2025/02/20
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いつでもスーパーで購入できる牛肉は、味が一定だと思われがちだ。だが、牛肉にもちゃんと旬がある。春と秋は暑くもなく寒くもないため、牛も気楽に餌を食べて栄養を蓄えることができる。したがって、4月~6月、10月~11月は、牛肉の味わいもより豊かになる。
フェンソン(横城)郡庁(カンウォン特別自治道フェンソン郡テギロ15)とフェンソン(横城)市外バスターミナル(カンウォン特別自治道フェンソン郡フェンソン邑フェンソンロ377)が位置する街にフェンソン(横城)韓牛の専門店が集まっている。
韓牛には様々な品種がある。かつては毛色で品種を区別していたこともあり、なんと9種類もあったという。(キム・ドンジン、『朝鮮の生態環境史』、プルンヨクサ、60p) 現在は、ざっくりと黒毛、黒とオレンジの毛が混ざったもの、オレンジ色の毛の3種類に分けている。
でも実は韓牛の味の決め手は、毛色ではなく、飼育期間だ。韓国に輸入される牛は飼育期間が18~24か月だが、韓牛は31~34か月と長い。脂肪の旨味を引き立たせるために飼育期間を伸ばしているのだ。わずか8か月から1年程度の差だがその間に脂肪がつき、味や風味、食感が豊かになるという。
韓牛は、筋肉の中の脂肪率(霜降り)、きめ、成熟度、肉の色、脂肪の色を考慮して等級(ランク)が分けられる。脂の旨味が際立つ最上級の1++からあっさりとした味とコストパフォーマンスが魅力の3等級まで幅広くランク付けされる(1++、1+、1、2、3等級の順)。
韓国人のDNAには韓牛の味が刻まれているとよく言われる。それだけ韓国人の食文化に韓牛は欠かせないということだ。朝鮮時代のヨンジョ(英祖)のとき、一日にと殺する牛の数が1000頭に達したという記録がある。(キム・ドンジン、『朝鮮の生態環境史』、プルンヨクサ、72p)当時の人口は約700万人で、現在の人口の1/7の水準だったことを考えると、おびただしい数字といえる。参考までに、2023年現在の韓牛の年間と殺数は約93万頭で、一日平均約2,500頭という計算になる。(『2023年畜産物等級判定統計年報』、畜産物品質評価院、5p)
また、先人たちは「煖炉会」という集まりで、一緒に韓牛を楽しんだという。主に冬に行われるこの会では、炭火を焚いた火鉢を囲んで、その上にポンチョル(燔鉄、チヂミを焼いたり、肉などを炒めるときに使う、釜の蓋のような形の調理器具)を乗せて熱し、味付けした肉を焼いて食べた。肉を焼いた後、ポンチョルに出汁を注ぎ、そこでスープ料理を作って食べることもあり、これが寄せ鍋やプルコギと呼ぶ料理の原型と言える。
韓国では全国どこでも韓牛を味わうことができる。清らかな自然に囲まれたカンウォン(江原)特別自治道フェンソン(横城)郡は、昔から韓牛の里と呼ばれており、韓国で初めて地名が付いた韓牛ブランドを育てた地域でもある。フェンソン(横城)韓牛は、フェンソン(横城)の肌寒い気候で育てられ、脂肪の蓄積率が高く、肉質が柔らかい上に抜群の旨味を誇る。
フェンソン(横城)で韓牛を専門的に販売する店は大きく3種類に分けられる。精肉食堂、韓牛専門店、そして韓牛食べ放題のお店だ。精肉食堂は精肉店と肉を焼いて食べられる飲食店を組み合わせた、韓国ならではのユニークなタイプのお店だ。お店に入ると、韓牛が部位別に並んでいる冷蔵ケースの中から、食べたい肉を選んで購入し、それを持ってテーブル席に着く。お店によって多少の違いはあるが、一般的に1人あたり3,000~4,000ウォンのテーブルチャージがかかる。テーブルチャージには包み野菜、サムジャン、基本のおかずなどが含まれている。テーブルの真ん中に置かれた鉄板が熱くなったら、購入した牛肉を自分で乗せて焼いて食べる。精肉食堂は、予算に合わせて様々なお肉を自分で選ぶことができ、韓牛専門店に比べてリーズナブルな価格で韓牛を楽しめるのもメリットだ。韓牛焼きの他に、韓牛入りのプルゴギ、コムタン、ユッケビビンバなども味わえる。
韓牛専門店では、従業員が肉を焼いてくれるなどのサービスが提供され、テーブルに並ぶおかずもさらに豪華だ。金銭的な余裕がある場合や、牛肉をおいしく焼く自信がない場合は、韓牛専門店がおすすめだ。しかも韓牛専門店は、質の良い炭を使った炭火焼きの場合が多い。韓牛を炭火で燻製して焼くと、脂が抜けてさっぱりした味が楽しめる上に、肉にほのかに染みた炭火の香りも絶品だ。
手頃な価格で韓牛をたっぷり味わいたいなら、韓牛食べ放題のお店を訪れてみよう。韓牛食べ放題のお店では、主に湿式熟成された2、3等級の韓牛が出される。1人当たり3万ウォン台が相場で、韓牛専門店で提供される1人前のロースの値段より安い。入店時に前払いし、案内された席に座ると、炭を入れた火鉢とお肉が提供される。最初だけ肉を用意してくれるお店もあり、包み野菜、薬味などを含む基本的なおかずは、ビュッフェボードから自分で取って来る必要がある。食べ放題のお店では、お肉を好きなだけ取ってきて焼いて食べられる。脂身の少ない2、3等級の牛肉は脂肪が少ないので、表面がこげ茶色になるまでよく焼くと美味しくなる。
脂身の少ない牛肉のステーキを食べるときは、レアやミディアムの焼き加減を選ぶことが多いが、これは熟成させた肉に限った話といえる。熟成させた肉は表面だけに火を通す焼き方がよいが、韓国の焼肉店では、熟成させていない肉を提供することが多い。熟成させていない脂身の少ない牛肉は、十分に火を通すことで歯ごたえとコクが引き立つ。
韓牛焼きを食べるときは、ニンニクと青唐辛子と一緒に食べると良い。特にニンニクは肉と一緒に火で焼くこともあるが、焼くことでニンニクの辛味が和らぎ、甘くて美味しくなる。お店によってはごま油を入れた小鉢にニンニクを入れて焼いてくれるところもある。
ご飯やククス(素麺)、冷麺、テンジャンチゲなどは肉と相性が良いのでこれらと一緒に食べてみよう。とくにフェンソン(横城)地域の飲食店のメニューにテンジャンチゲがのっていたら、追加注文する価値がある。フェンソン(横城)郡が属するカンウォン(江原)地域は他の地域と違ってテンジャンの色が黒く、これを「マクチャン」と呼ぶ。色が黒いのは、テンジャンを造るときにカンジャンを他の地域より少なく取り除くからだ。このマクチャンで作ったテンジャンチゲは普通のテンジャンチゲより濃厚で深い味が特徴だ。ちなみに、長時間焼いた肉を切ってテンジャンチゲに入れると、スープの味が格段に良くなる。