2022/09/15
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ソウル駅から京義線の電車に揺られ小一時間、文山(ムンサン)駅で下車してさらに車でおよそ10分。DMZ・非武装地帯に近い京畿道(キョンギド)坡州市(パジュシ)にある臨津閣観光地は外国人観光客にも人気の観光スポットですが、この場所に先月2022年8月8日、臨場感あふれるデジタルメディア映像やVR・バーチャルリアリティを駆使した「実感メディア体験館」DMZセンセンヌリが正式オープンしました。
韓半島を南北に分断するDMZに残されている大自然、その恵まれた環境の中で日々生きているさまざまな動物や植物たち、そして美しい風景や歴史の足跡など、DMZの素晴らしさを臨場感あふれるデジタルメディアを通じて体験し楽しむことができる場所がここ、DMZセンセンヌリです。
DMZセンセンヌリの建物には1階と2階のフロアがあり、1階のセンセンヌリ体験館にはDMZ 248、DMZデジタル四季、シャトルライダー、ドローンライダー、DMZセンセン動物園、DMZ秘密の森といった六つの体験ゾーンが、また2階のセンセンヌリ映像館には大型メディアウォールを中心としたさまざまなメディアショーをお楽しみいただけるスペースがあります。
1階にあるシャトルライダーは、空飛ぶ未来型シャトルに乗って平和な雰囲気が漂うDMZなどを上空から観光するというストーリーが展開する臨場感あふれる映像アトラクションで、大型スクリーンに映し出される映像に合わせて座席も振動するようになっています。
DMZの映像以外にもソウル中心部にある光化門からフランス・パリまで列車で旅する『大陸横断旅行』、韓半島縦断鉄道の開通を宇宙から眺めるバーチャル映像『宇宙から見た韓半島』、歴史ある場所を訪れる『歴史遺跡』、有名観光スポットを巡る『観光名所』などの映像も次々とシャトルライダーの前にある大型スクリーンに映しだされます。
臨場感あふれるVR映像とともに上下左右に動くドローンライダーも、躍動感あふれる体験アトラクションで人気を博しています。
VR映像には『世界文化遺産』、韓半島を南北に貫く山脈『白頭大幹(ペクトゥデガン)』、軍事境界線に近い西海(ソヘ)に浮かぶ島『白翎島(ペンニョンド)』、『DMZオフロード』の四つの映像があり、いずれか一つをセレクトできます。
『世界文化遺産』は水原華城、安東河回村など世界文化遺産に登録されている韓国の観光地を、『白頭大幹』は智異山・雪岳山など白頭大幹の山々を、『白翎島』は頭武津(トゥムジン)・沙串(サゴッ)海岸など白翎島の有名観光スポットを、そして『DMZオフロード』はDMZに隣接するエリアを車でバーチャル旅行しながら大自然の風景を紹介する映像となっています。
DMZ秘密の森は、この地で激戦を戦った兵士たちがかぶっていた錆びれたヘルメットのような形をしたドーム内にDMZにある静寂で神秘な夜の森の風景をデジタルメディアで再現した場所。ドーム内の秘密の森にはデジタルメディアで再現した蝶が舞うなど華麗な光の世界が広がり、夜の美しい森をお楽しみ頂けます。
DMZデジタル四季は鮮やかな光で草花や蝶、蛙などを描き出すスペース。壁面のスクリーンには花々や木陰、紅葉の風景や雪景色などDMZの美しい四季が映し出されます。
DMZ 248は南北を隔てるDMZの西端・白翎島から最東端の高城(コソン)まで東西248kmに続くDMZとその隣接地域に生息する動物たちを探し出すゲーム。DMZは韓半島の総面積のわずか0.4%にすぎませんが絶滅危惧種101種を含め野生動物5929種が生息する場所で、韓半島を代表する自然生態系が残されているエリアです。
DMZセンセン動物園は動物のイラストに色を塗り、その絵を設置されたオーバーヘッドスキャナーで読み取ると、スクリーン上に自ら色を塗った動物が登場し動き出すというライブスケッチアトラクション。
またスマーフォンに専用アプリ『DMZ実感メディア(DMZ실감미디어/DMZ Real Media)』をインストールし、1階にある壁のあちらこちらに描かれた円形の絵にスマホカメラを向けると、滝から水が流れ落ちる様子や、龍が天へと上っていく様子などがAR(拡張現実)でお楽しみいただけます。
階段を上り、2階にやって来ると、花々でいっぱいのフォトゾーンが訪れる人をお出迎え。フォトゾーンで記念の一枚を撮ったら、いよいよ2階にあるセンセンヌリ映像館に入ってみましょう。2階には壁やフロアをキャンバスに臨場感あふれる映像で埋め尽くしその美しさで人々を圧倒する幅24mの大型メディアウォールと、天井からは長細いLEDが数多く吊るされ森の中を彷彿とさせる「LEDの森」の二つのスペースがあります。
メディアウォールには、『花津浦海岸』、DMZを題材にしたミュージカル『ワンダーチケット』、『DMZの四季』、『金剛山に登る』、『鉄馬の夢』、『高城DMZ』、『The Wall』などといった、さまざまな映像が曜日ごとに入れ替えを行い毎日上映されます。
本当に海岸にいるかのような感じで波が打ち寄せ、夕焼けの風景が美しい『花津浦海岸』、DMZの四季が立体映像で楽しめる『DMZの四季』、現在の軍事境界線のすぐ南にあった京義線の長湍(チャンダン)駅に停車していた機関車で韓国戦争(1950~1953年・休戦)の戦火で大破した蒸気機関車のストーリー『鉄馬の夢』、朝鮮時代の金剛山(クムガンサン)の絵画をベースに四季折々の金剛山の風景を幻想的に描き出した『金剛山に登る』など数多くの映像を楽しむことができ、またさまざまなアングルから写真を撮ることもできます。
このほかにもDMZセンセンヌリがある臨津閣観光地には数多くの観光スポットがあり、散歩がてら歩いてまわるのにうってつけの場所です。主な観光スポットには臨津江(イムジンガン)を渡り対岸の民間人出入統制区域内まで続く全長850mのロープウェイ・臨津閣平和ゴンドラ、平和ヌリ公園、臨津閣展望台、韓国戦争の歴史が宿る自由の橋や地下バンカー展示館、DMZの北に故郷がある人々のために作られた望拝壇(マンベダン)、平和の鐘などがあります。
More Info
DMZセンセンヌリ(DMZ생생누리)
※上記の内容は韓国観光公社韓国語ホームページに2022年7月に掲載された内容を基に翻訳、日本語ページ用に一部加筆・再構成したもので、情報は2022年9月現在のものです。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。