2024/01/31
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Korea_Traditional_Culture
文化
餅入り餃子スープ
餅
安東式ビビンバ
韓国最大の名節「ソルナル」まであともう少しと迫りました。ソルナルとは陰暦(旧暦)1月1日のことで、韓国ではお正月を旧暦で祝う風習が残っています。今年2024年は陽暦2月10日(土)がその日に当たり、前後の9日(金)と11日(日)、そしてソルナル連休最終日が日曜日に当たることからその振替休日として12日(月)も休みとなり、韓国は四連休となります。 例年、ソルナルの時期になると韓国の人々は帰省し、先祖を祀る儀式を行い、家族や親戚に歳拝(セベ)をしたり徳談(トクダム)を交わし、家族で楽しいひとときを過ごします。今回はそんな韓国のソルナルの様子をご紹介したいと思います。
本コラムでは韓国最大の名節「설날」を「ソルナル」とカタカナ表記していますが、これは文化体育観光部訓令「公共用語の外国語翻訳及び表記指針」(韓国語)別表3『カタカナ表記一覧表』にある『パッチム表記』の指針に基づいて翻訳・表記したものです。
韓国の人々はソルナルがはじまる数日前から忙しくなります。それはなぜかというと、ソルナルの時に家族で食べる料理を真心こめて準備したり、両親や知人、親戚に渡す贈物を準備しなければならないからです。
例年、ソルナルの連休中にはふるさとの実家へ帰省する人が多く、前もって電車やバス、飛行機のきっぷを手配するに一苦労します。特にソルナル連休中は民族大移動となるため、各地の道路は大渋滞となり、交通量の多い高速道路などではいつもより2倍から4倍以上の時間がかかることもあります。
Tip. ソルナルに人気の贈物は?
ソルナルの朝はすこし早めに起きて、ソルナルを迎えるために新調した服「ソルビム」で身支度をすることから始まります。
ソルナルの日には祖先を祀る儀式・茶礼(チャレ)をまず行い、茶礼を終えるとあらかじめ準備した料理を囲んで家族みんなで和気藹々とした雰囲気の中で食事をします。
そのソルナルの朝食にはなくてはならないのが韓国の雑煮「トックク」。トッククとは韓国の主食である米(主にうるち米)から作った、楕円形に薄切りした餅が入った雑煮のことで、昔からソルナルの朝には心と体をきれいにする意味で、澄んだスープに白い餅が入ったトッククを食べます。
トッククを食べてお腹を満たしたら、両親などの目上の人に新年の挨拶・歳拝(セベ)を行います。
この歳拝を行うと、目上の人は歳拝をした人に対し今年一年がよい年であるよう願いを込め徳談(トクダム)という言葉をかけ、それと同時に韓国のお年玉にあたるセベトン(セベ(歳拝)+トン(お金))を渡す風習があります。
茶礼や食事が終わって一段落したら、家族みんなが集まり、韓国の伝統遊びをします。家の中で簡単にできる伝統遊びの代表格といえばユンノリ。少しルールを覚えれば遊ぶことができ、組み分けして行うので家族とのふれあいの場ともなります。
ユンノリは4つの細長い木の棒・ユッカラクを投げて、出た目(×印がついた面)の数によって駒を進めていく簡単なゲームです。各チーム4つ手持ちの駒を持ち、4つ全てが早くゴールにたどり着いた人が勝ちます。
韓国の人々はソルナルが近づいてくると、来年の干支やその動物に大きな関心を寄せます。これは伝統的にその年の干支によって、その年に生まれる子どもの性格や運勢、そして人々の星回りを占う風習があるためです。現在ではこれを素直に信じるというよりは一種の楽しみとして興味を持つ程度となっています。
2024年の干支は辰年で龍。韓国では十干(じっかん)と十二支を組み合わせて言うのが一般的なので、今年は甲辰年(カプチンニョン=日本語では「きのえたつ(甲辰)」になります。
甲辰年の甲(きのえ)は陰陽五行思想で陽の木、五色で表せば青となり、辰は龍を意味することから「青龍の年」とも呼ばれます。
VISITKOREAホームページでは、このソルナル期間に合わせて画面右上に表示されるVISITKOREAのロゴに干支の辰をあしらった特別バージョンを掲載中ですので、是非ご覧ください!
ソルナルの連休は 「官公署の公休日に関する規定」第2条・公休日に『ソルナル前日、ソルナル、ソルナルの次の日(陰暦12月末日、1月1日、2日)」と規定されており、ソルナル当日を挟み前後1日ずつの三日間が公休日となります。
2024年の場合、2月10日(土)がソルナル(旧暦1月1日)当日ですので、9月(金)から11日(日)までとなりますが、同規定第3条・代替公休日(振替休日)の第2号にはソルナルの三連休が日曜日と重なる場合、三連休の翌日が振替休日となると明記されていることから、2月12日(月)もお休みとなり、2024年2月9日(金)から12日(月)まで四連休となります。
このように長い連休となりますので、韓国全国では家族連れでお楽しみ頂けるさまざまな展示や公演などが開催されます。
ソウル・龍山にある国立中央博物館では、2023年12月20日から2024年4月7日までの間、テーマ展『迎春・甲辰年 龍を探せ』が開催され、2024年の干支である龍に関連した15の所蔵品が各常設展示館に展示されています。
また韓国全国にある各国立博物館(国立慶州博物館・国立全州博物館・国立清州博物館・国立大邱博物館)でも民俗遊びや伝統工芸の体験、新年の抱負をはがきに書いたり韓服(ハンボク)を試着するイベントなどソルナルならではの文化体験行事も行われます。
このほか、ソルラル連休中には、ソウルにある四大王宮(景福宮・昌徳宮・徳寿宮・昌慶宮)や宗廟は無料で入場できますので、この期間中、ソウルを訪れる機会がある方はぜひ足をお運びください。
南山コル韓屋村 | 景福宮 | ロッテワールドタワー |
三清洞通り | ソウル歴史博物館 | スターフィールドcoex MALL |
国立中央博物館 | 韓国民俗村 / 写真提供:韓国民俗村 | 昌徳宮と後苑(ユネスコ世界文化遺産) |
国立国楽院 / 写真提供:国立国楽院 | 徳寿宮 | 宗廟(ユネスコ世界文化遺産) |
東大門デザインプラザ(DDP) | 芸術の殿堂 / 写真提供:芸術の殿堂 | 明洞 |
もうひとつソルナルにまつわる情報
* 上記の内容は2024年1月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。