2024/03/11
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ソウル
東大門区
韓方
体と心が元気になる韓方ウェルネスの聖地、ソウル韓方振興センター
甘くほろ苦い生薬の香りをたどっていくと、ソウル韓方振興センターがあります。センターがある場所はソウル特別市トンデムン(東大門)区チェギ(祭基)洞で、今も昔も韓方のメッカと呼ばれています。朝鮮時代に病気の民を無料で治療する救護機関「普済院」があったところで、現在は韓国最大の生薬市場「ソウル薬令市」があります。
韓方は、もともと中国で発達した漢方が韓国に伝わり、独自の発展を遂げた医術です。韓国の土壌で育った薬草と医師たちの努力によって発展してきた医術が融合して韓医学という学問が形成され、韓医学は長い歳月にわたって韓国人の健康に役立てられてきました。韓国の伝統医学である韓医学をテーマに、博物館の展示やウェルネス体験を楽しめる韓方複合文化空間が、ソウル韓方振興センターです。心身のバランスが取れた状態を追求する韓医学と身体的・精神的・社会的に健康な状態を意味するウェルネスは、似ている点がたくさんあります。ソウル韓方振興センターでは、現代風にアレンジされた韓医学とウェルネスの韓医学版を体験できるようになっています。
韓国伝統医学の知恵が詰まった空間
ソウル韓方振興センターでは、博物館展示の観覧から足湯・韓方・食体験まで、韓方文化をワンストップで体験できます。最初に行くところは、2階のソウル薬令市韓医薬博物館です。韓国独自の医学である韓医学を紹介するとともに350種以上の生薬を展示しており、関連所蔵品が集まっています。特に東洋医学を体系的にまとめた医書『東医宝鑑』、犀角(サイの角)やヘビを用いた希少薬材は貴重な見どころです。1階の案内デスクに申し込んで英語の音声ガイド機器をレンタルすると便利です。
センターの代表的なウェルネス体験としては、韓屋楼閣の下で楽しむ薬草足湯体験があります。ユネスコ「世界の記憶」に登録されている医書『東医宝鑑』の「頭寒足熱」「頭を冷やして足を温めれば病気にならない」という記録をもとにした体験です。春はヨモギ、夏はハッカというふうに、季節によって異なる韓方薬を入れたお湯に20分足を浸すことができます。お湯から立ち上る湯気が顔にあたり、気持ちが安らいでいきます。屋外で行われるため、気温の低い12~2月には運営しません。
体と心が元気になる韓方体験
ソウル韓方振興センターの近くには、朝鮮時代に普済院という救護機関がありました。王の命令で設置された普済院は、病気の民を治療して休ませる一種の福祉機関でした。現代の普済院韓方体験室は、過去の精神を受け継いでいく場所です。ホットアイマスクをつけて温熱マッサージマットに横たわり、体の隅々までマッサージを受けながら韓医学の経絡を間接的に体験できます。韓方ハンドパックをして手足の指圧を受ける間にカサカサだった手がスベスベになり、コリもほぐれます。
小さなお土産を持ち帰りたいなら、韓方工作所のもの作り体験がおすすめです。体の状態に合った生薬で作る韓方足湯ソルト、ヨモギの香りがほのかに漂うカワラヨモギ入浴剤、3種類の生薬を入れて芳香剤として使えるサシェ作りは、それぞれ10分以内にできる手軽な体験プログラムです。朝鮮時代の服を着て写真を残せる伝統衣装体験も外せません。歩き疲れた足を休めたいなら、韓方カフェ「チャムダジョン」に行きましょう。双和茶やなつめ茶などの韓方茶が体を温めてくれ、蓮の葉ご飯など腹持ちのいいフードメニューも揃っています。
Wellness Program
全6種類の体験プログラムの中で特に外国人観光客に人気が高いTOP 3は、薬草足湯体験と普済院韓方体験、伝統衣装体験です。薬草足湯体験では、体に良い生薬を入れた温かいお湯に足を浸してリラックスします。普済院韓方体験は、温熱マッサージマットに横たわって体を休め、手足の指圧を受けながら韓医学の経絡を間接的に体験する時間です。「旅行で残せるのは写真だけ」と思うなら、伝統衣装体験が一番です。朝鮮時代の医官・医女の服を着て風情ある韓屋をバックに思い出を写真で残すことができます。
NOTE
▪ 住所: ソウル特別市トンデムン区ヤンニョンジュンアンロ26
▪ お問い合わせ: +82-2-969-9241
▪ 営業時間: 夏期(3~10月)火~日曜日10:00~18:00
冬期(11~2月)火~日曜日10:00~17:00(月曜日、1月1日、ソルナル、秋夕休館)
▪ ホームページ: kmedi.ddm.go.kr
▪ 体験料: 現地で先着順に予約受付
① ソウル薬令市韓医薬博物館:大人1,000ウォン、小中高生(満7~18歳)500ウォン
② 薬草足湯体験:6,000ウォン(1つの足湯を最大2人まで利用可能)
③ 普済院韓方体験:5,000ウォン
④ 伝統衣装体験:無料
⑤ 韓方足湯ソルト・カワラヨモギ入浴剤・サシェ作り:各3,000ウォン
⑥ 薬膳体験:1万5千ウォン~3万ウォン
アクセス
▪ [地下鉄] 1号線チェギドン駅2番出口から321m(徒歩5分)
周辺のおすすめスポット
韓国最大の韓薬材市場の活気に触れられるソウル薬令市場
韓薬材を販売する市場のことを「薬令市」といいます。よって「ソウル薬令市場」はソウルにある韓薬材市場という意味になります。現在、韓国全体の韓薬材の約70%をここで取り扱っています。1960年代後半から韓薬材の主産地であるカンウォン(江原)道との交通が便利になり、規模が拡大しました。ソウル地下鉄1号線チェギドン駅に降りると、ほろ苦い韓方薬の香りが広がっています。薬材を販売する韓方薬局、韓方医師が診療する韓方医院、薬材を粉にする製粉所など、様々な韓方関連の施設が集まっています。名前を知らない韓薬材やせわしなく動く商人たち、美味しそうなB級グルメなど、市場を見物するだけでも活気があって楽しくなります。
NOTE
▪ 住所: ソウル特別市トンデムン区ヤンニョンジュンアンロ10
▪ お問い合わせ: +82-2-969-4793~4
▪ ホームページ: seoulyak.com
伝統市場内にあるレトロなキョンドン市場クムソン電波社セロゴチムセンターとスターバックス・キョンドン1960店
60年の歴史を持つキョンドン(京東)市場が、伝統とトレンドの共存する人気スポットとして注目されています。クムソン(金星)電波社セロゴチムセンターとスターバックス・キョンドン1960店ができてからのことです。クムソン電波社セロゴチムセンターは韓国の電子機器メーカー、LG電子のポップアップストアです。以前販売していた家電製品、廃家電をリサイクルした小物などが展示されています。ネオンサインが光るレトロな空間は、あちこちがフォトスポットです。センターのすぐ隣にあるスターバックス・キョンドン1960店は、20年以上放置されていた昔の劇場をリノベーションしたものです。廃劇場の階段式客席を活かして壮大な雰囲気が演出されており、コーヒーがさらに美味しく感じられます。
NOTE
▪ 住所: ソウル特別市トンデムン区コサンジャロ36ギル3 キョンドン市場本館3、4階
▪ お問い合わせ: +82-2-3295-4947
▪ ホームページ: goldstar.lge.co.kr