2024/01/08
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韓国の人々がこよなく愛するソウルフードといえばこれ、キンパプ。
遠足に行くとき、お母さんがキンパプをよく作ってくれたと懐かしく思う韓国の人も少なくありません。
手軽に、そしてカンタンに食べられ、また栄養価も高い美味しい健康食として有名な韓国のキンパプ。
キンパプは今では海を越え、世界各国でも人気で、特に全米にチェーン店を持つ大型食料品スーパー・Trader Joe’s(トレーダージョーズ)で販売されている韓国直輸入の冷凍野菜キンパプ『Kimbap』が品切れ続出となるほど空前の大人気となっています。
今回は様々な味わいのキンパプをはじめ、キンパプとともに食べると美味しいB級グルメやちょっと変わったキンパプ料理まで、世界中で人気のキンパプの魅力をあますところなくご紹介したいと思います。
キンパプは、巻き簾(す)の上に四角い海苔を置き、炊きあがったご飯やさまざまな具をのせて巻く、ごま油の風味が香ばしい海苔巻きの一種。中に入る具によって、味付け牛肉が入ったソゴギキンパプ、ツナが入ったチャムチキンパプ、盛りだくさんの野菜を巻いたサラダキンパプなど種類も豊富で、好みに応じて様々なキンパプを選んで味わうことができます。
特に野菜中心の具のヤチェキンパプ(野菜キンパプ)は、お肉は入っていませんが、中に入った様々な具があいまって大変美味しく、菜食主義の方にも人気があります。
キンパプは中に入る具材やご飯の量、あるいは具の味付けによって、味わいも千差万別。
いろんなキンパプにトライして、貴方の好みのキンパプやお店を探してみましょう!
ヤチェキンパプ(野菜キンパプ) │ ニンジン、ホウレンソウ、キュウリ、ゴボウ、大根の漬物・タンムジなど様々な野菜が入ったスタンダードなキンパプ。お店によっては、ブロッコリーやアボカドといった変わり種の具を入れているところもあります。様々な具の味わいとともに、野菜のシャキシャキ感も味わえるのが、このヤチェキンパプのセールスポイントです。
チャムチキンパプ(ツナキンパプ) │ ツナが具に入った、長年に渡って不動の人気を誇るキンパプといえばこれ、チャムチ(マグロ)キンパプ。具にはツナとともに独特な香りがするエゴマの葉が具としてよく使われています。ツナと一緒に巻かれる具材の味わいが絶妙なハーモニーを奏で、また具だくさんなのでこれ一本でお腹一杯になります。
チーズキンパプ │ キンパプの定番具材にチェダーチーズやクリームチーズを加えて巻いたキンパプ。チーズ独特の香り、そしてチーズのクリーミーな味わいが特徴です。特にモッツァレラチーズを具に使ったチーズキンパプは、温めて食べるとチーズがほどよく溶け、箸でつかむとチーズが糸を引くように伸び、そのビジュアルは食欲をそそります。
ケランキンパプ(錦糸卵キンパプ) │ ご飯の代わりにケラン(鶏卵・玉子)を使ったキンパプ。たんぱく質などの摂取を増やし、極力炭水化物を減らす食事療法の一種・キトジェニックダイエットから着眼したキンパプと言われています。ご飯代わりにメインの具材として巻かれている溢れんばかりの錦糸卵は見た目にも食欲をそそります。ケランキンパプを口に入れた瞬間、錦糸卵の味わいが口いっぱいに広がり、玉子焼き独特の柔らかで香り高い味わいが楽しめる一品です。
キンパプといえば、インスタントラーメンなど汁物の麺料理と一緒に味わうのが定番。キンパプだけを食べていると汁物が恋しくなりますが、そんな時にすする温かなスープは絶品!
お店によってはキンパプを注文すると、オムク(練り天・練りかまぼこ)や大根・昆布などで出汁をとったスープが一緒に出されることもあります。キンパプだけでは物足りず、辛いものが食べたい方には、袋入りのインスタントラーメンを茹でてもらって一緒に食べれば、お腹もいっぱいになります。
ナッチョにサルサソースがあるならば、キンパプにはトッポッキ!
韓国の人々はキンパプを食べる時、一緒にトッポッキも頼んで、トッポッキの甘辛だれにキンパプをからめて食べることもしばしば。キンパプに甘辛のたれが絡み、絶妙な味わいとなります。ぜひ次回韓国を訪れたら、是非この味わいにトライしてみましょう。
高奉民キンパプ人(コ・ボンミン キンパプイン)│ 韓国の高級路線を歩むキンパプフランチャイズチェーン店の一つ、高奉民(コ・ボンミン)キンパプ人(イン)。ブランド名の高奉民は創業者の妻の名前から、そしてブランド名の最後に「人」という字が用いられているのは、食が人の体を形作る大切な要素であるということから付けられたそうです。
高奉民キンパプ人のお店に入ると、いろんなキンパプがずらり。もし選ぶのに迷ったら、ツナ入りのチャムチキンパプやサクサクのとんかつ入りのトンカツキンパプを注文すれば間違いありません。
また韓国では珍しい干ぴょう・パッコジをはじめ玉子焼きや野菜入りのパッコジキンパプは、肉類は食べられないものの乳製品や卵などの摂取は可能な菜食主義の方ラクトオボ・ベジタリアンの方にもおすすめの一品。
キンパプ以外にもインスタントラーメンやトッポッキといった粉物の粉食(プンシク)メニューも充実しているので、キンパプと一緒にどうぞ。
OTTOキンパプ │ ソウル・梨泰院(イテウォン)で創業し、現在ではソウル・京畿道(キョンギド)を中心に数多くのチェーン店を展開するキンパプチェーン・OTTOキンパプ(오토김밥)。
このお店でぜひ食べて頂きたいのは、ワサビ味のキンパプと鶏唐揚げに特製ソースを絡めたタッカンジョン。タッカンジョンの甘辛い味に、このお店自慢のわさびが効いたコチュネンイキンパプの味わいのマリアージュは最高です。
南大門トントンキンパプ│ 南大門市場で長年人気のキンパプのお店・トントンキンパプ(통통김밥)。
このお店のキンパプは他のお店とは一味違い、ご飯1に対して具が9という、具だくさんなキンパプであることが特徴で、1本だけ食べても、お腹がいっぱいになるほどのボリューム感です。
玄米ご飯に野菜が入った「健康玄米キンパプ」(건강현미김밥)、玉子焼きとランチョンミート入りの「スパムエッグキンパプ」が人気メニュー。もし嫌いな具がある時は、注文時タッチパネルで抜いてほしい具を選べば、あなたの好みに合ったキンパプもオーダー可能です。
トントンキンパプ(통통김밥)
SELER MARI │ 他店ではお目にかかることのない珍しい具材と「映える」ビジュアル、そして健康に配慮した味わいで有名なお店がここ、ビーガンキンパプのお店・SELER MARI(샐러마리)。
ほうれん草や長ネギ、そして辛さで定評のある青唐辛子・チョンヤンコチュ(青陽コチュ)など旬の野菜を味噌で和えて巻いたシグムチテンジャンキンパプ(시금치된장 김밥=ほうれん草味噌キンパプ)、厚焼き錦糸玉子がいっぱいのケランジダンキンパプなど、様々なビーガンキンパプがあります。
また辛いものがお好きな方には、ピリッとした辛さが自慢のマッシュルームキンパプもおすすめです。
キンパプを買ったのはいいけど、お腹がいっぱいでちょっと残ってしまったとき、皆さんはどうしますか。そのままラップをかけて冷蔵庫に入れてしまうとご飯が固くなってしまったり、結局、何日も置いて捨ててしまう、そんなことも多いかと思います。
そんな食べ残しのキンパプ、ひと手間かけると、あら不思議、とっても美味しい全く別の料理になることをご存じでしょうか。
その一つがキンパプ煎(ジョン)。野菜や白身魚、串刺しなどを溶き卵にくぐらせ鉄板やフライパンで焼く、ソルナルや秋夕(チュソク)などの名節のときによく食べる煎(ジョン)のように、キンパプを溶き卵にくぐらせ、フライパンでササっと焼いて完成!
焼き目のついた香ばしい玉子の風味もあいまって、また一つキンパプの別世界が開かれた、そんな味わいです。
次もフライパンを使ったちょっと変わったキンパプ料理をご紹介。残ったキンパプをほぐし、フライパンで一気に炒めて作る「キンパプ焼き飯」もおすすめです。
ただほぐして炒めるのもいいのですが、長ネギや溶き卵を軽く炒めて加えるとさらに風味が増して美味しい焼き飯に大変身します。一度、皆さんもお試しあれ!
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※上記の内容は2023年12月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください