2025/04/21
958
3
0
Bukchon
ソウル観光
ソウル
プクチョン韓屋村
ソチョン
朝鮮時代の法宮(正宮)で首都ソウルの中心部にある景福宮(キョンボックン)。韓国を初めて訪れた方なら必ずしや見て回る定番の観光スポットですが、その西側には西村(ソチョン)、北側には北村(プクチョン)と呼ばれる昔ながらの町並みが続きます。
このふたつの町は急速に都市化する他のエリアとは異なり、ソウルの古き良き姿をいまだなお残した地域となっています。とはいえ、ただ単に過去の魅力を感じられる町というだけにとどまりません。
韓国伝統家屋・韓屋(ハノク)には昔ながらの趣に現代的な日常と文化が溶け込み新たな雰囲気を醸し出し、路地裏には何となく入ってしまいたくなる魅力あるカフェ・書店・画廊が軒を連ねています。
韓屋の瓦屋根、そして韓屋の向こうに広がる山々の風景。高層ビルが建ち並ぶソウルの市街地にはない西村・北村ならではの魅力がここでは感じられます。
観光で景福宮を訪れることがあれば、いまだ感じたことのない新たなソウルの魅力を探しに、西村・北村界隈を闊歩してみてはいかがでしょうか。
| 芸術が息づく西村
西村(ソチョン)は古の時代から数多くの芸術家が居を構えていたところとして知られ、ここに住みながらインスピレーションを得、さまざまな作品を生み出してきました。
朝鮮時代から近現代に至るまで、詩人や小説家、画家などが西村で創作活動に勤しみ、その系譜はいまだなお続いています。
西村の路地裏を歩いていると、小さな画廊や個人が営む書店、複合文化スペースなどをよく見かけ、昔から続く芸術的な雰囲気を感じ取ることができます。
商店街を歩けば地元の人々の何気ない日常が、散策すればあちらこちらに韓国文学の息吹が、そして北西の方角に目を向ければ仁王山の静かな自然が感じられる西村。心に響く今までにないソウルを体験してみたい方に是非お勧めしたいのがここ、西村です。
世宗村飲食文化通り(撮影:韓国観光公社アン・ヨングァン氏)
通仁市場の葉銭弁当(撮影:韓国観光公社PHOTO KORE-マイピクチャ―ズ)
孝子ベーカリー(撮影:NAVERブログ・マギッマン(virus880))
西村はソウルの中心部にありながらも昔ながらの住宅地や商店街が残る地域。
高いビルは少なく、代わりに平屋や二階建てほどの住宅や韓屋、個人経営のお店が軒を連ね、ソウルの古き良き町の風景が間近で眺められます。フランチャイズ展開するお店が誕生する前から店を開いている、地元の人々が贔屓にするパン屋さんや食堂などが数多くある昔ながらの市場・在来市場も、いまだなお残っているのがここ、西村です。
■VISITKOREAおすすめのスポット
ソウル特別市鐘路区通義洞にあるBOAN1942(撮影:韓国観光公社旅行インフルエンサー取材団「タニム」6期ハン・サンニョル氏)
詩人・小説家であった李箱の家/詩人・尹東柱が暮らした下宿屋跡地(撮影:韓国観光公社PHOTO KOREAアン・ヨングァン氏(2枚とも))
朝鮮時代の正宮のそばにある西村は、その昔、国王に仕える官吏や学者、知識人などが主に暮らしていた町。1900年代に入り、昔ながらの保守的な雰囲気が色濃く残る北村に対し、西村は幾分か自由闊達で静かな雰囲気が漂う街だったため、文筆や絵を嗜(たしな)む文人・芸術家の集う町として発展してきました。いまでも西村界隈を何気なく歩いていると、古の時代の文人らが暮らしていたところに出くわすことも多々あります。特に1945年植民地支配から解放される以前の韓国の近代文学の息吹が宿るところがここ、西村の町です。
■VISITKOREAおすすめのスポット
水聲洞渓谷(撮影:韓国観光公社韓国語ホームページ大学生記者団トラベルリーダー15期イ・スジョン氏)
仁王山ザ・スプ哨所チェクパン(撮影:韓国観光公社旅行インフルエンサー取材団「タニム」6期キム・ウンジ氏)
仁王山・大蟲遊園地(提供:大蟲遊園地)
山に囲まれたソウルだけに、西村からも歩いてすぐのところに自然を満喫できる魅力的な場所があります。
西村の北西には標高338mの小高い山・仁王山があり、山の麓から散策路を上っていくと、そこは大都会の喧騒から隔絶された別世界。生い茂る緑の木々や、仁王山ならではの岩の山肌、そしてその間を涼しげに流れる渓谷の清水など、ここが大都会ソウルにあるとは思えないほど絶景で静かな風景が目の前に広がります。そんな素晴らしい風景のここ仁王山は、古の時代から、歴史に名を残す画家が作品を制作する上で大きなインスピレーションを得た場所でもあります。
朝鮮時代を代表する画家で現在の1000ウォン札の裏に描かれた「渓上静居図」の作者でもある鄭歚(チョン・ソン=1676~1759年)は、山水画で仁王山の風景を描き 「鄭敾筆 仁王霽色図」という形で後世に作品を残し、その山水画は現在、韓国の国宝にも指定されています。
また、朝鮮時代後期の文臣で詩を嗜んだ金尚容(キム・サンヨン=1561~1637年)や、学者で詩人でもあった千寿慶(チョン・スギョン=1818年没)など多くの詩人も素晴らしい景色の仁王山の麓で暮らし自然の姿を詩に詠んだといいます。
現代の今でも仁王山の散策路・仁王山トゥルレキルを歩いていると、忙しない日常でホッと一息つける、そんな憩いのひと時を満喫できます。
■VISITKOREAおすすめのスポット
✅ 所要時間:約2時間(2.1km)
✅ おすすめコース紹介
↓
| 伝統が息づく北村
北村(プクチョン)は朝鮮時代、王族や支配階層となっていた両班(ヤンバン)、高い官職にあった者などが住んでいた由緒ある町。現在でも人々が住む住宅地で、昔ながらの伝統と現代が共存する、そんな町並みを実感できます。
北村韓屋村に代表される韓国伝統建築・韓屋(ハノク)をはじめ、現代美術の展示スペースなど、新旧さまざまな建物や施設が軒を連ね、韓国の美しさを感じさせてくれます。韓国伝統家屋の素晴らしさ、様々なジャンルのアート作品、そして美味しいグルメまで、北村は韓国の伝統文化を直に感じてみたい方に是非おすすめしたいスポットです。
北村文化センター(提供:北村文化センター)
昌徳宮トルダムキル(写真:クリップアートコリア)
北村東洋文化博物館(撮影:NAVERブログキム・バルロク氏(lovecat3209))
北村にある韓屋は、ただ単に昔ながらの建物として残されているだけでなく、人々が実際に韓屋に住み、日々の暮らしを営んでいます。北村にある韓屋の多くは「都市型韓屋」と呼ばれる形式で、高い塀や高い門柱で出来た瓦屋根付きの入口・大門に周囲を囲まれ外から敷地の中を覗きこまれない構造となっています。そのため北村の路地を歩いていると、敷地の周りに高い塀が続き、町の至るところが城壁に囲まれているような感じを受けます。
ソウルの中心部にもかかわらず、ここ北村に数多くの韓屋の建物が残されているのは、2001年地元自治体・ソウル特別市が着手した「北村づくり事業」が大きな影響を与えています。
単に外観の復元だけにとどまらず、実際に韓屋に住む人々の居住環境を改善することで、伝統と人々の日常が無理なく共存する、今日の北村の韓屋の町並みを維持することができました。
■VISITKOREAおすすめのスポット
国立現代美術館ソウル(提供:国立現代美術館)
ソウル工芸博物館(撮影:韓国観光公社旅行インフルエンサー取材団「タニム」7期 キム・キップム氏)
アラリオミュージアム・イン・スペース(提供:アラリオミュージアム)
北村というと韓屋を思い出しますが、それだけではありません。静かで落ち着いた雰囲気の町ゆえ、様々なアート作品を楽しめるそんなスペースも数多くあります。永い間の風雪に耐え抜いた韓屋や近代建築物を現代のテイストでリモデリングした展示館やギャラリーが軒を連ねています。
瓦屋根、大木から作った柱や梁、韓紙を貼った戸。韓屋ならではの建物の造りが現代アートとマッチして、展示作品のみならず建物などすべての空間がひとつのアート作品のように感じられる、そんなところが北村の特徴です。
■VISITKOREAおすすめのスポット
伝統酒ギャラリー
斎洞の路地裏(撮影:NAVERブログOリ(sj330035))
OSULLOC TEA HOUSE北村店(提供: OSULLOC)
韓屋が軒を連ねる北村の路地裏を歩いていると、小さなレストランやカフェがあちらこちらにあるのを見かけます。レストランやカフェにもここ北村のならではの雰囲気が感じられ、何か暖かな魅力を感じさせるお店ばかりです。
路地裏に入ってみると韓食をはじめ、伝統酒やデザートなど、様々なお店がありますので、気に入ったお店に入って美味しいグルメを満喫できます。
韓国の伝統が感じられる韓屋のお店で自家製の身も心も温まる麺を一杯、食後は中庭を眺めながら伝統茶房で伝統茶を飲みながら憩いのひと時、そんな時間を過ごせるのもここ、北村ならではです。
■VISITKOREAおすすめのスポット
✅ 所要時間:約2時間30分(3.2 km)
✅ おすすめコース紹介
↓
↓
⭐ 景福宮界隈の観光名所・青瓦台サランチェが制作した英語版冊子『Taking a Stroll in Seochon and Bukchon Explore the Cheong Wa Dae Area』(西村&北村ぶらり旅 青瓦台界隈を探訪)でさらに西村・北村の情報をゲット!
※上記の内容は2025年4月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。