2023/11/07
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光化門一帯は、巨大なビル群の合間に600年の歴史がそのまま残っています。主な王宮が集まっているため、王宮を巡り、それぞれの異なる魅力を比べてみる楽しさがあります。景福宮の塀に沿って光化門から徳寿宮まで歩いて朝鮮時代の面影を見つけ、徳寿宮の石垣道をソウル市立美術館まで歩いて近現代を感じるコースをご紹介します。ゆっくり時間をかけて歩いてみたい、文化の香りあふれる散歩道です。
かつて朝鮮王室の中心であり、今日ではソウルの中心部にどっしりと構えている景福宮は見どころ満載のスポットです。王宮の中に入ると、重要な儀式が行われた勤政殿が正面に見えてきます。続いてまつりごとの話し合いが行われた便殿である思政殿があり、王の寝殿である康寧殿、王妃の寝殿である交泰殿など、朝鮮王室の歴史がそのまま溶け込んでいます。池に囲まれた慶会楼や後苑にある香遠亭も特別な見どころです。
毎日午前と午後の2回、守門将交代式と光化門把守儀式、守門軍公開訓練などが行われ、連日観光客で賑わっています。この他にも、時期によって生果房体験、夜間開放、慶会楼特別観覧、ピョルピッ夜行など、多彩なプログラムを楽しむことができます。
景福宮の塀に沿って歩くと、国王が出入りした宮城の正門である光化門があります。朝鮮五大王宮の中で唯一闕門の様式を持つ光化門からは、華麗で雄大な気迫が感じられます。
光化門は、景福宮を守る守門将であり、観光客を広場へと誘う「烏鵲橋」でもあります。車道を挟んで静かな王宮の風景と、高くそびえる現代のビル群が調和をなし、特別な光景を演出しています。
光化門一帯を訪れる人々の待ち合わせの場所であり、観光客の旅の始まりと終わりになる光化門は、風情ある姿でソウルの中心部を見守っています。
光化門広場には、長い説明は必要ありません。ソウル中心部で歩きやすくてゆっくり過ごせる憩いの場と言えば、真っ先に思い浮かぶ場所です。過去と未来を結ぶ文化の広場でもある光化門広場は、韓国の人々はもちろん、外国人観光客にも心地の良い憩いの場となっています。
朝鮮時代の主な官庁の六曹街を象徴する広い芝生の広場(六曹広場)の向こうに、光化門広場のシンボルである世宗大王の銅像が立っています。松の庭園、時間の庭園、四季の庭園、文化休憩所、開かれた広場、広場の森など、緑豊かな木陰のある様々な休憩スペースと、多彩なイベントが行われる遊びの広場、過去と現在を結ぶ時間の水の道など、見どころがたくさんあります。
この他にも、訪問者のための案内デスク、化粧室、乳児休憩室、授乳室、ドリンクの自動販売機と水飲み場などがあり、快適に散策を楽しむことができます。
徳寿宮は、景福宮の華やかさとは対照的な王宮です。燦爛たる王宮ではなくとも、優雅な趣にあふれています。光化門広場を抜けてそのまま少し歩くと、右手に徳寿宮の正門である大漢門が見えてきます。大韓帝国の皇宮と調和をなす近代西洋建築は、特別な魅力を持っています。
散策するだけでも徳寿宮の素敵な雰囲気を感じることができますが、せっかくなら石造殿を予約してみることをおすすめします。19世紀の新古典主義様式の石造殿は、外国の使節を接見した場所で、内部はロココ調に飾られています。建物は地階から2階までの3つの階からなっています。2009年に復元工事が行われ、2014年に石造殿大韓帝国歴史館が開館し、今日に至っています。
一時は、カップルで徳寿宮石垣道を歩くと別れるという俗説がありました。その昔、この道の奥にソウル家庭裁判所があったからです。離婚する夫婦が必ず通る道であったことから生まれた話でしたが、それは歴史の中に消えていきました。
徳寿宮石垣道は、徳寿宮の塀に沿って1キロメートルほど続く道です。雰囲気も落ち着いていて、ロマンにあふれる文化と芸術の通りに変貌しました。曲がりくねった石垣道の一角にイーゼルを立てて絵を描く道端の画家、無関心に通り過ぎる人々のことなど気にせず情熱的に演奏する音楽家、思いもよらない空想を現実にして見せてくれる手品師が、徳寿宮石垣道を見守っています。
足を止めて見物する人々と一緒に芸術の香りを楽しんだり、聴こえてくる音楽に酔いしれながら歩いたりすれば、いつしかストリートパフォーマーになったような気分になります。
徳寿宮石垣道のロマンは、ソウル市立美術館まで続いています。チョンドン(貞洞)道の一角にあるソウル市立美術館は、気品のある優雅な雰囲気を漂わせています。ルネサンス様式の旧最高裁判所の建物のファサードをそのまま保存しつつ、近代的な建物にリノベーションしたからです。
建築の独特な雰囲気、美術館の入口にあるフォトスポット、芸術的な感覚の散策路が織りなす風景に、作品になる写真を撮るのにもぴったりです。天気が良い日には、写真家も多く訪れます。
常時無料で展示が行われており、専門性と大衆性を考慮した特別展も開かれています。散策がてら芸術作品を観ることができる一石二鳥のコースです。ソウル市立美術館の「Docent」アプリを利用して、展示ガイドを聴きながら鑑賞するのもいいでしょう。
アクセス情報
[地下鉄] ソウル地下鉄3号線アングク駅6番出口か1号線チョンガク駅2番出口からスタート
周辺の飲食店・カフェ
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※上記の内容は2023年5月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。