まである西小門聖地歴史博物館は、西小門歴史公園の地下にある公営駐車場を利用して作られた博物館です。そのためか、地下深くにできた別世界へ入り込んだ感じがするそんな場所です。また、他にはないここだけのスペース・コンソレーションホールでは、カトリック信者を追慕する映像の上映もおこなわれており、映像にあわせてホール全体に音楽も流れています。
SNSで人気のハヌル(空)広場は、殉教したカトリック信者を追悼するために設けられた広場です。広場はどの角度から写真撮影をしても素晴らしい場所ですが、その前に広場の空に向かって見上げ、古の時代にこの地で殉教したカトリック信者の人々に思いを馳せてみましょう。
貞洞(チョンドン)1928アートセンターは、徳寿宮トルダムキルとともに、韓国の近代史を歩んできた場所です。この場所は救世軍の士官養成と宣教活動の拠点とするため1928年に建てられた建物で、現在は、展示・公演などさまざまな芸術プログラムが行われています。
建物の1階は救世軍の士官候補生の寄宿舎として利用していましたが、現在ではカフェ『Heyda(ヘイダ)』にリモデリングされ営業しています。植物がいたるところに配置されているカフェ『Heyda』では、独特な雰囲気を感じることができるスペース。カフェ内にはビンテージ物の壁紙で彩られた部屋にアコーディオン、緋いベルベッドの椅子などがあり、絶好のフォトゾーンになっています。展示場に使われている別館は韓流スターBTS(防弾少年団)のメンバーRMが訪れ、話題になった場所でもあります。
敦義門(トニムン)博物館村は、一般の住宅や食堂などが密集する敦義門址周辺の街の一角を、ひと昔前のソウルの街並みに作り上げた、町全体が博物館のような場所です。
この敦義門博物館村には、開化期の韓国で在韓外国人らが交流の場として使っていた施設を再現した「敦義門倶楽部」、1960年代から80年代に人気を博したアーケードゲームや漫画などに触れることができる「敦義門コンピューター」ゲーム場、地元の地名を看板に掲げ子どもたちが漫画を楽しんだ「セムンアン漫画房(マナバン)」など、1960年代から1980年代ごろまでの韓国の庶民の暮らしぶりを垣間見ることができる様々な展示館が数多くあります。特に、レトロ感あふれる敦義門倶楽部の小さなステージは、多くの観光客のフォトスポットとして人気です。中央に立つスタンドマイクでポーズを取ればSNS映えも間違えなし。
ソウルウリソリ博物館は、栗谷路(ユルゴンノ)の大通りを挟んで昌徳宮(チャンドックン)の正門・敦化門(トナムン/トンファムン)の向かい側に建つ現代風の新しい韓屋の博物館で、近くまで来ればすぐに目に飛び込んでくる建物です。
韓国初の民謡専門博物館・ソウルウリソリ博物館は、 「ウリソリ=我々の音」という名称の通り、古の時代から伝えられてきた韓国の民謡を実際に体験して聴くことができる博物館です。
憩いの場にもなっている民謡視聴スペース「音源鑑賞室」では、座席ごとにヘッドフォンがあり、韓国の民謡を心置きなく聴くことができます。昌徳宮が見える窓際の席もあるので、歴史ある風景を窓越しに眺めながら、ヘッドフォンで韓国の民謡を聴くのもおすすめです。
また、博物館のインテリアが物静かな韓屋のカフェのような感じになっているので、SNS映えする場所でもあります。
このほか、ソウルウリソリ博物館には常設展示室もあり、民謡でよく使われる太鼓をたたいてみたり、パズルで楽しんだりと、さまざまな体験も可能です。
ソウル生活史博物館は、旧ソウル北部地方法院(地方裁判所)や旧ソウル特別市北部地方検察庁の建物があった北部法曹団地を改築して作られた博物館です。ソウル生活史博物館は1階から3階まであり、日本の植民地支配から解放された1945年以降のソウル市民の暮らしぶりが手に取るように分かるさまざまな展示をはじめ、自ら体験ができるコーナーなどもあります。
また、日本語をはじめ英語・中国語でも展示の解説を聴けるオーディオガイドもあり、海外からの観光客の方々にも、より興味を持ってご観覧いただけます。
また、この場所が旧北部法曹団地の建物であったことから、韓国の拘置所を体験できる「拘置監展示室」という他にはない展示室もあり、拘置所の矯導官(日本の「刑務官」に当たる職員)の制服や未決拘禁者の服を試着することもできます。
※上記の内容は2020年5月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。