2024/05/07
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韓国観光
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燃灯会
旧暦4月8日はこちら韓国では「プチョニムオシンナル」(부처님 오신 날)。2017年10月、「官公署の公休日に関する規定」の改正により正式にこの名称となりましたが、直訳すれば「お釈迦様がいらっしゃった日」となり、日本語で言えば灌仏会・花まつりなどといわれるお釈迦様の誕生日・釈迦誕生日に当たります。
今年2024年の釈迦誕生日は5月15日(水)で、韓国ではキリスト教のクリスマス同様、公休日となります。韓国では毎年、釈迦誕生日が近づいてくると大きな寺などでは燃灯会が催されます。燃灯会は明かりを灯すことにより、お釈迦様の功徳を称え仏の教えに帰依するという意味合いが込められた韓国の仏教行事で、1200年ほど前の新羅時代に始まり、2020年には 「燃灯会、韓国の灯祭り」としてユネスコ無形文化遺産にも登録され、今日まで毎年盛大に行われています。
現在では国や宗教の違いを超えて様々な人々が参加するお祭りとなった燃灯会ですが、今回は首都ソウルで行われる燃灯会のみならず、韓国第二の都市・釜山や、海外からの観光客にも人気の観光地・全州(チョンジュ)で行われる燃灯会について詳しくご紹介したいと思います。
自ら・家族の幸せ、そして現代の世の中でともに暮らす人々と争いを起こさず穏やかに過ごせるよう、燃灯に思いを込めて、さあ、燃灯会を巡る旅に出かけてみましょう!
韓国の首都・ソウルで行われる燃灯会は、韓国国内最大規模を誇ります。韓国全国の寺院や仏教団体による燃灯行列には象など巨大な灯籠・荘厳灯も加わり、華麗な行列となります。
燃灯行列は2024年5月11日(土)午後7時、興仁之門・通称「東大門」を起点に始まり、東大門駅(ソウル地下鉄1・4号線)~鐘路5街(同1号線)~鐘路3街(同1・3・5号線)~鐘閣駅(同1号線)の各駅を結ぶ鐘路(チョンノ)の大通りを練り歩き、曹渓寺の近くまで続きます。
燃灯行列が行われる時間帯には全面通行止めとなり、鐘路の沿道は華やかな行列を観にやって来る人々でいっぱいになります。当日、この行列に参加する人々は自ら作った蓮の花をモチーフにした蓮灯をかかげ行列に加わります。
行列の最後が鐘路交差点(鐘路1街交差点)にたどり着く午後9時半ごろ、今度は鐘閣交差点周辺を通行止めにして設けられた特設舞台で大同ハンマダンの行事が行われます。薄紅色の蓮の花びらが舞い散る夜空の下、舞台ではカンガンスルレなど韓国の伝統芸能・文化が披露されます。
この他にも燃灯作り体験、DJingなど若い世代に仏教文化を身近に感じてもらえるよう趣向を凝らした様々な行事も行われる予定ですので、この時期、ソウルを訪れる予定があれば、ぜひ足をお運びください。
■ ソウル・燃灯会
毎年、釜山市民公園や宋象賢(ソン・サンヒョン)広場をメイン会場として様々な文化行事や伝統儀式が行われる釜山の燃灯会。
4月から5月にかけては釜山燃灯文化祭(宋象賢広場・2024年4月26日(金)~5月12日(日))や釜山燃灯会(釜山市民公園など・5月11日(土))が行われ、5月11日土曜日には一連のメイン行事・釜山燃灯会が釜山市民公園を中心に開催されます。
11日当日は、古の時代、お釈迦様の誕生日のこの時期に芽吹くケヤキの若葉を加え蒸した餅・ヌティトク(楡葉餅=유엽병=ユヨッピョン)や煎り豆を近所の人々と分かち合い食した風習を今に伝える「ヌティトク」分かち合い行事をはじめ、 国のために多大な貢献をした人々を称える慰霊祭などが行われます。夜の帳が下りると、華やかな提灯をかかげ巨大な灯籠・荘厳灯と共に釜山市内を練り歩く釜山燃灯会のハイライト・燃灯行列が釜山市民公園を起点に宋象賢広場まで行われます。
お祭り期間中には様々な伝統技法で作られた灯籠が展示されるほか、数珠作りを体験できるブースなども設けられます。
またこれら行事に先んじて5月5日(日・祝)の子どもの日には、人々に分け隔てなく分かち合う仏教の教えを実践すべく、菜食ビビンバ3000人分が無料でふるまわれる無遮万鉢供養も盛大に行われました。
毎年春のこの時期に行われる韓国各地の燃灯会では、信徒の人々による仏教儀式という枠に留まらず、一般の人々も共に楽しめるよう、韓国の伝統文化が加味された様々な行事が行われます。
特に今年、全北(チョンブク)特別自治道全州(チョンジュ)で行われる燃灯会は、若い世代の人々に大勢参加してもらえるよう様々な参加型プログラムを企画しています。
中でも注目は全羅監営で行われる伝統文化体験。観光伝統の韓紙(ハンジ)を用いて作る韓紙灯作り講習をはじめ、餅作りなど韓国の伝統文化に触れる体験プログラムをお楽しみいただけ、韓国の伝統と現代が調和する燃灯会ならではの特色を実感できます。
このほか全州の市街地の西に位置する黄尨山(ファンバンサン)の麓にある黄尨寺(ファンバンサ)【「韓国地図」で位置を確認】ではビビンバやチャジャンバプ(チャジャン飯・ジャージャー飯)1000人分を無料でふるまう予定で、燃灯会の雰囲気に花を添えます。
燃灯会のハイライト・燃灯行列は5月11日(土)午後6時に全羅監営を出発し、全州映画の通り、八達路を経て、再び全羅監営へ戻ってくるルートで行われ、およそ2時間あまり全州市内を練り歩きます。
■ 全州・燃灯会
※ 上記の内容は2024年4月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。