2025/01/15
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餃子スープ
餃子
ユンノリ
トックク
スケトウダラのチヂミ
家族水入らずで楽しむ韓国伝統遊び・ユンノリ(写真:Getty Images)
韓国最大の名節「ソルナル」まであともう少しと迫りました。ソルナルとは陰暦(旧暦)1月1日のことで、韓国ではお正月を旧暦で祝う風習が残っています。
今年2025年は陽暦1月29日(水)がその日に当たり、前後の28日(火)と30日(木)、そして1月14日開催の国務会議で27日(月)も臨時公休日とすることが決定したことから4日連続の公休日(1月27日~30日)となり、25日(土)・26日(日)の週末を合わせると6連休(1月25日~30日)、さらに平日の31日(金)に休暇を取れれば、その後の2月1日・2日の土日も含めて9連休(1月25日~2月2日)と超大型連休となります。
例年、ソルナルの時期になると韓国の人々は帰省し、先祖を祀る儀式を行い、家族や親戚に歳拝(セベ)をしたり徳談(トクダム)を交わし、家族で楽しいひとときを過ごします。今回はそんな韓国のソルナルの様子をご紹介したいと思います。
本コラムでは韓国最大の名節「설날」を「ソルナル」とカタカナ表記していますが、これは文化体育観光部訓令「公共用語の外国語翻訳及び表記指針」(韓国語)別表3『カタカナ表記一覧表』にある『パッチム表記』の指針に基づいて翻訳・表記したものです。
料理の準備のため市場を訪れる人々(写真:韓国観光公社PHOTO KOREAライブスタジオ)
列車に乗って帰省する人々(写真:韓国観光公社PHOTO KOREAライブスタジオ)
韓国の人々はソルナルがはじまる数日前から忙しくなります。それはなぜかというと、ソルナルの時に家族で食べる料理を真心こめて準備したり、両親や知人、親戚に渡す贈物を準備しなければならないからです。
例年、ソルナルの連休中にはふるさとの実家へ帰省する人が多く、前もって電車やバス、飛行機のきっぷを手配するに一苦労します。特にソルナル連休中は民族大移動となるため、各地の道路は大渋滞となり、交通量の多い高速道路などではいつもより2倍から4倍以上の時間がかかることもあります。
Tip. ソルナルに人気の贈物は?
歳拝の後、大人から受け取るセベトンをもらう様子
ソルナル当日の朝食べるトックク
ソルナルの朝はすこし早めに起きて、ソルナルを迎えるために新調した服「ソルビム」で身支度をすることから始まります。
ソルナルの日には祖先を祀る儀式・茶礼(チャレ)をまず行い、茶礼を終えるとあらかじめ準備した料理を囲んで家族みんなで和気藹々とした雰囲気の中で食事をします。
そのソルナルの朝食にはなくてはならないのが韓国の雑煮「トックク」。トッククとは韓国の主食である米(主にうるち米)から作った、楕円形に薄切りした餅が入った雑煮のことで、昔からソルナルの朝には心と体をきれいにする意味で、澄んだスープに白い餅が入ったトッククを食べます。
トッククを食べてお腹を満たしたら、両親などの目上の人に新年の挨拶・歳拝(セベ)を行います。
この歳拝を行うと、目上の人は歳拝をした人に対し今年一年がよい年であるよう願いを込め徳談(トクダム)という言葉をかけ、それと同時に韓国のお年玉にあたるセベトン(セベ(歳拝)+トン(お金))を渡す風習があります。
茶礼や食事が終わって一段落したら、家族みんなが集まり、韓国の伝統遊びをします。家の中で簡単にできる伝統遊びの代表格といえばユンノリ。少しルールを覚えれば遊ぶことができ、組み分けして行うので家族とのふれあいの場ともなります。
ユンノリは4つの細長い木の棒・ユッカラクを投げて、出た目(×印がついた面)の数によって駒を進めていく簡単なゲームです。各チーム4つ手持ちの駒を持ち、4つ全てが早くゴールにたどり着いた人が勝ちます。
韓国の人々はソルナルが近づいてくると、来年の干支やその動物に大きな関心を寄せます。これは伝統的にその年の干支によって、その年に生まれる子どもの性格や運勢、そして人々の星回りを占う風習があるためです。現在ではこれを素直に信じるというよりは一種の楽しみとして興味を持つ程度となっています。
2025年の干支は巳年で蛇。韓国では十干(じっかん)と十二支を組み合わせて言うのが一般的なので、今年は乙巳年(ウルミニョン=日本語では「きのとみ(乙巳)」)になります。
乙巳年の乙(きのと)は陰陽五行思想で陰の木、五色で表せば緑(青)となり、巳は蛇を意味することから「青蛇の年」とも呼ばれます。
ソルナルの連休は 「官公署の公休日に関する規定」第2条・公休日に『ソルナル前日、ソルナル、ソルナルの次の日(陰暦12月末日、1月1日、2日)」と規定されており、ソルナル当日を挟み前後1日ずつの三日間が公休日となります。
2025年の場合、1月29日(水)がソルナル(旧暦1月1日)当日ですので、28月(火)から30日(木)までがソルナルの連休となりますが、その直前の土・日とソルナルの連休に挟まれた平日の27日(月)も臨時公休日に決まったことから、1月25日(土)から1月30日(木)まで事実上、6連休となります。また、31日(金)の平日も個人的に休暇を1日取れば、直後の土・日も合わせて1月25日(土)から2月2日(日)まで9連休となるケースもあります。
このように長い連休となりますので、韓国全国では家族連れでお楽しみ頂けるさまざまな展示や公演などが開催されます。
たとえば京畿道(キョンギド)富川市(プチョンシ)にある韓国漫画博物館 (最寄駅:ソウル地下鉄7号線サムサンチェユックァン(三山体育館)駅下車、5番出口から徒歩2分(150m))では、韓国をはじめ世界の著名な漫画家による新年カトゥーン展『青蛇、きらきら』が3月2日(日)まで開催され、今年の干支にちなんだ青い蛇をテーマにした様々な漫画作品をご覧いただけます。
また、 連休期間中※、韓国全国にある国立慶州博物館・国立全州博物館・国立清州博物館・国立大邱博物館など各国立博物館やその他の博物館・歴史文化関連施設でも、ソルナルを迎え様々な文化体験行事も行われます(※註:ただしソルナル当日は休館となっている施設が多数(国立博物館など)あり、また各施設ごとに連休中、臨時休館日を設けている場合もありますので、お出かけ前には公式サイトで確認の上お越しください)。
このほか、ソルナル連休中、ソウルにある四大王宮(景福宮・昌徳宮・徳寿宮・昌慶宮)や宗廟は無料で入場できますので、この期間中、ソウルを訪れる機会がある方はぜひ足をお運びください。
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More info
もうひとつソルナルにまつわる情報
* 上記の内容は2025年1月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。