あわせて行きたいスポット「ファソンヘングン（華城行宮）」

ファソンヘングン（華城行宮）の正門「シンプンヌ（新豊楼）」の全景

シンプンヌ（新豊楼）を入ると見えるチャインムン（左翊門）

かつて様々な行事が行われたナンナムホン（洛南軒）

スウォン（水原）ファソンヘングン（華城行宮）は1796年に建てられた王の臨時居所で、1997年にユネスコ世界文化遺産に登録された。壮大な四大門と美しいファソンヘングン、そして城郭は、科学的価値と芸術的価値を併せ持つ近代城郭建築の最高傑作といえる。1980年代末から地元住民が復元推進委員会を組織して復元運動を展開し、ファソン（華城）築城200周年にあたる1996年に復元工事を開始。2002年に第1段階復元作業が終わり、2003年から一般公開されている。その後、近くの古い住宅をカフェやレストランにリノベーションして「ヘンニダンギル」という商業エリアが形成され、若者が多く訪れている。

チョンギェ（清渓）商店街から見たセウン（世運）商店街の正面風景

セウン（世運）商店街とチョンギェ（清渓）商店街を結ぶ陸橋から見たセウンチョンギェ（世運清渓）商店街

1階から見たセウンチョンギェ（世運清渓）商店街

2021年にNetflixで人気を集めたドラマ『ヴィンチェンツォ』。組織に裏切られて韓国に来たイタリアマフィアのコンシリエーレ（顧問弁護士）が、韓国のベテラン弁護士と一緒に「情け容赦なく」冷徹に悪者を倒すという内容のストーリー。作中でヴィンチェンツォが幼い頃に食べたトッポッキを思い出しながら「小麦粉のトク（餅）にコチュジャンと少量の調味料を…」 とトッポッキを注文しようとしたら、彼と一緒に働くホン・チャヨン弁護士が「トッポッキ2人前ください」と言い放って注文が完了する。ヴィンチェンツォがトッポッキを食べた場所は「クムガプラザ」で、実際の名前は「セウンチョンギェ（世運清渓）商店街」。チョンギェチョン（清渓川）沿いのウルチロ（乙支路）にある電子商店街で、1960年代に建てられた。音響機器からコンピューター、ソフトウェアまで様々な電子製品を販売しており、『ヴィンチェンツォ』が撮影されてからますます人気が高まった。中にはカフェやワインバー、CDショップなど様々なテナントが入居している。

水の代わりに大根の千切りを入れてトッポッキを作っている様子

トッポッキとよく合う天ぷら

カンガネトッポッキの特徴である大根の千切りとトク（餅）のハーモニー

 

 

 

ヴィンチェンツォがトッポッキを食べたセウンチョンギェ（世運清渓）商店街からチョンギェチョン（清渓川）に沿って10分ほど歩いたところにあるクァンジャン（広蔵）市場では、ユニークなトッポッキを味わうことができる。千切りにした大根をトッポッキソースと一緒に煮込むのが特徴で、大根を入れてトッポッキソースに旨味を出すのは釜山風のレシピだ。味に深みのあるトロッとしたソースとざっくり切ったカレトクのもちもち食感が絶妙にマッチし、他では真似できない独特の味を誇る。トッポッキソースと一緒に天ぷらを添えて食べると、より美味しく楽しめる。

あわせて行きたいスポット「チョンギェチョン（清渓川）」

セウンチョンギェ（世運清渓）商店街から見下ろしたチョンギェチョン（清渓川）

草木と川が調和したチョンギェチョン（清渓川）の景観

チョンギェチョン（清渓川）の名物になった夏の渡り鳥シラサギ

セウンチョンギェ（世運清渓）商店街とクァンジャン（広蔵）市場を横切って流れるチョンギェチョン（清渓川）は、ソウルのチョンノ（鐘路）区とチュン（中）区の境界を通ってワンシムニ（往十里）まで続く長さ10.84キロメートルの河川。1958年にチョンギェチョン（清渓川）覆蓋工事が始まってから47年ぶりの2005年に復元されて市民に開放され、現在はソウル市民の憩いの場、人気観光スポットとして愛されている。

テヌンソルロンタン本店の正面写真

入口付近のガラスに貼ってある『ザ・グローリー～輝かしき復讐～』ロケ地の案内

テヌンソルロンタン本店の店内

校内暴力の被害者である主人公の復讐劇を描いた『ザ・グローリー～輝かしき復讐～』は、Netflixの非英語圏ドラマ部門で1位を獲得するほど大ヒットした。作中で主役のムン・ドンウンと悪役のソン・ミョンオが秘密の取引をした食堂が「テヌンソルロンタン本店」。ソルロンタンにご飯を入れて美味しそうに食べるソン・ミョンオの食事シーンは、見ていて急にソルロンタンが食べたくなるほどインパクトがあり、K-ドラマファンの間で話題になった。

グツグツ煮て熱々の状態で供されるソルロンタン

ソルロンタンの肉と素麺のクローズアップ写真

グツグツ煮て熱々の状態で供されるソルロンタン

 

 

 

ソルロンタンはソウルの代表的な郷土料理で、牛の様々な部位を一緒に煮込み、ご飯と一緒に出されるスープ料理。土鍋いっぱいに白濁スープと牛肉、素麺がたっぷり入っており、食べごたえがある。ソルロンタンにトッピングされた刻みネギは料理に彩りと風味を添える。ソルロンタンのスープに塩を加えて好みの塩加減に調整し、肉をスープと一緒に口に入れれば、牛肉の淡白な味わいと栄養をしっかりと感じることができる。

あわせて行きたいスポット「テガンヌン（泰康陵）、朝鮮王陵展示館」

テガンヌン（泰康陵）入口にある朝鮮王陵展示館の全景

朝鮮王陵展示館の内部

テルン（泰陵）丁字閣の正面写真

ドラマロケ地の近くにある朝鮮王陵展示館は、2009年6月に朝鮮王陵がユネスコ世界遺産に登録されたことを記念するため、2009年12月に開館した。朝鮮王陵の分布図、朝鮮王室の墓の種類、朝鮮王陵の空間構成など、朝鮮王陵にまつわる様々な情報が紹介されている。朝鮮王陵展示館はテガンヌン（泰康陵）の敷地内にある。ムンジョン（文定）王后の墓「テルン（泰陵）」とインスン（仁順）王后の墓「カンヌン（康陵）」が隣接しているため、これらを合わせて「テガンヌン（泰康陵）」と呼んでいる。展示館の外のうっそうとした松林の道を歩くと、静かな雰囲気が味わえる。

テガンヌン（泰康陵）入口に置かれた墓の石造物

 

 

 

サムゴリ食堂の全景

ドラマに出てくるソン・ジュンギの視点で見たサムゴリ食堂

『財閥家の末息子』は2022年に放送されたドラマで、同時間帯最高視聴率を獲得するほど人気があった。財閥総帥一家のオーナーリスクを管理する秘書が財閥家の末息子に生まれ変わり、2度目の人生を生きるストーリー。ドラマの主人公ユン・ヒョヌは、最初の人生で貧しいクッパ屋の息子として生まれ、死を迎える。チン・ドジュンとして 2度目の人生を生きるようになった彼は、前世の母親が営むクッパ屋を訪れ、前世では知らなかった両親の事情を聞くことになる。ドラマのロケ地である「サムゴリ食堂」は、ソウル・チュンギェ（中渓）洞のペクサ村にあり、実際にはクッパではなく魚焼き、肉焼き、チゲなどを扱う食堂だ。ドラマが終わった今でも作品を懐かしむファンがここを訪れ、記念写真を撮ったりしている。

白濁スープの中にスンデと豚ホルモンが入っているスンデクッパ

さっぱりしたスープとスンデ、ニラのハーモニー

ニラをスープに入れて風味をプラス

 

 

 

ドラマで主人公の母親が営むクッパ屋のメインメニューであるスンデクッパは、豚の骨をじっくり煮込んだ豚骨スープにスンデやカシラなど様々な豚ホルモンを入れて煮たクッパ。土鍋でグツグツ煮えているスープに生のニラを箸でひとつまみ入れ、胡椒を少々振りかけてスープを飲んでみれば、豚肉とスンデの濃厚な味がしっかりと感じられる。

豚骨スープの深い味わいを引き出して豚肉の臭みを完全に消すのが美味しいスンデクッパの秘訣だ。豚ホルモンに抵抗のある方は、注文の際に「スンデだけ」入れてほしいと頼むこともできる。

あわせて行きたいスポット「ソウル市立北ソウル美術館」

北ソウル美術館の外観

北ソウル美術館内の展示風景

サムゴリ食堂とあわせて観光するなら、複合文化芸術空間のソウル市立北ソウル美術館がおすすめ。北ソウル美術館は公園の遊歩道と美術館の出入口がつながった開放型の建物で、野外彫刻展示をはじめ、迷路のように設計された展示室、アートライブラリー、カフェ、多目的ホールなどで構成されている。地域コミュニティと共生するために様々なプログラムを運営している。

北ソウル美術館内の展示風景