2024/09/13
957
0
1
韓国観光
国立公園
登山
ソラクサン
ハンラサン
大自然からの贈り物、韓国の国立公園。そのハイキングの旅に出かけてみませんか?険しい尾根と奇岩怪石が織りなす雪岳山、神秘的な風景が広がる漢拏山、ソウルの街並みを一望できる北漢山など、様々な魅力を持つ国立公園があなたを待っています。鬱蒼と生い茂る森の道を歩きながら自然の美しさを楽しみたい初心者から、絶壁や深い谷を越えて登山のスリルを味わいたい上級者まで、すべてのレベルの登山者に満足していただける多彩なハイキングコースをご紹介します。
ソウルからのアクセスが良い北漢山国立公園は、大都市にありながらも大自然を満喫できる癒しスポットです。ソウルと京畿道にまたがって点在する峰々を総称して北漢山と呼んでいます。公共交通機関がよく整備されているので、いくつもある登山路の入口にアクセスしやすいのも魅力です。
北漢山は、歴史と文化が息づく山でもあります。6世紀の新羅時代には真興王が国境を視察して岩稜の一つである碑峰に碑を建てました。現在その碑は国宝に指定され、国立中央博物館に保管されています。北漢山の最高峰である白雲台へ行く途中にある北漢山城は、壮大な風景を写真に収めることができる最高のフォトスポットです。
• 白雲台頂上コース
Hiking the National Parks of Korea
北漢山城探訪支援センターから出発し、登雲閣、白雲峰暗門を経て白雲台に登るコースです。急な上り坂が続きますが、ところどころに休憩所があるため、休みながらゆっくり山歩きを楽しむことができます。頂上では、ソウル市内と北漢山の美しい風景を収めた最高の写真を撮ることができます。ただ、今は落石の危険があり、一部区間(大東寺~白雲峰暗門~龍岩門)は立ち入りが規制されているので、必ず確認してから訪れましょう。
• 神仙台コース
Hiking the National Parks of Korea
道峰分所から出発し、恩石庵、タラク稜線、Y渓谷を経て神仙台に登る道では、道峰山の多彩な魅力を堪能できます。恩石庵の静けさに包まれた雰囲気、タラク稜線の雄大な風景、Y渓谷のスリル満点の岩壁など、見どころ満載のコースです。マダン岩(「マダン」は広い土地の意味)の上でしばらく休んで、寺院の天竺寺を経て道峰分所に戻る下山ルートは、なだらかな傾斜が続くため、のんびりと山歩きを楽しむことができます。
ソウル都心登山観光センターでは、外国人登山者向けのカスタマイズされた登山サービスを提供しています。ソウルの主な登山コース情報を多言語(韓国語、英語、中国語、日本語)で詳しく案内してもらったり、登山靴や登山服など必要な用品のレンタルが可能で、外国人を対象にした多彩な登山体験プログラムも毎週開催されています。また、センター内の有料・無料ロッカーに荷物を預けたり、ラウンジで休憩することもできます。
雪岳山は、1982年に韓国で初めてユネスコエコパーク(生物圏保存地域)に登録されており、韓国で2番目に大きい国立公園でもあります。恐竜稜線、千仏洞渓谷などの美しい山岳景観が特に広く知られていて、国内外の観光客や自然愛好家、登山者に人気を博しています。
雪岳山の地形は険しく、登頂への道のりは容易ではありませんが、登り切った後は並々ならぬ達成感と感動を味わえます。避難小屋に宿泊しながら、数日かけて山頂に挑む登山者もたくさんいます。ゆったりとした山歩きを楽しみたい場合は、飛仙台渓谷まで続く渓流沿いの道がおすすめです。お年寄りや家族連れの場合、ロープウェイに乗って高麗時代の山城である権金城に登り、ぐるりと広がるパノラマ風景を鑑賞したり、奇岩怪石が壮観な蔚山岩を背景に一生の思い出になる写真を撮ってみるのもいいでしょう。
• 大青峰頂上コース
Hiking the National Parks of Korea
小公園を出発し、広く大きな岩盤が圧巻の渓谷「飛仙台」と「天堂滝」を経て、最高峰の「大青峰」の頂上に登るコースでは、豊かな自然を一望できる極上体験が待っています。鬱蒼とした森の道に伸びる緩やかな最初の区間とは異なり、天堂滝以降は急な上り坂が続きますが、頂上からの開放的な見晴らし、恐竜稜線と蔚山岩の雄大な風景は、苦労を補って余る感動を与えてくれます。
• 蔚山岩コース
Hiking the National Parks of Korea
小公園から出発し、新興寺を経てフンドゥル岩まで続く森の道はなだらかな傾斜のため、誰でもハイキングを楽しめます。フンドゥル岩はフォトスポットで、多くの登山者がここで両手で岩を押して揺すりながら記念写真を撮っています(「フンドゥル」は揺れるという意味)。フンドゥル岩から蔚山岩の頂上までは道が多少険しいですが、頂上から壮大な風景を見渡せば、それまでの努力が報われたとつくづく感じられるはずです。蔚山岩コースは短時間で雪岳山の美しさを味わいたい方に最適です。
• 百潭寺
韓国で最も美しい寺院の一つに数えられる百潭寺は、特に秋には色鮮やかな紅葉が周囲の峰々と渓谷を赤く染め、まるで絵画のような美しい風景を演出します。静かで平和な雰囲気の中で瞑想と思索に耽るのにうってつけの場所で、外国人向けのテンプルステイも運営しており、韓国の仏教文化を体験したい方におすすめのスポットです。
標高1,950mの漢拏山は、韓国で最も高い国立公園で、ユネスコエコパーク(生物圏保護地域)、世界自然遺産、ユネスコ世界ジオパークのユネスコ3冠に輝く世界に4カ所しかない山の一つです。済州道の中央部にそびえ立つこの休火山は、自然景観が素晴らしく、地域住民はもちろん国内外の観光客に大変人気の高い観光スポットです。
漢拏山は標高によって変化に富む植生が魅力的です。耽羅渓谷から白鹿潭まで、行く先々で違った自然美に出会えます。ですが、大切な自然を守るため、頂上コースは入山の人数が限られているので、事前予約が必要です。
済州道では登山の他にも様々な楽しみ方ができます。自然名所だけでなく、美味しい郷土料理や個性あふれるカフェも多く、観光スポットやグルメスポットが豊富で退屈する暇がありません。済州道を訪れる時は、登山以外の旅も楽しめるよう、時間に余裕をもってスケジュールを組むことをおすすめします。
• 白鹿潭頂上コース
Hiking the National Parks of Korea
漢拏山頂上への代表的なコースである城板岳コースでは、魅力あふれる風景が楽しめます。ソクパッ、サラオルムを通ってチンダルレ(ツツジ畑)避難小屋まで行くと、急な階段を上るきつい区間が始まりますが、頂上に登ると、済州道の景色が360度パノラマで広がっていますので、その苦労が十分報われます。下山ルートは吊り橋のような観光スポットもあって、楽しくハイキングを続けられます。耽羅渓谷以降は緩やかな道が続き、快適に下山することができます。新鮮な自然の空気を胸いっぱい吸いながら、頂上を制覇したという達成感を味わいたい方はぜひ挑戦してみてください。
• 霊室コース
Hiking the National Parks of Korea
霊室コースは、平坦な道と険しい階段を交互に登り、様々な魅力の自然に出会えるコースです。屏風岩を過ぎてウィッセオルム避難小屋に登る道は大変な道のりですが、登りきったところで見られるパノラマの光景は、それまでの苦労を忘れさせてくれるほどの絶景です。その後に続くオリモク探訪案内所までの下山ルートでは鬱蒼と生い茂る森の道と涼しげな渓流が交互に現れ、自然が織りなす多彩な風景を堪能できます。
山頂に登った後に味わう一本のキンパプは、韓国の登山文化では欠かせない儀式のようなものです。特に西帰浦市の旅行者通りにあるオヌンジョンキンパプは、済州を代表するキンパプの人気店で、常に登山者で賑わっています。薄揚げが入った香ばしい風味が特徴の元祖オヌンジョンキンパプをはじめ、チーズキンパプ、トッカルビ(粗挽きカルビ焼き)キンパプなど様々なメニューを味わうことができます。ただ、大変人気があるため予約が必要です。漢拏山の登山を計画している場合、前日に訪問して翌日の受け取り時間を決めておきましょう。
韓国の23の国立公園の中で、日帰りで完走可能な46のハイキングコースを詳細に紹介する総合ガイドブックです。国立公園公団所属の職員2人(ユン・ホングン氏、パク・ヒョンジョン氏)とネイティブのChristian Jorgensen氏の3人の共著で、国立公園の専門家や経験豊富なハイカーからの意見を幅広く収集し、直接足を運んで確認を取ってから最高のコースだけを厳選しました。各コースの特徴と必要な情報を丁寧に紹介しており、豊富な写真を掲載することで、生き生きとした臨場感を伝えています。この秋、この本を参考にして、冒険に溢れる非日常のハイキングの旅に出かけてみませんか?
※本記事の主な内容と写真(インフォグラフィックを含む)は、『Hiking the National Parks of Korea』の著者から提供を受けて作成しました。
※上記の内容は2024年9月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。