渡り鳥の飛来地で楽しむ興味深い生態観光地、瑞山（ソサン）
都会と海、自然と技術の調和が印象的な浦項（ポハン）
韓国旅行の魅力は何といっても旅先で出会う思いがけない経験です。有名な観光地ではなく瑞山や浦項のような中小の寄港地で美しい風景に出合い、新たな体験をして、地域の特色を生かした郷土料理を味わいながら旅行の醍醐味を感じることができます。
瑞山は西海岸の小都市で、渡り鳥の飛来地や干潟、澄んだ海、広大な干拓地を有する生態観光地です。渡り鳥の観察、海美邑城（ヘミウプソン）の散策、そして豊かな海産物を味わうことができます。一方、東海岸に位置する浦項は、韓国を代表する企業の一つ、ポスコと共に成長した都市で、都会の活気と長閑な海辺の両方を併せ持っています。スリルあふれるスペースウォーク、ロマンチックな浦項運河、ドラマのロケ地として脚光を浴びている九龍浦（クリョンポ）、海岸線沿いのトゥルレ道など、旅行者にとって魅力的な場所が満載です。
歴史と自然に出会う旅行、瑞山（ソサン）
瑞山は歴史と自然を感じることができる観光地です。野原と海、農村と漁村、伝統と現在が共存している場所です。清らかな自然に癒されながら、干潟や渡り鳥の飛来地で生態観光を体験できます。
浮石寺（プソクサ）でのテンプルステイでは伝統的な寺院文化を体験でき、礼仏、供養、茶談、散歩などを通して本当の自分を探す安らぎの時間を過ごすことができます。ミョンガネヒーリング農場で行われるクッキングクラスに参加するのも特別な体験となることでしょう。サツマイモ、ジャガイモなど、旬の農産物を収穫して村の農産物でロールケーキ、餅、クッキーなどを作ります。
生態観光一番地を夢見る瑞山の代表的な観光地は浅水（チョンス）湾です。世界的な渡り鳥の飛来地で、ナベヅル、オオハクチョウ、コウノトリ、カモ、ホウロクシギなど200種以上の渡り鳥が飛来し、いつ訪れてもバードウォッチングが可能です。特に、3月中旬に訪れるナベツルは壮観です。
また、西海に面しているため海に関する独特な体験をすることができます。三吉浦（サムギルポ）港では、停泊した船の上で刺身をさばく船上魚市場が開かれます。1日に2度、海が割れて道が現れる神秘の島・熊島（ウンド）では、満ち潮では道が消え、引き潮になると道が現れて島に渡ることができる「海割れ」体験ができます。
瑞山の歴史遺跡地を訪れるなら海美邑城（ヘミウプソン）がおすすめです。朝鮮時代に築かれた海美邑城は高さ5メートル、周囲2キロメートルほどあり、市街地をぐるっと取り囲んでいます。城門と城郭はライトアップされ、夕方に散歩すると昔の城の静かな雰囲気を感じることができます。さらに昔に遡ると、百済時代に作られた瑞山龍賢里磨崖三尊仏像があり、「百済の微笑み」と呼ばれる微笑を浮かべた仏像が岩の絶壁に彫られています。瑞山は韓国カトリック教の歴史上、重要な地域で、殉教者の誕生地、殉教地、墓、福音伝播をつなぐ聖地巡礼道が設けられています。海美殉教聖地は2014年のフランシスコ教皇の訪問以降、訪れる人が増えました。最近、ローマ教皇庁が韓国で2番目に海美殉教聖地を国際聖地として承認し、世界各地から巡礼者が集まっています。
瑞山旅行の魅力は何と言っても新鮮な食材の味が生かされた郷土料理。干潟や海で捕れた海産物を始め、野菜、果物、穀類など、伝統市場の東部市場には豊富な食材が集まっています。海美邑城の近くでは、瑞山ユクチョクニンニクを入れて作ったユクチョクニンニクパンを味わうことができ、看月島（カヌォルド）近くでは磯の香りが漂う栄養満点の牡蠣ご飯や牡蠣の塩辛が有名です。瓢箪の果肉入りテナガダコスープ、ワタリガニ鍋、カニとキムチの煮込み、アミの塩辛入りクロソイスープなどの郷土料理に挑戦してみるのはいかがでしょうか。
4月に瑞山を旅行するなら、100年間守られてきた古宅・柳基方（ユ・ギバン）家屋がおすすめです。そのころになると古宅の周辺に黄色い水仙が咲き誇り、絶景となります。他にも青い草地の上に桜が満開になる瑞山韓牛牧場、八重桜が華やかな開心寺（ケシムサ）もおすすめです。
ドラマチックな旅行、浦項（ポハン）
東海岸に位置する浦項は美しい運河や灯台、有名なドラマのロケ地など、他では見たことのないユニークな観光スポットがあるドラマチックな都市です。浦項では都会と自然、歴史と現在、文化と芸術をすべて満喫できます。
小さな港である九龍浦（クリョンポ）は、Netflixで配信されたコン・ヒョジン、カン・ハヌル主演のロマンスドラマ『椿の花咲く頃』のメインロケ地です。トンベクの店「カメリア」をはじめ、100年前の風景を秘めた路地や港を見下ろす九龍浦公園の階段など、ドラマのロケ地が点在しています。九龍浦からほど近い虎尾岬広場は「相生（共存）の手」がベストフォトスポットで、時間に余裕があれば海岸沿いのウォーキングコース・虎尾（ホミ）半島海岸トゥルレ道をおすすめします。海岸トゥルレ道を歩いて訪れることができる延烏郎細烏女（ヨノランセオニョ）テーマパークは、涼しげな海の眺めと散策を楽しむのに最高です。海辺の村を背景に繰り広げられるシン・ミナ、キム・ソンホ主演のドラマ『海街チャチャチャ』に登場する清河（チョンハ）市場や崑崙山（コンリュンサン）滑空場で、ドラマのシーンのように記念写真を撮ってみるのはいかがでしょうか。
ロマンチックな旅行をするなら浦項運河がおすすめです。数十年間閉ざされていた東浜（トンビン）内港と兄山江（ヒョンサンガン）区間の旧水路に浦項運河が誕生しました。曲がりくねった運河がロマンチックな風景を作り出し、運河を運航する様々な船も印象的です。フェリー乗り場のある浦項運河館展望台に上れば、浦項の街並みはもちろん、対岸のポスコ一帯を一望できます。鉄鋼都市・浦項の今日を築いたポスコは、1968年、浦項で発足した韓国一の鉄鋼会社です。熱延、ステンレス、鋼板など、「産業の米」と呼ばれる鉄鋼材を生産する企業で、地域経済はもちろん国家経済の中枢的な役割を担っています。ここを訪れたらフェリーに乗って海から眺めるポスコの華やかな夜景もお見逃しなく。
鉄鋼都市・浦項の新しいランドマークとして位置づけられたスペースウォークもまたポスコで製作されました。ジェットコースターのような形をした造形物が印象的です。風景が360度広がり、スペースウォークという名前の通り、宇宙を歩いているようなスリルを体験できます。333メートルの曲線型構造物に沿って歩くと、周辺の風景をさまざまな角度から楽しむことができます。浦項製鉄所、迎日台（ヨンイルデ）海水浴場、環湖（ファンホ）公園などが一望でき、夜景も人気があります。スペースウォークから見下ろす迎日台海水浴場には様々な芸術作品が造成され、サンドアートフェスティバルを通して砂像も鑑賞できます。レストランやカフェが立ち並び、サーフィン、ウィンドサーフィン、ヨットツアーも可能です。浦項の味をじっくりと味わいたいなら竹島（チュクト）市場がおすすめです。伝統市場の賑わいと様々な味を楽しむことができます。
浦項から慶州（キョンジュ）に向かう国道沿いの良洞（ヤンドン）村は、安東（アンドン）の河回（ハフェ）村と並んで朝鮮時代を代表する両班村に挙げられます。約600年の歴史をそのまま守っている古宅と古木、路地が美しい良洞村はユネスコに登録されている世界文化遺産です。
