2025/09/09
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食卓いっぱいに並ぶ秋夕の料理(写真:クリップアートコリア)
穀物などの収穫期を迎え一年で最も豊穣な時期となる秋。韓国でその秋の一大伝統行事といえば秋夕(チュソク)です。家族が一堂に会し、先祖の霊に茶礼(チャレ)という儀式を行い、家族ともども一緒に食事をして親交を深める日です。
今年2025年は10月6日(月)が秋夕に当たり、その前日の5日(日)から秋夕翌日の7日(火)までの3日間が秋夕連休となりますが、10月3日(金)が開天節、8日(水)が秋夕連休初日(5日(日))の振替休日、そして9日(木)がハングルの日でいずれも公休日となり、週末を合わせると10月3日(金)から9日(木)まで7連休、10日(金)の平日に休暇を取って週末の土日を2回挟む形となると最長10日間という長期の連休となります。
例年、秋夕が近づいてくると韓国ではソウルをはじめ大都市から故郷に向かう人々の民族大移動が始まり、秋夕の連休中は家族や親戚とともに故郷で楽しいひとときを過ごします。
今回は豊穣の秋に家族と豊かな心を交わす韓国の伝統行事・秋夕についてご紹介します。

ハンガウィの満月(写真:クリップアートコリア)
秋夕(チュソク=ハンガウィ)は旧正月にあたるソルナル、旧暦5月5日の端午(タノ)とともに韓国の三大伝統行事・名節(ミョンジョル)のひとつ。漢字語を用いない純粋なハングルでは「ハンガウィ(한가위)」とも呼ばれ、「大きな」という「ハン」と、陰暦8月のちょうど真ん中、秋の真ん中を意味する「カウィ」が結びついてできた言葉です。つまり一年のうち一番大きな満月が出る中秋の名月、陰暦8月15日のことを指します。
茶礼と墓参



秋夕の様子/省墓(写真:クリップアートコリア)
秋夕の朝になると韓国の各家庭では茶礼(チャレ)という儀式を行います。茶礼に際しては韓服を新調し着ることになりますが、これを「ビム(ピム)」と呼びます。
茶礼は1年に2回、ソルナル(旧暦1月1日)と秋夕の時期に行われます。新米で炊いたご飯とお酒、三日月形をしたお餅・ソンピョンをお供えし、茶礼の儀式を執り行います。儀式が一通り終わったら、お供え物をおすそ分けし家族みんなで食べますが、このことを飲福(ウムボク)といいます。
また、秋夕にはもうひとつ別の重要な伝統風習があります。それは省墓(ソンミョ)。文字通り、家族でご先祖様が眠る墓地に行き、お墓参りをすることです。
省墓は古の時代からご先祖様を敬うことが重要視されてきた韓国の伝統のひとつで、ご先祖様に対する敬意の念や感謝の気持ちを表する大切な機会として今日まで受け継がれている韓国の文化です。
墓地に着くと家族総出で墓の周囲の草刈り・伐草(ポルチョ)を行い、墓前にお供え物を捧げて祭祀を行います。
TIP. 韓国の伝統衣装、韓服


韓服(写真:クリップアートコリア)
韓服(ハンボク)は、高句麗・百済・新羅が群雄割拠した三国時代にその服飾形式が確立し今日の時代に受け継がれてきた韓国の伝統衣装で、スカートのようになった下衣・チマ、上衣に当たるチョゴリ、ズボンのようになった男性の下衣・パジ、女性のチマチョゴリや男性のパジジョゴリの上に羽織るトゥルマギなどがあります。生地を平面裁断し縫って作り上げますが、完成して実際に着てみると曲線のシルエットが大変美しいのが韓服の特徴です。
今日の韓国では、秋夕やソルナルなどの名節、結婚式、満1歳のお祝いのトルチャンチなど晴れの日に主に着ることが多い韓服ですが、海外から訪れる観光客の方々には王宮や韓屋村など由緒ある観光地を巡る際、韓服をレンタルして巡るのが人気となっています。
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さまざまな民俗芸能・風物ノリ(写真:クリップアートコリア)


さまざまな民俗芸能・カンガンスルレ(写真:釜山広域市)/韓国の伝統遊び・チェギチャギ(写真:クリップアートコリア)
秋夕は収穫の時期と重なり実り豊かな時期で、昔から楽しく過ごす風習がいまでも多く残っています。
秋夕のこの時期に行われる代表的な民俗芸能や伝統遊びにはカンガンスルレやチェギチャギがあります。
ユネスコ無形文化遺産にも登録されているカンガンスルレは、満月となる旧暦1月15日の正月テボルムや旧暦8月15日の秋夕の時に韓服を着た女性たちが手に手をとって大きな丸い円となって周りながら歌を歌い踊る民俗芸能です。カンガンスルレの起源については諸説ありますが、遠くにいる敵に大軍がいるかようにカモフラージュするため、女性たちに兵士の服を着せて山頂で躍らせたという説があります。
チェギチャギは、重しになる平たい銅銭を紙や布で包んでひねり結び、その先をひらひらになるよう細く切って作ったものを足で蹴り、落とさないようできるだけ多く蹴る、サッカーのリフティングのような韓国伝統の遊びです。
これ以外にも風物(プンムル)ノリやタルチュム(仮面舞)も秋夕などの名節の時期に行われる伝統芸能として有名です。農村社会から生まれた農楽にその起源をもつ風物ノリは、真鍮で出来た小ぶりの鉦・クェングァリ(ケンガリ)、鼓を大きくしたような打楽器・チャング、韓国伝統の太鼓・プク、大きめの韓国の銅鑼・チン、筒の部分は木製、吹き口と音の出るところは金属製となっている管楽器・テピョンソ(太平簫)などの伝統楽器の音色に合わせて踊る公演です。
また、タルチュムは仮面をかぶり、踊りながら演技を行う韓国伝統の公演芸術です。

色とりどりのソンピョン(写真:クリップアートコリア)


秋夕の食事(写真:Gettys Image Bank)/伝統菓子(写真:クリップアートコリア)
秋夕は豊穣の象徴と言っても過言ではありません。そのため秋夕には収穫されたものを食材にさまざまな種類の食べ物が作られますが、その代表格がソンピョン。
ソンピョンは餅の一種ですが、米粉にお湯を加えこねて生地を作り、その中にゴマ、豆、小豆、栗などを包んで形を整え、蒸し器にかけて作ります。蒸す際には松葉を敷いて蒸すため、そのお餅には松葉の香りがほのかに香るようになります(ちなみにソンピョンの「ソン」は漢字で書くと「松」という意味になります)。
ソンピョンは通常、秋夕の前日に家族が集まり作ります。「ソンピョンを上手に作れれば、かわいい子どもが生まれる」という言い伝えもあります。
また、茶礼のお供え物には煎(ジョン/チョン)やカルビチムも欠かせません。挽肉や野菜をこねて成型したものや野菜を薄切りにしたもの、そして白身魚の切り身などを小麦粉と溶き卵を混ぜてつくった衣をつけて焼いた煎や、醤油味で柔らかくなるまで煮込むカルビチムは、特に韓国伝統のお酒の肴に最高です。
いつもは遠く離れて暮らしている親戚が秋夕の茶礼のため集まり、膝を交えてソンピョンや煎を食べ、お酒を酌み交わすのも秋夕の大きな醍醐味でもあります。
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* 上記の内容は2025年9月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。