江陵端午祭は端午(旧暦5月5日)前後に行われる江陵(カンヌン)地方の郷土祭礼儀式で、儒教、シャーマニズム、仏教の祭礼儀式が共存していることが分かる韓国の重要文化財です。江陵端午祭では神々に行う祭祀や江陵端午グッ(食べ物を供え、歌と踊りで神に祈祷する儀式)、様々な民俗遊びが行われます。また全国最大規模の野外市場が開かれ、特産物の販売やサーカス公演が行われます。
2023/05/26
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韓国観光
Korea_Traditional_Culture
文化
ユネスコ無形文化遺産
パンソリ
無形文化財
アリラン
キムジャン
カンガンスルレ
宗廟祭礼は宗廟で行われる朝鮮時代の王室祭祀儀式です。祭祀の参加者は祭官服を着用して食べ物や酒を先祖にお供えしました。宗廟で行われるこの厳かな儀式は500年の歴史を持つ貴重な精神的文化遺産で、「孝」を重要視する儒教礼節の手順により執り行われ、民族の連帯感と秩序の形成に大きな役割を果たしました。
宗廟祭礼楽は宗廟の祭享(国家で行う祭祀)に使われる音楽で、演奏や歌、舞踊で構成されています。韓国の伝統楽器で演奏され、行事の順序に合わせて舞踊と音楽が調和を成します。
パンソリはひとりの歌い手が太鼓の拍子に合わせて、長い物語を唱(歌)、台詞、身振りを織り交ぜながら口演する公演芸術です。韓国の民族情緒がよく表れている伝統音楽で、公演者と聴衆がひとつになって楽しめるのが特徴です。両班(昔の貴族階級)と庶民の文化を調和させ、人生の喜怒哀楽が盛り込まれています。
江陵端午祭は端午(旧暦5月5日)前後に行われる江陵(カンヌン)地方の郷土祭礼儀式で、儒教、シャーマニズム、仏教の祭礼儀式が共存していることが分かる韓国の重要文化財です。江陵端午祭では神々に行う祭祀や江陵端午グッ(食べ物を供え、歌と踊りで神に祈祷する儀式)、様々な民俗遊びが行われます。また全国最大規模の野外市場が開かれ、特産物の販売やサーカス公演が行われます。
カンガンスルレは韓国固有の伝統遊びで、女性が手をつないで丸く輪を作り、歌に合わせてぐるぐる回りながら踊ります。伝統的にソルナル(旧暦1月1日)、テボルム(旧暦1月15日)、端午(旧暦5月5日)、秋夕(旧暦8月15日)などの韓国の年中行事に行われ、もっとも大規模に行われたのが秋夕でした。稲作文化に由来するカンガンスルレは昔ながらの重要な風習で、踊りをたやすく覚えることができ、協調性・平等・友情が感じられる貴重な民俗芸術です。
男寺党ノリとは男性で構成された流浪劇団「男寺党」の一座が全国津々浦々を回りながら行っていた伝統民俗公演のことです。庶民の苦しみや両班(昔の貴族階級)の不道徳性を扱った仮面劇や人形劇、また、時折りユーモアを挟みながら行われる綱渡り、宙返りなどの公演が主に行われました。男寺党ノリは公演としての楽しみを提供しながらも風刺によって社会的なメッセージを伝えました。
霊山斎は亡くなった人の霊を仏の世界に送る仏教の儀式です。三国時代に仏教が伝来し、その後新羅時代に霊山斎が作られ、その儀式が今日まで継承・発展しています。仏教で非常に重んじられる行事のひとつで、儀式の過程は複雑です。霊山斎を行うときに必ず行われるのが梵唄(ポムペ)という音楽で、釈迦の言葉を歌と踊りで形象化したものです。霊山斎は仏教の価値や芸術性を継承しており、重要な役割を果たしています。
処容舞は1年の最後の日に鬼を追い払って王室の平和を祈願する宮廷舞踊で、新年を迎えるための行事として行われていました。この舞踊は統一新羅時代に処容という人物が自分が作った歌を歌いながら踊って鬼を追い出したことに由来しており、鬼を追い出す儀式から宮廷舞踊を代表する舞踊へと変わっていきました。東西南北・中央を象徴する5人がそれぞれ異なった色の服を着て処容の仮面を被って踊ります。
済州チルモリ堂ヨンドゥングッ(シャーマニズムの儀式)は、海の平穏と豊漁を祈願して旧暦2月に済州のチルモリ堂で開かれる歳事風俗で、海女を始め、船主や村の人々が参加します。済州の人々の信仰心と自然に対する考え方がうかがえる村の共同体の行事で、大変保存価値の高いものです。
規模が小さい管絃楽の伴奏に合わせて男性と女性が歌う韓国伝統の声楽。 歌曲は洗練されたメロディーと多様な変化のある音が演奏され、平和で悲しみが感じられる音となっています。主に上流階級の人達が楽しむ音楽でしたが、今日では全国的に広く知られる声楽曲となりました。男性が歌う歌である男唱26曲と、女性が歌う歌である女唱15曲があります。演奏に使用される伝統管絃楽器は、コムンゴ、大笒(テグム)、伽倻琴(カヤグム)、ピリなど。
韓国伝統の木造建築技術を持つ職人のことを大木匠と呼びます。釘を使用せずに建築するにも関わらず、千年もの間持ち堪えることが可能な建物を造ることのできる感覚と技術を持っており、伝統建築物の美しさを巧みに表現します。大木匠は、韓国伝統の韓屋や宮廷、寺のような歴史のある建築物の修理や復元の計画から建築の他、大工達の管理と監督をする匠です。
鷹狩りは、鷹やその他の猛禽類を訓練し、野山にいる獲物を捕まえる韓国伝統の狩りの方法です。鷹狩りは4000年以上続いている狩りの方法で、昔は食料確保の手段でしたが、今日は自然と人間の調和が生きた伝統文化として認められ、現代に渡り受け継がれています。
韓国の伝統公演芸術であるチュルタギ(綱渡り)は、曲芸師の綱渡り技術、踊りや小話に合わせて演奏をする楽士、地上から曲芸師と冗談をやり取りし対話をする役割のオリックァンデと共に行われる公演です。綱の上で曲芸だけを披露するのではなく、観衆と一体になり、歌を歌い一緒に楽しむという点でその価値がとても高く評価されています。チュルタギ(綱渡り)の曲芸師は、綱渡りの簡単な技術から始め、少しずつ難しい技術を披露していきますが、40種類を超える綱渡りの技術を数時間にも渡り行います。
テッキョンは三国時代よりも前から伝えられてきた韓国伝統の武術です。曲線を描くような動きが特徴で、踊りのように見える動作の中に強烈な攻撃と様々な防御技術が隠れています。自分よりも相手を、個人よりも集団を配慮することを教えられます。テッキョンは、武術としての価値だけではなく、社会、文化的な高い価値もあります。村単位の試合で共同体の構成員との間の結束を強化し、共同体としての精神を育てることにより社会の統合にも寄与してきました。
忠清南道舒川郡の韓山地域で作られるカラムシを韓山カラムシといいます。カラムシ織りとは、収穫したカラムシを水に浸した後漂白し、カラムシの葉を細かく裂いて取り出した糸を専用の機具で紡いだものです。カラムシはスーツ、軍服、喪服などの様々な衣服の材料として使用され、カラムシで作られた服は上品な美しさがあり、高級衣類にも適しています。韓山カラムシの品質が優れている理由は、韓山地域の夏の平均気温が高く、海風で湿度が高く、土が栄養分を多く含んでいてカラムシの成長条件に最適だからです。韓山カラムシ織りは女性主導の家内作業の形態として受け継がれてきました。また集落の隣近所が集まり共に作業することで共同体を結束する役割も果たしました。
アリランは、韓国人なら誰でも知っている曲で、人間の普遍的な感情を表現した歌詞とシンプルな曲調が特徴です。「アリラン、アリラン、アラリヨ」という歌詞が繰り返され、誰でも自由に編曲して歌いやすい曲となっています。また、映画、ミュージカル、ドラマ、舞踊、文学など様々なジャンルや媒体に使用されてきました。
キムチは韓国固有の香辛料と数種類の野菜、材料を混ぜ合わせ、薬味であるヤンニョムで味付けをして発酵させた韓国の保存食です。キムジャンとは、長くて厳しい冬を越える準備をするために、翌年の春先まで食べる分のキムチを漬けておくことです。キムジャン文化はキムチを漬けて分け合うということ以上に重要な意味を持っています。キムジャンは家族と近所の人たちで一緒にキムチを漬けて分かち合うことで、家族同士が助け合い、近所の人とコミュニケーションをとる機会が生まれます。自然と共に生きて行く方法を学ぶことができる文化です。
農楽は、韓国伝統の打楽器と管楽器を演奏しながら、踊りや演劇を行う公演です。農楽は、農村社会の余暇活動から大衆的な芸術公演へと発展しました。また、村の守護神のための儀式や、厄払いをし幸運を呼ぶ儀式、豊作を祈願することにより、共同体の中で人と人との関係を近づけ、強い結束感が生まれるようになります。
チュルダリギは、複数の人がふた手に分かれ、お互いが向き合った状態で太い綱を引っ張り合う競技です。主に稲作文化圏で1年の豊作を祈願する伝統行事として行われてきました。村の人々は、このチュルダリギをすることで、心を1つにし、新しい農耕の1年に向けての決意を新たにしました。チュルダリギは、農業を共に営む村の人々の連携を強化させ、疎通や和合のための大きな役割を果たしました。
韓半島の南に位置する火山島「済州島(チェジュド)」の海女は、10メートルの深さの海で素潜り漁を行います。海女漁をするのは夏は1日6、7時間、冬は1日4、5時間で、年間では90日ほどになります。海女漁は母から娘や嫁へと引き継がれる他、共同体の中で世代間の交流を通して伝承されています。
初めて南北共同登録された「シルム」は、2人の選手が腰と一方の太ももに通して結んだ紐「サッパ」をつかみ合い、力と技を駆使して相手を先に倒すことによって勝負を争う競技です。伝統的に端午(旧暦5月5日)、中元(旧暦7月15日)、秋夕(旧暦8月15日)などに行われる歳時風俗のひとつです。公式的な競技は砂場(土俵)で行われ、主審と副審が審判します。1983年に初めて大会が開かれた天下壮士大シルム大会をはじめとし、ソルナル壮士シルム大会、秋夕壮士シルム大会、地域壮士シルム大会など、さまざまなシルム大会が開催されています。
燃灯会とは、初八日(旧暦4月8日釈迦誕生日)に明かりを灯し、お釈迦様に福を祈る仏教行事です。燃灯会は統一新羅時代(676~935年)から高麗時代(918~1392年)、朝鮮時代(1392~1910年)を経て続いています。仏教が韓国に入ってきて以来、燃灯会は宮廷と庶民のどちらにも重要な文化行事となっており、現在も旧暦4月8日に点灯式、燃灯遊び、燃灯行列など、さまざまなイベントが行われています。
タル(仮面)を被って踊りながら演技する伝統演劇です。最初は宮中行事で広大(芸人)が公演していたものが、朝鮮後期には民衆文化に発展しました。 主に庶民の貧しい生活、両班や破戒僧に対する風刺、女性の抑圧された暮らしなどを表現するのが特徴です。 「韓国のタルチュム」には、13の国家無形文化財(楊州別山台ノリ、統営五広大、固城五広大、江陵端午祭のうち官奴仮面劇、北青獅子ノルム、鳳山タルチュム、東莱野遊、康翎タルチュム、水営野遊、松坡山台ノリ、殷栗タルチュム、河回別神グッタルノリ、駕山五広大)および 5つの市・道指定無形文化財(退渓院山台ノリ、醴泉青丹ノルム、晋州五広大、金海五広大、束草獅子ノリ)といった18の無形文化財が含まれています。