2021/12/02
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自然そのものの理の中に佇むことのできるヒリオンスソン村は、文明の便利さから離れ、ゆっくりしたテンポで生きても大丈夫だよと励ましてくれる。
自然医学者のイ・シヒョン博士がヘリに乗っていたとき、森中で限りなく静かで広い地を見て奥深い悟りを得て整備したというソン村。ソン村が位置している洪川郡の種子山キルは250m高地にある。ソン村の中では宿から食堂まででも散歩で歩くにはちょうど良い。健康に炊いた自然食を食べてから丘を歩くと、特別な運動が要らない。ヨガなどのプログラムに参加したり、炭酸スパでゆっくり時間を過ごそうと移動するだけでも軽い散策になる。世界の長寿村はほとんどが高台にあることをご存じだろうか。丘の道を上る時に無意識になされる深呼吸は、足や心臓を丈夫にし、自律神経の安定にも効果的である。ソン村では、専門家達が集まり、現代人が悩む数々の疾患などの予防や治癒に効果的なプログラムを編み出している。生活の質を落とし、改善のタイミングを逃してしまうと一生背負うことになる持病にもなりかねない生活習慣病。それを改善するためにもプログラムの始めに、ウォーキングが組まれている。
ソン村の宿泊施設には、きれいに磨かれた大きな窓がある。テレビやパソコンのような機械類の代わりに窓から見える、青い空や自然の姿を楽しむ。朝になると朝日が降り注ぎ、夜になると星の光が輝き照らす。テレビやスマートフォンなどに費やす時間の代わりに、思索をしたりもできる。ただ、何も考えず座っているだけでも、心に余裕が持てる。当たり前のように慣れている便利さが排除され、不便さを感じつつも、逆にそれは、ほかに集中してきた五感が、今まで逃してきたものを感じさせることとなる。足に感じる大地の感触や、鼻をくすぐる花の香りに感動を覚える。専門講師と共に、トレッキングに参加し、森の気を肌で感じ、仰向けになり臥式瞑想に浸り、電子波の光の代わり暗闇に癒され眠りに落ちることなどの全てが、日常の歪みを正し、癒しと余裕をもたらしてくれる。
ソン村の創立理念は、ウェル・エイジング(Well-agingである。ウェル・エイジングのためにはまず、糖尿や高血圧のような現代病ともいわれる、生活習慣病を治さなければならない。喫煙や飲酒、不眠症、ストレス、攻撃的な思考など、このような生活習慣が病気の原因となってしまう。従って、ソン村では、「科学的であり、誰にでもできる、そして楽しくできる」という3つの原則に従って組まれたプログラムがあり、それにより基本習慣を見直し正せるようサポートする。より具体的な体験をしたい場合、「Shimステイ」プログラムがお勧めである。Shimステイは、基本客室が利用できる他、食事、生活韓服、炭酸泉、岩盤浴などソン村の施設利用もでき、日によって異なるデイリー・プログラムも自由に体験できる。トレッキング、運動、瞑想、栄養講義などをテーマとするデイリー・プログラムで、生活習慣病を改める、4つの正しい習慣が体験できる。正しい習慣のまず最初が、「食習慣」である。栄養の講義では、病気の予防や健康のため何をどうやって食べればいいのか見つめなおす時間となる。理論だけではなく、いくつかの実践ポイントも体験できる。まず、食べる順番を変える・食事の1時間前に繊維質が豊富な間食をとる。食事の際、デザートを先に食べる。野菜などの新鮮なおかずを先に取ることで、メイン料理の摂取量を減らせるという。こういった習慣を身につけるよう、すべての食卓に30分砂時計が用意されている。二番目は「運動習慣」。小物による弛緩運動法と階段歩き、1日2回以上30分歩きなど、場所を選ばずに日常でできる運動の実践方法を専門講師の指導に従って習得する。そして3つ目は、「心の習慣」である。ストレスを管理する方法や正しい心の持ち方などを教わる。1日1回以上の瞑想、小さなことにも感謝の気持ちを持つこと、イライラした時は、深呼吸を3回以上すること、1週間に1度は読書などをするなど、心を落ち着かせる方法などを指導してもらう。そして最後は、「生活リズム習慣」である。日常の中で、万全の体調を維持するための生活リズム改善のための睡眠法や、足湯、半身浴法などを学び、直接体験してみる時間となる。1泊2日のヒーリングプログラムには、4つの正しい生活習慣のための指導や体験がぎっしり詰まっている。
ソン村は、家族連れでも、友達同士、またはカップルでも楽しめる場所である。体に良い4大習慣を身につけ、すべての年齢層が健康管理法を学ぶことのできる多様なプログラムが運営されている。体の癒しの力を高めるデトックスプログラム、ストレスを和らげるセラピープログラム、自分の内面に向き合う瞑想プログラムなど、様々なテーマから自由に選ぶことができる。美しい種子(チョンジャ)山に囲まれて季節の移ろ。