暦はもう11月。しばらくすれば師走の声も聞こえてくる時期となりました。
こちら韓国も日一日と氷点下となる日が増え、本格的な冬到来といった感じです。
そんな冬の韓国、街中を歩いていると、身も凍える冷たい風が吹いてくる先から白く煙る湯気とともに美味しそうな匂いも一緒に漂ってきます。
通りの屋台から立ち上る湯気や食欲をそそる香りに誘われて、街を行き交う人々はひとりふたりと屋台に立ち止まり、身も心も温まる屋台グルメを頬張る。そんな風景は冬の韓国の風物詩といっても過言ではありません。
今回はこれから本格的な冬を迎える韓国で味わえる、おすすめの屋台グルメ・ストリートフードを詳しくご紹介したいと思います。この冬、貴方なら韓国でどんな屋台グルメを食べてみたいですか？

韓国の冬を代表する魅力ある屋台グルメといえば、何といってもオムク（어묵）・練り天とチャンチグクス（잔치국수）・にゅうめん。
厳寒の韓国の屋台で温かなつゆをすすれば、身も心もホカホカしてくること間違いなし！
魚のすり身を成型し揚げたり焼いたりして作る練り天・練りかまぼこはじっくり煮込むと旨味が濃縮されただし汁の素となり、屋台で熱々の出汁を飲みながら串刺しの練り天を食べれば、冷えた体もぽっかぽかに温まります。
またにゅうめん・温そうめんは、煮干しや昆布の出汁をベースにした麺料理で、茹でた素麺に刻み海苔や錦糸卵、ズッキーニのような形をしたカボチャ・エホバクをトッピング、出汁の味わいがきいたすっきりした味わいが魅力の温かな麺です。
小腹が空いてちょっと何か屋台で食べたい時は練り天を、腹ペコだけど辛いものではなく冷えきった体を温め食欲を満たしたいという方にはにゅうめんをおすすめします。

韓国に来たからには辛いスパイシーなグルメにもチャレンジ！辛いものを味わってみたい方にうってつけな屋台グルメといえば、何といってもトッポッキ！
コチュジャンをベースにし練り天の出汁などを加え甘辛だれで細長い餅を煮込むトッポッキですが、お餅とともに煮込む練り天やゆで卵も一緒に食べるとその味わいは絶品。日頃のストレスも舌がヒリヒリするほどの甘辛だれのトッポッキを食べれば、いつしかどこかに吹き飛んでしまうほどのおいしさです。
また、ひと口サイズの鶏のから揚げに甘辛だれを絡めたサクサクとした食感が魅力のタッカンジョンは、一口目は甘さを感じますが、食べていくほどにピリ辛の味わいが増し一度食べ始めたら止められない魅力があります。
スパイシーな韓国ならではの辛さにチャレンジしたい方はトッポッキを、辛すぎるのは苦手だけどちょっとスパイシーな甘辛な味わいのK-フードを味わってみたい方にはタッカンジョンがおすすめです。

プンオパンとホットクは韓国の厳しい寒さをひと時忘れさせてくれる冬の定番おやつ。
日本のたい焼きを小さくしたような鮒（ふな＝プンオ）の形をした愛らしいプンオパンの中には甘さ控えめの小豆餡が入っており、カリっとした衣と香ばしい味わいが絶品です。小豆餡以外にもなめらかなカスタードクリームやチョコレートが入ったものも人気です。
また、大きな鉄板に油を引いてきつね色になるまで焼いたホットクは、モチモチっとした食感が魅力的です。ホットクの中には黒砂糖やシナモン、ナッツが入っており、深い味わいが自慢の逸品です。
衣はサクッと中は柔らかく甘味がお好きな方にはプンオパンを、モチモチとした食感やシナモンやナッツなどの深い味わいのお菓子が好きな方にはホットクをおすすめします。

本国アメリカでは「コーンドッグ」、日本では「アメリカンドッグ」、そして韓国では「ハットク」と呼ばれるこのストリートフード・ホットドッグ（핫도그）。
世界中で愛されている人気おやつのひとつですが、カムジャホットドック・ポテトホットドッグは韓国で誕生したオリジナルの一品。衣につぶつぶのジャガイモを入れ、油でカラッと揚げると、フライドポテトのカリっとした食感と香ばしいさが魅力の逸品に大変身。砂糖とケチャップをたっぷりつけて食べると、韓国の人々が好む甘さと塩味が絶妙な素晴らしい味わいとなりますので、是非一度ご賞味あれ。
また、見た目は大判焼きのような形でふわふわなホットケーキのような生地の中に卵が丸ごと1個入っているケランパン（계란빵）は、今年2025年10月、CNNトラベルが発表した『世界が誇る最高のパン50』（50 of the world’s best breads）のひとつ『Gyeran-ppang』として選ばれ、その名は世界でも知られています。
好き嫌いなくどなたでも美味しく食べられ、手軽に小腹を満たしたい時にもおすすめのストリートフードです。

寒さで手がかじかむそんな日は、通りのあちらこちらで白い湯気が立ち上るお店で、できたての蒸しパン・チンパンや肉まんのような大きな饅頭・ワンマンドゥを食べてみてはいかがでしょうか。
チンパン（찐빵）は文字通り「蒸したパン」、蒸しパンのことでで、日本の蒸し饅頭のような形で、北風吹く寒い日に食べれば、アツアツの蒸したばかりのチンパンで身も心も暖かな気持ちになれます。小豆餡がぎっしりのパッチンパンには牛乳、ピザ味のピザチンパンにはコーラがおすすめ。
また、具がぎっしり詰まったワンマンドゥ（왕만두）も、挽肉いっぱいのコギワンマンドゥ（肉饅頭）やキムチの味わいが絶妙なキムチワンマンドゥなど様々な味があり、寒さが厳しい日にはピリッと辛い汁物と一緒に食べると味わいもさらに倍増！（※註：マンドゥは日本で言う餃子を示すことがあり、またワンマンドゥも大きな餃子を言うことがあります）
最近ではコンビニにある電子レンジでチンして、カンタンに蒸し器で蒸したかのようなあったかふかふかのチンパンやワンマンドゥも食べられますので是非どうぞ！

木枯らし吹く韓国の街を歩いていると、どことなく漂ってくる美味しそうな香ばしい匂い。それは露店で売られている焼き栗・クンパム（군밤）や焼き芋・クンゴグマ（군고구마）。
栗やサツマイモは韓国料理でもよく見かける食材ですが、そのまま焼いて食べれば冬のおやつに最適！
小さな紙袋いっぱいに入った焼き栗は焼きたてでホクホクしてほのかな甘みが絶品、そして焼き芋はしっとりとして甘く、ひと口食べた瞬間から至福のひとときにひたれます。
また、意外に思えるかもしれませんが、焼き芋と一緒にキムチを食べる人もここ韓国では多く、焼き芋の甘さとキムチの辛さが絶妙なマリアージュを奏でなんともいえない味わいとなりますので、機会があれば是非一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
冬になると道端でよく見かける焼き栗や焼き芋の屋台ですが、最近では地下鉄の駅構内の売店やコンビニでも気軽に買うことができますので、この冬、韓国を訪れる機会があれば是非、焼き栗や焼き芋を食べてみてはいかがでしょうか。

つやつやしたソフトな筒状のお餅を串刺しにして油で揚げたり焼いたりした後、コチュジャンベースの甘辛だれで味付けしたトッコチ（餅の串焼き）。最初の歯触りはカリッと、そして食べ進むとお餅の弾力あるモチモチっとした食感が絶品で、トッポッキのような甘辛の味付けとタッカンジョンのようなサクッとした食感を同時に味わえるのが魅力です。
また、鶏肉を串刺しに炭火などで直火焼きする焼き鳥・タッコチは、日本の焼き鳥よりボリューミーで、ジューシーさが自慢です。共に串刺しされた長ネギが絶妙な味わいと香ばしさをより引き立て、かつ日本の「ねぎま」ともひと味違い大変美味です。
日本のような塩焼きやたれ焼きの他にも、韓国ならではの甘辛だれで焼くタッコチもあり、お好きな味をチョイスできるのも屋台ならではの醍醐味です。

元々、西洋発祥のスイーツであるワッフルとチュロスは、韓国のストリートフード文化と相まって韓国ならではのスイーツとして新たな道を歩んでいます。
ワッフルは薄目でサクサクとした焼き上がりとなっており、ホイップクリームやリンゴジャムなどお気に入りのソースなどを塗って半分に折って食べます。
また、小麦粉などを練って作った生地を細長く成型し油で揚げ砂糖やシナモンをまぶして食べるチュロスは、一口サイズに切ってカップに入れ、ソフトクリームをつけながら食べる新たなスタイルへと進化、人気を博しています。
サクッとした食感に甘い香りが魅力的な二つのスイーツ。ビジュアル的にも「映える」スイーツとしてSNS上でも大人気となっています。

屋台トースト（ストリートトースト＝길거리 토스트）は、鉄板で焼き上げた食パンに千切りキャベツや卵を挟み、砂糖やケチャップ、マヨネーズをたっぷりかけてサンドしたパンで、甘さと調味料の味わいが絶妙で、いつ食べても飽きのこない味です。
また、カップ飯・コッパプ（컵밥）は、紙製の容器にご飯を盛り、その上に様々な食材をトッピングして食べる、いわば手軽に食事ができるビビンバのような屋台版韓国風ファストフード。目玉焼きやプルゴギ、ツナマヨ、刻み海苔など好きなトッピングを追加して食べます。
屋台トーストもカップ飯も安くコスパ抜群で、懐が寂しい予備校生などの学生や会社員に人気があります。

最近、MZ世代に人気急上昇中のちょっと変わったスイーツといえば、フローズンスモアとチョンドゥギ。
フローズンスモアは韓国では『焼いて食べるアイスクリーム』（구워 먹는 아이스크림）と呼ばれ、マシュマロでアイスクリームを包み、バーナーで焼き目をつけ、外は温かく、中身は冷たいという独特の食感のスイーツとなっています。
また、チョンドゥギ（쫀드기）は昔懐かしの韓国の駄菓子のひとつで、小麦粉やトウモロコシ澱粉、砂糖などをこね作った細長い歯ごたえある菓子です。最近ではフライパンなどで炙ったり油で揚げていわゆる「味変」を試みる人も多く、そのまま食べていたものより食感がアップし美味しくなるとか。またハニーバター味やきな粉餅味、チーズ味などさまざまな味付けのチョンドゥギも登場し、この懐かしの韓国駄菓子が静かな人気となっています。

* 上記の内容は2025年11月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。