2023/10/16
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「今が旬!ズワイガニを食べに釜山へ行こう!~その1・機張市場で味わうとびっきりの海の幸~」に続く第二弾、今回は「釜山カニキャンペーン」にご参加の方々にご利用頂いている釜山駅~機張市場間を結ぶ無料シャトルバスが走る沿道にあるおすすめの観光スポットをご紹介したいと思います。
釜山カニキャンペーンは2023年10月1日から2024年3月31日までの5か月間、日本人観光客の方々を対象に釜山広域市北部の機張市場で美味しいズワイガニをお手ごろな値段で味わっていただけるキャンペーン!期間中は毎日昼と夜の2往復、釜山駅~機張市場間に無料シャトルバスを運行するほか、先着順でプレゼント進呈や、釜山各地の観光スポットで使えるクーポンブックもゲットできるお得なキャンペーンとなっています(キャンペーン実施店での料理をはじめ詳しくは第一弾のコラムをご覧ください)。
韓国には「金剛山も食後の景色(금강산도 식후경)」ということわざがあります。DMZ・非武装地帯の北側にある韓半島屈指の風光明媚な景勝地・金剛山(クムガンサン)の遊覧といえども、まずは腹ごしらえをしてから、という意味ですが、ここ釜山も金剛山に負けず劣らず素晴らしい観光スポットが数多くあります。
「釜山の旅も食後の風景」、釜山カニキャンペーンで美味しいズワイガニを食べたら、次は釜山の素晴らしい観光スポットに出かけてみましょう!
釜山カニキャンペーンの無料シャトルバスは、釜山駅前を出発するとまずは南へ向かいます。今年2023年8月に起工したばかりで完成すれば韓国国内三番目に高い超高層ビルとなる67階建て342.5mの釜山ロッテタワー建設予定地(ロッテ百貨店光復店横)の脇を通り釜山大橋を渡って、影島(ヨンド)にある最初の経由地・ヒンヨウル文化村に到着、その後バスは東への向きを変え、影島の北西から釜山港を横断する釜山港大橋、夏になると海水浴客で賑わう広安里海水浴場の沖を横断する広安大橋と釜山中心部の海辺の素晴らしい風景が眺められる道路をひた走り、地上100階の展望台から釜山の街並みを眺めることができるBUSAN X the SKYなどがある2番目の経由地・海雲台海水浴場に到着します。
シャトルバスは二つの経由地ヒンヨウル文化村と海雲台海水浴場に5分から10分ほど停車し、途中から乗車する釜山ズワイガニキャンペーン参加者の方々をピックアップし、一路、機張市場へと北上します。
●往路・経由地その1・ヒンヨウル文化村界隈●
無料シャトルバスは最初の経由地・ヒンヨウル文化村案内センターが入る白い建物の前のヒンヨウル文化村のバス停に停車します。
地名のヒンヨウル(ヒンニョウル)とは「白い(흰)瀬(여울)」、つまり川の流れが急になったところという意味で、近くに聳える蓬莱山(ポンネサン)から幾重にも枝分かれした川の流れが急峻な斜面を下り、遠くから見ると白い雪が積もっているように見えたことに由来しています。
実際にここを訪れてみると、ヒンヨウル文化村の海側は崖となっており、影島にそびえる標高396mの蓬莱山(ポンネサン)の麓の崖の上に作られた町であることに気づかされます。
このような厳しい立地にもかかわらず人々がこの地に居を構えたのには訳があり、南北分断の悲劇を生んだ韓国戦争(1950~53年・休戦)の勃発により、数多くの人々が韓半島南部へ難を逃れ、住む場所にも困っていた人々がやっとのことで釜山中心部の南に浮かぶ影島のこのヒンヨウルの地に新たな暮らしを求めたのでした。
そんなヒンヨウルの村ですが、2011年12月から空き家や廃屋をリモデリングして芸術創作空間を造成する事業を開始、いまでは町のあちらこちらに壁画があふれ、アートな雰囲気の町・ヒンヨウル文化村に大変身しました。南海の海に面した傾斜地にはお洒落なカフェなどもあり、景色は最高でまさに「韓国のサントリーニ島」という名前にふさわしい素晴らしい風景です。
個性あふれる町に変身したヒンヨウル文化村は数多くの韓国映画の舞台にもなりました。
いまや韓国を代表する俳優となったソン・ガンホさん主演の映画『弁護人』(2013年/ヤン・ウソク監督)をはじめ、チャ・テヒョン、ソン・イェジンさん主演『君に捧げる初恋』(原題:初恋死守決起大会・2003年)、チェ・ミンシク、ハ・ジョンウさん主演『悪いやつら』(原題:犯罪との戦争:悪いやつら全盛時代・2012年)など数々の映画のロケ地ともなり、ヒンヨウル文化村案内センター1階には映画記録館もありますので韓国映画にご関心のある方は必見です。
また、大海原が目の前に広がる崖の上のヒンヨウル文化村の歩道からは、天気がよければ、南東方向に釜山海峡(大韓海峡西水道)を隔て直線距離でおよそ60kmほど先の日本の長崎県・対馬の島影も見えます。
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ヒンヨウル文化村から海岸沿いの道路を南東へ3kmほど進むと、中里港(チュンニハン)の港が見えてきます。この港のすぐそばにあるのが影島海女村。
釜山の海に潜り海女さんが獲ってきたばかりの新鮮な海の幸が味わえることで有名な釜山の観光名所です。
車は影島を周回する大通りに面した港の駐車場までで、駐車場で降りて海岸線の小さな道路を200mほど進んでいくと、影島海女村が見えてきます。
ここ釜山・影島での海女の歴史は古く、1890年代、済州の海女さんがこの地に移り住んでからといいますから100年以上の歴史があります。韓国の海女の文化は済州から始まり、ここ釜山影島に移り住んだ海女さんがさらに韓半島東部の東海(トンヘ)沿岸、さらには現在のロシア沿海州や日本へも渡った海女さんがいたとのことで、韓国の海女文化が広がる一大拠点となっていたのがこの場所です。影島に住む人の多くが済州出身あるいは済州にルーツを持つ人々ということからもそのことがよくわかります。
以前は日除けの幕などが海辺に張られ海女さんが獲ってきた海の幸を頂く形でしたが、2019年に村の整備と海女さんの福利厚生の一環で影島海女文化展示館という立派な建物がオープン、1階にある海女水産物販売場で買った海の幸をさばいて海辺のテーブルで食べることができるようになり、海外からの観光客の方々も安心して利用できるようになりました。
また展示館2階には影島の海女文化を紹介する施設があり、釜山の海女文化100年の歴史に直接触れることができます。
取材は午後1時頃、海女さんが海から上がってくる時間を見計らってやって来たのですが、旧暦8月15日の秋夕(チュソク)の連休明けということもあり、この日はお休みということで残念ながら潜水服を来た海女さんにはお会いすることができませんでした。タイミングが合えば釜山の海で仕事を終えた海女さんにも会えるチャンスがあるかもしれません。
ちょうどお昼時ということもあり、ホヤ・サザエ・ナマコ・ウニ・タコなどの刺身の盛り合わせを頂くことに。眺めの良い海辺のテーブルで潮風を感じながら味わう鮮度抜群のお刺身はこの上ない至福のひと時。
影島海女村へは釜山駅からタクシーでおよそ20分(7.4km)、路線バスでも40分(待ち時間含まず)ほどと比較的近場にあるので、釜山観光の合間に数時間の余裕があったら、釜山中心部から橋を渡って影島で美味しい海の幸を味わいに訪れるのもいいかもしれません。
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影島海女村(영도해녀촌)
釜山といえばこれを思い出す方も多いのではないでしょうか。魚のすり身で作った練りかまぼこ・オムク。特に厳冬の韓国を訪れたことがあるなら、屋台で紙コップに入っただし汁をすすりながら串刺しになったオムクを食べたというも多いはず。そんな釜山オムクの老舗として知られるのがここ、1953年創業の三進(サムジン)オムクです。
ちょうど今年で70周年を迎える節目の年ということもあり、店内は華やかな70周年記念のディスプレイとなっています。
ひとえにオムクといっても種類はいろいろ。韓国の屋台で串刺しになっている定番の平たいオムクから、さつま揚げのようなオムク、韓国のコンビニでよく目にするオムクバー、そして釜山土産に定着した感のある人気商品でパン粉を付けてコロッケのように揚げたオムクコロッケなど多種多様。
影島北部にあるお店は本店だけあって商品ラインナップも充実、影島本店のお店の方に伺ったところ、常に60から70品目のオムクが店頭に並んでいるとのことです。
同じ建物にはオムクの歴史が分かる歴史館や、事前予約制でオムクのクッキングクラス・体験館も併設しており、特に自分だけのオムク作りができる体験館には多くの外国人観光客が訪れるとのことでした。
ちなみに三進オムクのお店は釜山カニキャンペーン参加飲食店9店舗で配布しているお得な割引・特典を受けられるクーポンブックの対象店で、三進オムクの各支店(本店・釜山駅広場店・釜山駅ラマダ店・センタムシティ店)で15,000ウォン以上お買い上げいただくとオムクバー「漁夫のバー」をおまけでプレゼントしていますので是非お土産にいかがでしょうか。
三進オムク影島本店(三進オムク体験・歴史館)
●往路・経由地その2・海雲台海水浴場界隈●
2020年7月にオープンし、いまや釜山・海雲台のランドマークとして有名なBUSAN X the SKY。
ソウルにあるロッテワールドタワー(555m)に続き韓国で2番目に高い411.6mの海雲台LCTランドマークタワーにある韓国国内最大級の展望台です。
最上階100階にある展望台からはすぐそばにある海雲台海水浴場をはじめ釜山の素晴らしい海辺の風景、そして反対側に目を向ければ釜山中心部の街並みと釜山の街を360度眺めることができます。
100階の展望台には床が総ガラス張りで直下が見えるショッキングブリッジもあり、ガラス張りの床の縁のあたりを恐る恐る歩く人や記念撮影をしている人でいつも人だかりとなっています。
98階にあるギフトショップ『X the GIFT』にはX the SKYロゴ入りのグッズや釜山にまつわるさまざまな商品が販売されていますので、釜山のお土産購入にはおすすめです。
この他にもさまざまな施設があり、X the SKY訪問の記念写真が撮れる『X the PHOT』(100階)、アートギャラリー『ART STELLA』(98階・100階)、コーヒーショップやレストラン(STARBUCKS COFFEE、グリル&パスタ・SKY99(以上99階)、BLACKUP COFFEE(98階)などがあります。
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新線開通により廃線となったKORAIL旧東海南部線の線路を活用し、尾浦(ミポ)~松亭(ソンジョン)間・尾浦~青沙浦(チョンサポ)間の美しい海辺に観光列車や小さなゴンドラが走る、人気の観光スポットといえばここ、海雲台ブルーラインパーク。
廃線となった線路には2両編成の観光列車・海辺列車が尾浦停留場~青沙浦(チョンサンポ)停留場~松亭停留場間4.8kmを、その線路に沿うように地上高7~10mの高架線上を4人乗りの小さなゴンドラ・スカイカプセルが尾浦~青沙浦間2kmをゆっくりと走ります。
海辺列車は尾浦から松亭まで四つの途中駅を経て全線乗車するとおよそ30分、時速15kmで海辺の線路を走ります。座席はロングシートですべて海を眺められるようになっています。
また高架線上を走るスカイカプセルは、4人乗りの小さなゴンドラが80台、尾浦~青沙浦間の高架線上を常時往復しており、時速4kmというゆっくりとした速度で進みます。海辺列車より高い高架を走るため、眺めも抜群、そして高架の上を何台ものカラフルなゴンドラが走っている風景は「映える」一枚が撮れるとSNS上でも人気です。また今年2023年6月からは2030釜山世界博覧会(万博)誘致広報特別ラッピング車両として釜山広域市のゆるキャラ・カモメの『プギ』が描かれたゴンドラもお目見えし、訪れる人々の注目を集めています。
スカイカプセルは特に夕陽が沈む時間帯に乗車すると海辺の風景が素晴らしくおすすめです。
なお、海辺列車に乗ってその後スカイカプセルをご利用になりたい方は、海辺列車の途中駅・青沙浦停留場で下車しますのでお間違えなく。
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オシリア観光団地は釜山広域市機張郡大辺里(テビョンリ)・侍郎里(シランリ)一帯366ヘクタールの広大な敷地にテーマパーク・ホテル・複合ショッピングモール・アクアワールド・ゴルフ場などさまざまな施設があるオールシーズン滞在型休養観光団地。
2005年に観光団地の指定を受け事業を開始、総事業費9,144億ウォンをかけて今年2023年年末に大部分の事業が完了する予定です。
最寄駅となるKORAIL東海線オシリア駅近くにはロッテワールドアドベンチャー釜山、ロッテプレミアムアウトレット東釜山店、IKEA東釜山店が、素晴らしい機張の海辺にはホテル・アナンティヒルトン釜山などの宿泊施設もあり、釜山の新たな一大観光エリアとして注目を集めています。
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オシリア観光団地
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今が旬!ズワイガニを食べに釜山へ行こう!~その2・釜山カニキャンペーン・シャトルバス沿道おすすめ観光スポット~
* 取材協力:釜山観光公社
* 上記の内容は2023年10月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。