2025/02/20
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クッパは一年中楽しめるが、クッパに欠かせないニラの香りを存分に味わうなら、やはり春が一番だ。
プサン(釜山)は「豚肉クッパの街」と呼ばれるほど数多くの豚肉クッパ屋が賑わいを見せている。ソミョン駅の近くには、「ソミョン(西面)郷土料理通り(ソミョン(西面)市場の横の路地、プサン広域市プサンジン区ソミョンロ68ボンギル一帯)」が形成されており、豚肉クッパを専門とするお店がたくさんある。
昔から韓国人がこよなく愛してきたクッパは、一つの料理であり、また料理のジャンルでもある。昔から韓国人は、食事を早く済ませたいときにクッパを食べた。調理法が簡単で、しかも満腹感が得られるのがクッパの人気の秘密といえる。まさに韓国のファストフードだ。
クッパは、旅人の味方でもあった。昔、全国を旅した行商人や、故郷と都を行き来したソンビ(士人)たちは、必ずと言っていいほどチュマク(酒幕・居酒屋を兼ねた宿)に立ち寄ってクッパを食べた。長い道のりの途中に立ち寄るので、じっくり料理を味わう時間がなく、すばやく簡単に空腹を満たさなければならない人たちにとって、クッパは最高の選択肢だった。だからだろうか。今でもクッパは全国どこに行っても簡単に味わえる料理だ。多くの人に喜ばれる上に、作り方がシンプルで、どこでも簡単に材料が手に入る。クッパが庶民の間で長く愛され続けてきたのも納得だ。
クッパの「スープ」は、主に牛肉または豚肉を茹でた出汁に様々な材料を加えてじっくり煮込んでつくる。大きな鍋や釜でたくさんの量を煮込むことが多く、これは大量に作る目的とたくさんの様々な材料を使うことで、豊かな味わいを出すためでもある。お店では、営業前または営業終了後にスープをあらかじめ煮込んでおく。そうすれば、注文を受け一回さっと沸騰させればすぐに提供することができるからだ。
最初、クッパの材料に使われた肉は牛肉だった。昔はどこの家でも牛の一頭か二頭は飼っていたこともあり、鶏肉以外に最も手に入りやすい肉類だったからだ。牛肉を使ったクッパ料理には、一般的に使われない部位や骨で出汁をとった牛の頭部肉クッパ、牛テールのコムタン、ソルロンタンなどをはじめ、肉付きのカルビを入れて煮込んだカルビタンもあった。
1970年代以降になると、産業化を経て全国各地に設備を整えた大型の養豚場が増えた。自然と豚肉の生産量が急激に増加し、牛肉よりも価格が安くなった。輸出量も次第に増え、それに合わせてプサン(釜山)と周辺都市には食肉加工施設が建設され始めた。
食肉加工施設が増えたことで、プサン(釜山)地域の人は豚肉を加工して残った副産物で肉の出汁を取ったクッパを作り、販売するようになった。プサン(釜山)の人々にとって豚肉クッパが「韓国式ファストフード」であり「ソウルフード」として認知され始めたのもこの頃からだ。
現在、プサン(釜山)には中華料理屋より豚肉クッパのお店が二倍も存在する。『プサン(釜山)日報』の2019年の調査によると、プサン(釜山)地域の豚肉クッパ専門店は約700店に達したという。
豚肉クッパは、調理法によって透明なスープと濃いスープの二種類に分かれる。お湯に豚肉を入れて沸騰させると透明なスープになり、豚骨を煮込むと濃厚なスープになる。豚肉だけで出汁を取ったスープはさっぱりとした味わい、豚骨スープは濃厚な旨味が特徴だ。
豚肉クッパに使われる豚肉の部位は、主に腕肉だ。だが、一般的な豚肉クッパに比べて価格帯が高く設定されている一部の豚肉クッパのお店では、脂身が豊富で香ばしい味がする豚トロ(豚の首から肩の間にある首筋の部位)を使うこともある。
豚肉クッパのお店でメニューを開くと、独特な表記に多少混乱することがある。メニューに「ネジャン(内臓)のみ」と書かれているのは豚肉を入れずに内臓だけを、「スンデのみ」と書かれているのはスンデだけを入れるクッパのことを指す。「ソッコ」は肉と内臓、あるいは肉とスンデを混ぜたものを指す。豚肉と内臓、スンデをすべて味わいたいなら「盛り合わせ」がおすすめだ。肉だけが入った豚肉クッパは肉本来の味が楽しめるが、内臓が混ざるとモチっとした食感まで味わえる。
クッパを注文する時、「トリョム(退染)」という言葉をよく耳にする。トリョム(退染)とは、クッパの伝統的な温め方で、冷たいご飯に熱いスープをくぐらせて温めるという過程を繰り返し、ほどよく食べやすい温度まで温める方法をいう。電気釜のなかった時代にクッパを温かくして食べるための方法でもあった。
豚肉クッパを注文すると、キムチ、海老の塩辛、ニラなどが基本のおかずとして出される。まずはクッパの上にニラを乗せた後、スプーンでスープを味わう。その後、お好みで薬味となるヤンニョム、海老の塩辛、塩などを加えて味を整える。店によっては素麺を入れるところもある。
豚肉クッパは、スープの種類、肉の構成、味付けの違いによって無数の組み合わせが可能な料理でもある。世の中に同じ豚肉クッパはないと言われる所以だ。プサン(釜山)にある豚肉クッパの人気店を巡って様々な豚肉クッパを味わってみよう。
*参考資料:『プサン(釜山)日報』プサン(釜山)豚肉クッパロード(porksoup.busan.com)