韓国中部の玄関口・清州国際空港。近年は日本の主要都市との直行便が運航され、韓国の地方都市を巡る旅の拠点として注目を集めています。
そんな清州空港を利用するなら、ぜひ訪れたいのが百済の歴史が息づく古都・扶余(プヨ)と公州(コンジュ)です。両都市はユネスコ世界遺産「百済歴史遺跡地区」の主要スポットを有し、「2026 韓国まち歩き小都市30選」にも選定された注目の旅行先です。観光循環路線「Cツアーバス」を利用すれば、清州空港から便利にアクセスすることができます。
今回のシリーズでは、清州空港からCツアーバスを利用して巡る百済世界遺産の旅をご紹介。まず第1弾として、百済最後の都として栄えた扶余の魅力をお届けします。
扶余・公州への旅に便利なのが、清州国際空港とKTX五松(オソン)駅、公州総合バスターミナル、扶余市外バスターミナルを結ぶ観光循環路線「Cツアーバス」です。
これまで公共交通での移動には乗り換えが必要でしたが、Cツアーバスを利用すれば清州空港から扶余・公州まで乗り換えなしでアクセスできます。百済歴史遺跡地区をはじめとする忠清圏の観光地を訪れたい旅行者にとって、便利な移動手段として注目を集めています。
路線は清州空港-五松駅-公州総合バスターミナル-扶余市外バスターミナルを結ぶ循環ルートで運行。下り(清州空港→扶余方面)と上り(扶余→清州空港方面)がそれぞれ1日4便運行されています。(運行時間などの詳細は、記事下部の「Cツアーバス利用ガイド」をご確認ください。)
朝の便を利用すれば日帰りでも主要観光地を巡ることができ、時間に余裕がある方は韓屋に宿泊しながら、百済の古都ならではのゆったりとした時間を楽しむのもおすすめです。今回は、扶余市外バスターミナルに12時頃到着する便を利用し、1泊2日で扶余を巡りました。
まずは、扶余を代表する郷土料理「蓮の葉ご飯」を味わいに向かいます。
扶余に到着したら、まずはランチへ。メニューは扶余を代表する郷土料理として知られる「蓮の葉ご飯」です。
今回訪れた「蓮花香(ヨンコッヒャン/연꽃향)」では、もち米や黒米、なつめ、豆類などを蓮の葉で包んで蒸し上げた蓮の葉ご飯定食をいただきました。蓮の葉のほのかな香りが移ったご飯は素朴ながらも奥深い味わいで、素材本来の風味を楽しめます。様々なおかずやテンジャンチゲとともに、扶余ならではの食文化を楽しむことができます。
蓮花香 (ヨンコッヒャン/연꽃향)
- 住所:チュンチョンナム道プヨ郡プヨ邑クンナム路25(충청남도 부여군 부여읍 궁남로 25)
- 営業時間:11:00~18:10(18:00 ラストオーダー)
- 主なメニュー:蓮の葉ご飯定食(연잎밥정식) 1人前 20,000ウォン(2人以上から注文可能)
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石仏坐像 - 昼食の後は、百済時代を代表する史跡のひとつである定林寺址へ向かいました。
定林寺は6世紀中頃に創建され、百済滅亡まで栄えたと伝えられる寺院です。広々とした境内には、扶余を代表する文化財である定林寺址五層石塔が静かに佇んでいます。 - 約1400年の時を超えて残る石塔は、華やかさよりも端正で素朴な美しさが印象的。石塔の奥に安置された石仏坐像も見どころのひとつで、蓮の花模様が刻まれた台座などから高い芸術性を感じることができます。
- 昼食の後は、百済時代を代表する史跡のひとつである定林寺址へ向かいました。
定林寺址 五層石塔[ユネスコ世界遺産(文化遺産)](정림사지)
- 住所:チュンチョンナム道プヨ郡プヨ邑ジョンリム路83(충청남도 부여군 부여읍 정림로 83)
- 運営時間:24時間 年中無休
- 入場料:無料
定林寺址の入口近くには、定林寺址博物館が併設されています。
館内では定林寺の歴史や百済文化について学ぶことができ、多くの展示で日本語案内にも対応しています。歴史に詳しくない方でも気軽に見学できるのが魅力です。
360度の映像空間で上映されるメディアコンテンツでは、定林寺址の歴史や四季の風景がダイナミックに映し出され、百済の世界をより身近に感じることができます。
定林寺址博物館 (정림사지박물관)
- 住所:定林寺址と同じ
- 運営時間:火曜~日曜 9:00~18:00(入場締切 17:00)、毎週月曜休館
- 入場料:無料
- ホームページ:http://www.jeongnimsaji.or.kr/(韓国語)
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百済金銅大香炉 - 扶余観光でぜひ訪れたいのが国立扶余博物館です。
常設展示室では百済時代の出土品をはじめ、三国時代やさらに古い青銅器時代・鉄器時代の遺物まで幅広く展示されており、扶余の歴史を体系的に知ることができます。
なかでも注目したいのが、2025年12月にオープンした「百済大香炉館」に展示されている「百済金銅大香炉(ペクチェクムドンデヒャンロ)」です。韓国の国宝に指定されている百済を代表する文化財で、蓮のつぼみを模した本体と、19人の人物像・67体の動物が刻まれた蓋が特徴です。静かな展示空間の中央に飾られた大香炉は圧倒的な存在感を放ち、百済工芸の高さを今に伝えています。 - また、本館中央ロビーでは毎時定刻に約10分間のメディアアートが上映されます。上映時には天井の窓が閉まり、ロビー全体が360度のスクリーンへと変化。百済金銅大香炉や百済の名品をテーマにした幻想的な映像演出も見逃せません。
- 扶余観光でぜひ訪れたいのが国立扶余博物館です。
国立扶余博物館 (국립부여박물관)
- 住所:チュンチョンナム道プヨ郡プヨ邑クムソン路5(충청남도 부여군 부여읍 금성로 5)
- 運営時間:火曜~日曜 9:00~18:00、毎週月曜休館
- 📌メディアアート上映時間 10:00~17:00の間の毎時定刻(12時を除く)より約10分間
- 入場料:無料
歴史散策を楽しんだ後は、扶余らしいカフェでひと休み。
今回訪れた「百済香(ペクチェヒャン)」では、蓮の花を使ったお茶をいただきました。温かいお茶の中に浮かぶ蓮の花は見た目にも美しく、花が開くにつれて優しい香りが広がります。
訪問した時期はまだ蓮の花のシーズン前でしたが、保存された花を使用しており、一年を通して蓮茶を楽しむことができます。お店の方によると、蓮の花が見頃を迎える7~8月には、早朝に摘み取った新鮮な花を使用するとのこと。扶余を代表する蓮文化を、味覚と香りの両方で楽しめる特別なひとときでした。
百済香 (ペクチェヒャン/백제향)
- 住所:チュンチョンナム道プヨ郡プヨ邑サビ路30番ギル17 1階(충청남도 부여군 부여읍 사비로30번길 17 1층)
- 営業時間:火曜~日曜 10:00~21:00、毎週月曜休館
- 主なメニュー:蓮花茶(연꽃차) 20,000ウォン(2人分)、蓮の葉茶(연잎차) 6,000ウォン、蓮の葉なつめ茶(연잎진한대추차) 7,000ウォン など
扶余でゆっくり滞在したい方におすすめなのが、扶蘇山城の麓にある韓屋宿泊施設「プヨワ(부여와)」です。
伝統的な韓屋の趣を残しながらも、館内は清潔に管理されており、タオルや寝具などの設備も快適。温かみのあるインテリアも魅力です。共用スペースにはキッチンや冷蔵庫、洗濯機が備えられているため、長めの滞在にも便利です。
事前に相談すれば庭でBBQを楽しむことも可能。夜は周囲がとても静かで、都会の喧騒を離れてゆったりとした時間を過ごすことができます。
百済の古都・扶余で、韓屋ならではの落ち着いた一夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。
プヨワ韓屋 (부여와 한옥)
- 住所:チュンチョンナム道プヨ郡プヨ邑ウォルハム路99-5(충청남도 부여군 부여읍 월함로 99-5)
- ホームページ:http://buyeowahanok.com/(韓国語)
- 予約方法:電話(+82-10-4635-5208)あるいはairbnbより予約可能
- https://www.airbnb.co.kr/rooms/693429559219457056?source_impression_id=p3_1703839165_WnFXmV84AGB8q5Ud
今回ご紹介したスポット以外にも、扶余には百済の歴史と文化を感じられる見どころが数多くあります。朝の便で扶余を訪れる方や、滞在時間に余裕がある方は、ぜひあわせて立ち寄ってみてください。
扶余で一泊した翌朝は、宮南池(クンナムジ)を訪れました。
宮南池は、百済時代に造られたと伝わる韓国最古の人工池。夏になると一面に蓮の花が咲き誇り、扶余を代表する風景として知られています。
蓮の花は朝に咲くため、ぜひ朝の時間帯に訪れたいスポットのひとつ。今回訪れた6月上旬は満開には少し早かったものの、ピンクや白の蓮の花が咲き始めており、水面には可憐な睡蓮の花も見ることができました。
静かな池の周りを歩きながら眺める初夏の景色は、前日に触れた百済の歴史とはまた違った扶余の魅力を感じさせてくれます。
薯童公園と宮南池 (서동공원과 궁남지)
- 住所:チュンチョンナム道プヨ郡プヨ邑トンナムリ(충남 부여군 부여읍 동남리)
- 運営時間:24時間 年中無休
- 入場料:無料
こうして扶余での旅を終え、次の目的地である公州へ向かいます。次回は、もうひとつの百済の古都・公州の魅力をご紹介します。
今回の旅で利用したCツアーバスは、清州空港から扶余・公州へ乗り換えなしで移動できる便利な交通手段です。
実際に利用した際の乗り場やチケット購入方法、運行時間などをまとめました。これから扶余や公州への旅を計画している方は、ぜひ参考にしてみてください。
| 下り | 上り | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 清州国際空港 | 五松駅 | 公州総合バスターミナル | 扶余市外バスターミナル | 扶余市外バスターミナル | 公州総合バスターミナル | 五松駅 | 清州国際空港 |
| 08:10 | 08:40 | 09:20 | 10:10 | 05:10 | 06:00 | 06:40 | 07:10 |
| 10:00 | 10:30 | 11:10 | 12:00 | 11:10 | 12:00 | 12:40 | 13:10 |
| 14:10 | 14:40 | 15:20 | 16:10 | 13:00 | 13:50 | 14:30 | 15:00 |
| 16:00 | 16:30 | 17:10 | 18:00 | 19:00 | 19:50 | 20:30 | 21:00 |
(単位:KRW)
| 1区間 | 清州国際空港 | 五松駅 | 4,700 |
| 五松駅 | 公州総合バスターミナル | 6,000 | |
| 公州総合バスターミナル | 扶余市外バスターミナル | 7,000 | |
| 2区間 | 清州国際空港 | 公州総合バスターミナル | 10,800 |
| 五松駅 | 扶余市外バスターミナル | 13,000 | |
| 3区間 | 公州総合バスターミナル | 扶余市外バスターミナル | 17,800 |
Cツアーバスは、現地でチケットを購入する方法と、 「GO Hanpass(ゴーハンパス)」 アプリを利用した事前予約が可能です。なお、バス予約ページは韓国語のみの対応となっており、乗車地・降車地の検索もハングルで入力する必要があります。今回利用したバス乗り場では日本語対応の券売機でチケットを購入できるため、現地での購入もスムーズです。
▶ GOHANPASS公式サイト(スマートフォンでご利用ください)
■ 車内の様子
車内は清潔感があり、ゆったりとしたシートが配置されています。座席の間にはカーテンが設置されているため、周囲を気にせず快適に移動することができます。
■ バス乗り場 ① 清州国際空港 ・チケット購入方法
チケットの券売機はGATE1を出て左側にある「버스승차대기실(バス乗車待機室)/Bus Station」にあります。日本語表示にも対応しており、現金・カードのいずれでも購入可能です。
・バス乗り場CツアーバスはBus Station前の2番乗り場から出発します。
💡 TIPCツアーバスのチケットをGATE2付近にある観光案内所で提示すると、空港内の手荷物保管サービスを50%割引で利用できます。
手荷物保管所は国内線チェックインカウンター近くのエスカレーター前にあります。到着後すぐに観光へ出かけたい方や、出発前に身軽に過ごしたい方におすすめです。
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- Cツアーバスのチケットは、ターミナル内に設置された券売機で購入できます。日本語表示にも対応しているため、韓国語が分からなくても安心です。
- [購入時の注意]
清州空港行きのチケットを購入する場合、「主な目的地」には清州空港が表示されません。画面で「地域」→「忠清北道」を選択すると、「清州空港」が表示されます。(左の写真参照)
Cツアーバスはターミナル前の4番乗り場から発着します。清州空港方面・公州方面ともに同じ乗り場を利用しますので、乗車前に行き先を確認しましょう。
📌 CツアーバスのDRT(デマンド型交通)について-
写真提供:忠清南道 - 扶余・公州エリアでは、専用アプリから呼び出して利用するDRT(デマンド型交通)サービスも運行されています。主要観光地への移動に便利なサービスですが、利用にはアプリのインストールや会員登録が必要です。
韓国の電話番号をお持ちの方や、韓国語・英語での利用に慣れている方は、滞在中の移動手段の一つとして活用してみてください。
なお、本記事では外国人旅行者が比較的利用しやすい移動手段として、清州空港と扶余・公州を結ぶCツアーバス循環路線を中心にご紹介します。
- 扶余・公州エリアでは、専用アプリから呼び出して利用するDRT(デマンド型交通)サービスも運行されています。主要観光地への移動に便利なサービスですが、利用にはアプリのインストールや会員登録が必要です。
扶余は比較的コンパクトな街で、今回訪れた観光地の多くは徒歩でも移動できる距離にあります。しかし、夏の暑い時期や移動時間を短縮したい場合は、タクシーを利用するとより効率よく観光を楽しめます。
韓国では配車アプリを利用して簡単にタクシーを呼ぶことができるため、旅行中の移動手段として覚えておくと便利です。体力やその日のスケジュールに合わせて、徒歩とタクシーを上手に使い分けながら扶余観光を楽しんでみてください。
▶ 関連コラム:韓国旅行の心強いパートナー、タクシー配車アプリ