
韓国の伝統料理であるビビンバは食材本来の味がまざって生み出す魅力で多くの人々から愛されています。ビビンバは機内食の人気メニューとして定着し、世界各地に専門店もできています。ビビンバの種類は、いろいろな野菜、炒めた牛肉をのせた伝統ビビンバから、各地域の特産物を使ったビビンバまでたくさんあります。最近ではビビンバがフュージョン料理としてアレンジされ注目を集めています。
世界の人々に注目される健康食、ビビンバ

ご飯とおかずを混ぜて食べるビビンバは、手軽に作れる料理というだけでなく味もよく、栄養も満点です。各種野菜や肉が彩りよく使われ、タンパク質、炭水化物、食物繊維が摂れるだけでなく、見た目にも美しく、栄養バランスのとれたメニューといえます。ビビンバを混ぜると香ばしいごま油の香りがし、さらに食欲をそそります。
伝統ビビンバ&創作ビビンバ
全州韓屋村のビビンバコロッケ
ミックスビビンバ
ビビンバは元々骨董飯(コルドンバン)または花飯(ファバン)と呼ばれていました。骨董飯は「めまぐるしくかき混ぜる」ことから名付けられたもので、花飯はビビンバの華やかな彩りを花に例えて名付けられました。ビビンバに使われる材料は地方ごとに異なりますが、一般的に食べられるビビンバには豆モヤシ(またはモヤシ)、キキョウの根、ワラビなどのナムルや炒めた牛肉などを使います。

キノコとプルコギのビビンバ
ツナとキムチのビビンバ
最近のビビンバは伝統的なものだけでなくフュージョンビビンバ、即席ビビンバなど多様に変化しています。観光客が多い全州韓屋村ではビビンバコロッケ、ビビンバパンといったいろいろな種類のフュージョンビビンバを味わうことができます。また、韓国の外食産業は外国人向けに辛いコチュジャンの代わりに醤油やカンテンジャン(濃味テンジャン)で味付けしたビビンバを輸出しています。
韓国各地のビビンバ
全州(チョンジュ)ビビンバ
いろいろなナムルを入れて彩り美しく盛りつけた全州ビビンバは韓国を代表する料理のひとつです。牛骨肉のスープでご飯を炊き、卵の黄身やユッケをのせるのが全州ビビンバの特徴です。全州ビビンバはひき肉を入れ、炒めた薬(ヤク)コチュジャンと豆もやしスープと一緒に食べたりします。
安東(アンドン)ビビンバ
安東ホッチェサッパプ
チヂミの盛り合わせ
ホッチェサッパプは「偽の祭祀飯」を意味し、祭祀を執り行なって残った食べ物でビビンバを作って食べたことに由来しています。安東(アンドン)、晋州(チンジュ)、大邱(テグ)など、さまざまな地域の儒生が主に食べていましたが、安東のホッチェサッパプが最も有名です。ホッチェサッパプには長ねぎ、ニンニク、唐辛子粉を入れずに和えたナムルが入っており、コチュジャンの代わりに醤油、ゴマ塩、ゴマ油などと混ぜて食べます。また、トンベギ(鮫肉を塩蔵したもの)、サバ、串焼きなどを添えて食べたりします。
統営(トンヨン)ビビンバ
統営ビビンバは茹でたホヤ、エビ、貝などを味付けして混ぜて食べるのが一般的です。野菜を炒める際、海産物から取った濃い出汁を入れて作ることもあります。こうして作った統営ビビンバに貝や豆腐を入れて煮こんだ汁物を添えて食べたりします。
晋州(チンジュ)ビビンバ
晋州ビビンバは慶尚南道晋州地方の郷土料理です。晋州ビビンバはご飯の上に野菜や山菜のナムルなどを盛り、牛肉を細切りにしてチャングクという醤油ベースのスープを入れてよくかき混ぜ、その上に緑豆こんにゃく、ユッケ、コチュジャンをのせます。晋州ビビンバの大きな特徴は牛肉のユッケがのっていることです。1920年代ごろ晋州の牛市場が活発に運営されていたことから、ユッケビビンバは食堂の主力メニューになり始めたものとみられています。なお、ビビンバの上にのせるユッケは肉に火を通してのせることもあります。
空で味わうビビンバ
ビビンバは、飛行機の機内食メニューとしても愛されています。機内食として提供されたビビンバを食べたマイケルジャクソンさんは韓国滞在中に何度もビビンバを食べたといいます。韓国や海外の航空会社で提供される機内食のビビンバでは外国人向けに、辛いコチュジャンではなくポックムコチュジャン(炒めコチュジャン)が提供されることもあります。