2025/02/20
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ふぐは一年中とれる食材だが、旬を迎えるのは冬だ。産卵期の春と夏に備えて、産卵期前の冬に栄養を蓄えるからだ。ふぐスープに入れる具材の代表格 、セリの旬も11~3月なので、この時期のふぐスープが一番美味しいと言われる。
以前のプサン(釜山)では、ふぐは魚市場があるナムポ(南浦)洞やチャガルチ市場一帯でしか買えなかった。しかし今はプサン(釜山)各地に色んなふぐ料理専門店がある。
ふぐは気軽に味わえる食材ではない。正確に言うと誰にでも料理できる食材ではない。致命的な毒がある魚だからだ。ふぐは内臓と肝、卵、血液などに「テトロドトキシン」という猛毒を持つ魚で、間違って摂取すると深刻な状況に至ることもあるため、さばくには「ふぐ調理機能師」の免許が必要だ。
美味しいふぐを食べるにはプサンを訪れるのがおすすめ。プサン(釜山)は日本の影響を受けた漁師と調理師が昔からふぐを取り扱っていた地域で、他の地域に比べてふぐ料理専門店が多い。またプサン(釜山)や南海岸でとれたふぐが、需要が多いプサン(釜山)に集まるため新鮮なふぐが手に入りやすいという長所もある。
色んな種類のふぐの中で、韓国で高級食材とされるのはカラスフグ、トラフグ、メフグだ。カラスフグとトラフグは見た目が類似しているため、種の同一性をめぐる様々な議論があったが、最近の研究結果により同種であることが明らかになった。
カラスフグの成魚は体長50㎝位で、背面は黒く、腹面は白い。体は丸みを帯び、臀ビレになるほど細い。また全てのひれが黒いのが特徴だ。トラフグの体長は40㎝前後でカラスフグより小さい。背面に多数の黒い斑点があるのが特徴だ。メフグは回遊性魚類(産卵場と生息地を往復する魚種)で主に河口でとれる。腹側に黄色のラインがあるのが特徴。
カラスフグより大きいシマフグもよく見かける。背側は青黒く、白い帯が走っているが、その様子がカササギに似ていることから韓国では「カチ(カササギ)ボク」と呼ばれている。シマフグは主に養殖ものが流通されていて、輸入量が多い魚種でもある。シマフグの評価がカラスフグやトラフグより低いのは、比較的に手に入りやすいためだが、その味は劣らない。シマフグも高級魚の一つと言える。
ナシフグ、ヒガンフグもプサン(釜山)やキョンサンナム(慶尚南)道地域でよく食べる魚種だ。カラスフグとトラフグに比べ小さく、漁獲量が多い。プサン(釜山)ではナシフグのことを「ミルボク」と呼んでいて、主にふぐスープの食材として使っている(本来のミルボクは別の種類)。体長は30㎝程度で、背面と腹面の間には黄色のラインがあり、背面の褐色の部分には白い斑点が数多く入っている。ヒガンフグは成魚で35㎝程度になる魚で、褐色の背面には多数の黒褐色の斑点が散らばっている。白い腹面には黄褐色の縦線がある。
よくチョルボクと呼ばれる「クサフグ」は、食用としているふぐの中では最も小さい魚種で、数匹を入れてスープにすることが多い。
ふぐは主にスープとお粥にすることが多いが、刺身や揚げ物にして食べても美味しい。店や調理師、メニューによって使うふぐの種類も異なってくる。
ふぐ料理で最も大衆的なものは「ふぐスープ」で、店によってだし汁のとり方はそれぞれ異なる。ベースとなる昆布だしにふぐと豆もやし、セリなどを入れて煮込むのが一般的だが、一部の店では白菜を入れるところもある。ふぐスープは澄まし汁で楽しむことが多いが、辛いものが好みなら辛味スープを頼むこともできる。
ふぐスープを食べるときには、お酢を2~3滴加えてみよう。お酢を加えるとふぐの生臭さを抑え、味のバランスを整えてくれる。ふぐスープは主に土鍋に出てくるのでかなり熱いが、スープを口に入れた瞬間、なぜか 「シウォナダ」と感じることが多い。「シウォナダ」という言葉には色んな意味があるが、この場合には物理的な温度を表す「涼しい」という意味ではなく、さっぱりしたスープを飲んで感じる「爽快感」に近い。韓国人が熱いものを食べて「シウォナダ(시원하다)」と言うのは、そういうわけだ。
ふぐスープを頼むと色んなおかずがついてくるが、その中で特に面白いのはふぐの皮だ。ふぐの皮は表と裏が異なり、表には派手な柄と小さな突起があり、裏にはコラーゲンでできた層がある。ふぐの皮を食材として使う場合には、皮の内側を剥いて使用するが、冷やして調理するとコリコリとした歯ごたえが感じられる。一部の店ではふぐの皮のコラーゲンを使って煮こごりを作るところもあるが、これもまた魅力的な逸品だ。ご飯を大きな器に入れて提供する店もあり、その場合にはふぐスープから具材の豆もやしとセリを取り出してご飯と一緒にビビンバにして食べればよい。