2021/12/02
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気管支に喘息を病んでいる妻を連れて空気のきれいなところを探し回る男性がいた。クリーン地域を探して世界の隅々を彷徨っていたところ、江原道旌善の標高700mの高地で思いっきり呼吸して熟睡をしている妻をみかけた。男性はその地を買い入れ、10年をかけて山道を作り庭園を整備した。これが、世界どこにもないロマンチックなストーリを秘めたロミジアンガーデンの物語である。夫の呼び名「ジアン」と夫が妻を呼ぶニックネームの「ロミ」を組み合わせて美しい庭園の名前となった。
ロミジアンガーデンは江原道旌善の加里旺山麓に位置している。駐車場に車を止めて周辺を見渡すと、どちらも山で囲まれている。ほとんどの施設がある山腹までは歩いて行かなければならない。最初は険しい山道が大変に思われるが、鬱蒼とした森が発散する機運を感じる瞬間、素晴らしい瞑想コースに変わる。樹齢500年以上のカナダ産スギで作った「生涯の塔」を通り過ぎて少し汗が流れる頃、森道が終わり開けたスペースが現れる。よく整備された庭園の規 模と美しさは驚きそのものである。
ロミジアンガーデンは「旌善のアルプス」と呼ばれる加里旺山下峰に33万㎡(約10万坪)規模で整備されている。メインテーマは人生についての省察と瞑想である。庭園のあちこちに60以上の瞑想スポットがある。小さな丘、小道、岩にそれぞれ意味を与えて名前を付けた。何一つ無意味なものがない。ロミジアンガーデンのランドマークは「カシボシ城」。周辺の山すそが絵画のように広がる場所に位置しているため、ある意味で展望台の役割を果たしている。夫婦を意味する固有の韓国語であるカシボシから名前が付けられた。ロミジアンガーデンのアイデンティティを活かした場所で、加里旺山の鬱蒼とした木々、美しい庭園とも素晴らしく融合するため、SNSでフォトゾーンとして広く知られている。ここでは記念撮影を忘れてはいけない。巨大な石灰岩群落が広がる「天空のアウラ」、3つの水流が一つになる様子が見下ろせる「三合水展望台」からも素晴らしい景色に出会える。
「千年の沈黙」と「達磨岩」の周辺は、ロミジアンガーデンで最も気運が強い場所だという。並みならぬ自然の気運を受けて心強くなるような気がする。「ベゴニアハウス」では、花卉治癒瞑想が体験できる。海外から仕入れたジャンボベゴニア品種を栽培・展示するスマートファームである。ロミジアンガーデンで一番大きい建物のマウンテンハウスの内部には、体成分分析機器などを整備したウェルネスセンターとアジアンアートホールがある。最先端の音響・映像システム(4K UHD)をもつジアンアートホールでは、週末になるとクラシック音楽による治癒プログラムが実施される。他にも多様な人文学、芸術、文化プログラムを構成し、コンサートや講演会なども定期的に開催している。
ロミジアンガーデンの瞑想プログラムは、「本当の自分」を理解し人生の目的や意味、価値を見出せるようにサポートする。そこから人生を自分で経営する力に目覚めることを目指している。その一環として、多様な方式森の治癒プログラムを用意した。山林浴場、風浴場、金剛松の森では瞑想やヨガ、自分の身体を観察して身体の隅々へとゆっくり意識を移動させるボディスキャンなどを実施する。巡礼道ツアープログラムは、専門ガイドと共に森道を歩きながら人生の価値について考えてみる時間である。ロミジアンガーデンには、7つのトレッキングコースと23のテーマ道がある。テーマ道2.5km歩きは週末(金~日曜日)に5人以上の申込があれば運営される。クリーンな原始林が鬱蒼と広がっている美しい森道を歩いていると、癒しを経験することができる。ロミジアンガーデンが位置している加里旺山は、2018平昌冬季五輪のアルパインスキー試合が行われた江原道南部の名山で、平昌の五台山とその高さや規模で似ている。土で構成された典型的な陸山で、稜線には高山植物のイチイ、チョウセンマツ、カエデなど多様な樹木が棲息している。加里旺山の美しい四季がそっくり伝わってくる場所、ロミジアンガーデンはどの季節に訪問しても絵画のような癒しを与えるはずだ。
マウンテンハウスで宿泊できる。3タイプ構成のマウンテンハウスは、吹き抜け構造にテラスを整備し、解放感に優れる。内部には高級ホテル並みの寝具とアメニティを整備している。外部飲食の持込や飲酒は制限される。夕食を食べたい場合は、事前にBBQセットメニューを予約する必要がある。