マッコリと一緒に楽しむともっとおいしいおつまみ
お酒をより魅力的にしてくれる韓国料理

韓国の伝統酒といえば、「マッコリ」なしには語れない。白くてまろやかで甘酸っぱい味が特徴のマッコリは、清酒を濾した後に残った酒粕をさらに漉して造られる韓国の伝統酒で、昔からお手頃な値段なのにおいしいため、人気を集めてきた。最近では韓国の若者たちの間で「ヒップコリ」(英語の「hip」(流行の先駆け)と「マッコリ」を組み合わせた造語)という言葉が生まれるほど人気のお酒として浮上しているマッコリ。どんなおつまみに合わせたら、もっとおいしく楽しめるだろうか。今回は、マッコリと相性ぴったりのおつまみを紹介する。
たっぷりの油を使って焼き上げた香ばしさの饗宴
ねぎのチヂミとピンデトク
マッコリのおつまみとして真っ先に、そして一番よく挙げられる料理は、何と言ってもねぎのチヂミとピンデトクだ。チヂミは魚、お肉、野菜を切って小麦粉を付けてたっぷりの油をひいて焼き上げた料理で、ねぎのチヂミは小麦粉やチヂミ粉の生地にワケギを入れて焼き上げたものだ。地域によっては長ねぎや小ねぎを使うこともあり、イカ、エビ、貝、牡蠣などを一緒に混ぜて焼き上げれば、海鮮の香りがしてさらにおいしい海鮮入りねぎのチヂミになる。雨音がチヂミを焼くときの音に似ていることから、多くの韓国人は雨の日になると自然とチヂミを思い浮かべる。その中でも、「雨の日はねぎのチヂミにマッコリ」というのが、お酒とおつまみの定番となっているほど大人気の組み合わせだ。油で揚げるように焼き上げたおいしいねぎのチヂミと炭酸の効いた甘酸っぱいマッコリを一緒に味わえば、その理由が分かるはずだ。
ピンデトクは、緑豆をすりつぶした生地に野菜やお肉を混ぜ、たっぷりの油をひいて焼き上げた料理で、使われる食材が油を吸う性質があり、こってりと香ばしい味が特徴だ。ピンデトクの付け合わせとして出てくるシャキッと酸味の効いた玉ねぎの漬物を爽やかなマッコリと一緒に味わえば、さっぱりとピンデトクを楽しめる。ピンデトクは外国人にも人気で、特にソウルのクァンジャン(広蔵)市場では、お店ごとに高く積まれた分厚いピンデトクを楽しむ外国人観光客をよく見かける。映画監督のティム・バートンが、韓国を訪れた際にマッコリとピンデトクを食べたことからさらに有名になったというエピソードもある。