新型コロナウイルス感染症で停滞していたミュージカル市場が次第に復活の兆しを見せています。長い間会えなかった嬉しい顔ぶれが、ミュージカルで少しずつ観客の前に姿を現しています。そのスタートは『ジキル&ハイド』が切りました。ドラマ『星から来たあなた』で印象的な悪役を演じたシン・ソンロク、安定した歌唱力と演技力により幅広い世代から人気のパク・ウンテとリュ・ジョンハン、そしてKAIと豪華なラインナップとなっています。
K-POPに関心のある人なら、『Equal-イコール-』と『ジャック・ザ・リッパー』のほうが注目かもしれません。2pmのJun.K、NU’ESTのベクホ、Golden Childのジュチャンは二人劇の『Equal-イコール-』に、SF9のインソン、ASTROのMJ、INFINITEのウヒョン、FTISLANDのイ・ホンギは『ジャック・ザ・リッパー』でステージに上がります。歌だけでなく真摯な演技も観ることができるので、世界中のファンからの期待を集めています。最も注目されている3つの作品をみていきましょう。
ジキル&ハイド
故郷よりも韓国で人気のロングラン・ミュージカル
ブロードウェイの原作よりも韓国で人気が高いミュージカルがあります。ロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説『ジキル博士とハイド氏』が原作のミュージカルです。これは、大胆でスピード感あるアレンジされた展開と、クライマックスに登場するナンバー『時が来た(This is the moment)』のおかげです。
実力のあることで有名なジキル博士は、人間の持つ善と悪の心を分離できれば精神病院に入れられている患者を治すことができると信じています。人々は、そんな博士に神に逆らうことだと反対しますが、ジキル博士は自分が実験台になろうとします。しかし実験は失敗し、心の中の邪悪な自我であるハイド氏が目覚め、実験に反対した者たちを殺し始めます。
オフィシャルサウンドトラックが発売と同時に完売し、シーズン1に続くシーズン2のラインナップも韓国を代表するミュージカル俳優のチョン・ドンソク、パク・ウンテ、KAIが出演して好評です。善と悪を象徴するようにステージを光と暗闇に分ける強烈な照明、ステージのあちこちに置かれた鏡、威圧感のある高く積まれた実験道具など、舞台装置も観客を圧倒します。
- ジャンル
- ミュージカル
- 期間
- 2021年10月19日(火)~2022年5月8日(日)
- 場所
- シャルロッテシアター
- 字幕
- -
- 年齢制限
- 14歳以上
- 上演時間
- 170分
- 公演時間
- 火曜~金曜日 19:30、水曜日 14:30、19:30、土曜・日曜日、祝日 14:00、19:00
- お問い合わせ
- NAVER、INTERPARK、YES24
Equal-イコール-
ボリュメトリックを使った新しい概念のハイブリッド公演
K-POPとヒップホップ、K-POPスターとミュージカルの新鋭、そして最先端のボリュメトリック技術が融合したハイブリッド公演がやってきます。2PMのJun.K、NU’ESTのベクホ、Golden Childのジュチャンなど、グローバルK-POPスターとミュージカル界の新鋭が登場し、世界中のファンたちから関心を集めているミュージカル『Equal-イコール-』です。2020年に韓国で初演された日本人作家・末満健一の同名の演劇が、韓国で2人のキャストによるミュージカルに新しく創作されたものです。
世紀末の混乱から魔女狩りがしばしば行われていた17世紀ヨーロッパ。ニコラとテオは幼馴染の仲良しです。肺病を患ってからだの弱いニコラは一日中ベッドに寝たきりで、そんな友達がかわいそうなテオは、ニコラの病気を治すために医学の勉強に励みます。ついに小さな診療所の医師となったテオはニコラの病気を治してあげようとしますが、ニコラには死の影が忍び寄ってきます。テオは最後に錬金術に望みをかけますが、ニコラは恋人ができてからというもの帰りが遅くなったテオに不満を持ちはじめます。
K-POPのようなナンバーとダンス、照明が新鮮に感じます。特にステージの後ろに映し出される映像には注目です。高解像度のカメラ100台以上を使って動きをキャプチャし、360°の立体映像を生み出すボリュメトリック技術によって生み出される黄金の人間は不思議です。
- ジャンル
- ミュージカル
- 期間
- 2021年12月31日(金)~ 2022年2月20日(日)
- 場所
- ユニプレックス1館
- 字幕
- -
- 年齢制限
- 14歳以上
- 上演時間
- 100分
- 公演時間
- 火曜~金曜日 19:30、土曜日 18:00、日曜日 15:00
- お問い合わせ
- INTERPARK、Ticketlink
ジャック・ザ・リッパー
クラシック・ミュージカルの定番
1888年、イギリスの歓楽街ホワイトチャペルで、5人の女性が次々と殺されます。しかし、その殺人犯は捕まりませんでした。世紀の殺人鬼・切り裂きジャックと殺害された女性たちの物語をもとに生まれたミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』の原作はチェコですが、あらすじ、歌、ステージの90%以上を韓国の情緒に合わせてアレンジし、2019年の初演の際には「原作を越えて完璧」だと好評を博しました。
心汚い刑事のアンダーソンは、世間の話題である連続殺人鬼を追いかけて金儲けをしようと企んでいたところ、犯人を知っているという外科医のダニエルに出会います。ダニエルは臓器移植の研究のために臓器を手に入れようとしていたところ、娼婦グロリアの紹介で殺人鬼のジャックに出会い、ジャックがグロリアをはじめ多数の女性たちを殺害しようとしていると話します。ダニエルはグロリアと幸せになることを夢見ていましたが、ジャックを警察に通報したことからグロリアに悲劇が起こり、それによって別れることになったとジャックに対する憎しみを隠しません。しかし、ダニエルの協力にもかかわらず、殺人事件が再び起きてしまいます。
犯人を追跡しながらジャックの正体が一つひとつ明らかになっていく過程はスリルがあります。19世紀後半の暗いイギリスの街並み、娼婦たちの華やかなダンスなど、背景の変化によってダイナミックに変わるデュアルステージからも目が離せません。
- ジャンル
- ミュージカル
- 期間
- 2021年12月3日(金)~ 2022年2月5日(土)
- 場所
- 韓電アートセンター公演場
- 字幕
- -
- 年齢制限
- 8歳以上
- 上演時間
- 150分
- 公演時間
- 火曜~金曜日 19:00、土曜・日曜日、祝日 15:00、19:00
- お問い合わせ
- NAVER、INTERPARK、YES24