2025/02/04
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チェジュ
公共交通機関
城山邑
バス
城山日出峰
韓半島南部の南海(ナメ)に浮かぶ火山島・済州島(チェジュド)。日本から直行便も就航し、済州への旅を計画している方も多いかと思います。
韓国で一番大きな島ではありますが、鉄道はなく、島内の移動手段といえば車。とはいえ、レンタカーを借りるにも海外からの観光客の方々は国際免許証を取らなければならない上、自賠責保険の加入やらレンタカーの営業所まで車を返しに行ったりしなければならなかったりと、時間やお金が結構かかってしまいます。
そんな済州の移動に便利なのが、島内くまなく走る路線バス。
済州の路線バスも、韓国の他の地域同様、IC付き交通カードで運賃を支払うことができますが、昨年2024年夏からは、海外からの観光客の方々にも便利にご利用いただけるよう世界各国・地域で普及しているスマホでのQRコード決済サービスも追加され、中国やアジア各国などで使われている海外の決済アプリでも簡単に乗車できるようになりました。
今回はそんな便利になった済州の路線バスに乗って、済州東部を巡る路線バスの旅を皆さんに詳しくご紹介したいと思います。
済州島北部中央にある済州の空の玄関口・済州国際空港を起点に、済州東部を海岸線に沿ってぐるっと島を半周するなら、この二つの路線バスがおすすめ。それは201番バスと101番バス。
それぞれの路線とも済州の様々な観光スポットを巡りますので、旅行のスケジュールに合わせてお気に入りのバスに乗って旅してみましょう!
一般幹線バス・201番バス
201番バス路線図(地図:韓国観光公社VISITKOREA『韓国地図』)
201番バス(一般幹線バス=青色)は済州バスターミナル~城山日出峰~西帰浦バスターミナル間を結ぶ路線(※一部バスは済州バスターミナル~城山日出峰間、城山日出峰~西帰浦バスターミナル間のみの短縮運行)で、済州島東部の海岸沿いを島内半周します。済州東部の主な町を通る路線でバス停も数多くあり、済州東部の主な観光スポットはこのバスに乗ればほぼすべて巡ることができ、島を訪れる観光客も数多く利用する路線です。
✌ この路線がおすすめなところ
・数多くの観光スポットをくまなく巡ることができる急行バス・101番バス
101番バス路線図(地図:韓国観光公社VISITKOREA『韓国地図』)
101番バス(急行バス=赤色)は済州国際空港~城山日出峰~南元乗換停留場(西帰浦市)間を結ぶ路線(※一部バスは空港を経由しない済州バスターミナル~南元乗換停留場間、済州国際空港~城山日出峰間、城山日出峰~南元乗換停留場間のみの短縮運行)で、201番バスと同様、済州島東部の海岸沿いを島内半周します。ほぼ同じ道路を走行しますが、終点が手前の済州島南部の西帰浦市(ソグィポシ)南元邑(ナモンウプ)にある南元乗換停留場止まりで、急行バスのため途中止まるバス停の数も少なくなっています。 そのため、城山日出峰や終点の南元乗換停留場までは201番バスより所要時間が短く早く到着しますが、その分、運賃もやや高めになっています。
❕ この路線を利用する時に注意すること
・急行バスのため、一般のバスよりも運賃がやや割高(IC付き交通カード利用時(初乗り※):2000ウォン)※註1)なお、バス運賃をQRコード払いした場合、交通カード割引及び乗換割引は適用になりませんので、Tmoneyなど韓国のIC付き交通カードをお持ちの方は交通カードをご利用になる方がお得です。
※註2)また、距離比例運賃の急行バスをご利用の際にも、交通カードをご利用頂くとQRコードを利用し支払う運賃(3000ウォン均一)より割安になるケースがあります(特に短距離乗車の場合)。
済州道内の路線バスを利用する際、韓国の他の地域同様、IC付き交通カードで乗車可能で(韓国の交通カードについての詳細はこちら)、2024年夏からは海外で広く使われているQRコード決済アプリでもご利用いただけるようになりました。
※註:2024年10月1日より済州特別自治道内を走るすべての路線バスについて現金の取り扱いを廃止する「現金のないバス」制度を全面実施、現金での乗車はできなくなりましたのでご注意ください。
① 韓国のQRコード決済サービス『Zero Pay』(ゼロペイ)と提携しているアプリがインストールされているか確認(※下記アプリアイコン一覧参照)。
※註1)日本及び台湾のQRコード決済アプリについては現状未対応のものが大半で、ご利用頂けない場合が多くなっています。ただし日本の一部のQRコード決済アプリについては、『Zero Pay』と提携しているQRコード決済サービス(UnionPay(中国)など)が利用できるものもありますので、ご利用の日本の決済アプリでも利用可能かどうか、QRコード決済アプリ運営会社へお問い合わせいただけますようお願いします。
※註2)また、『Zero Pay』が利用可能な韓国のQRコード決済アプリについては韓国キャリアの携帯電話番号が必要となるなど本人確認が必要となるため、現状では観光など短期滞在で韓国を訪れる海外からの観光客の方はご利用いただけません。
② バスの乗車口近くにあるZero Pay決済用のQRコードがあるステッカーを確認
-通常、バス運転手横の料金箱近くの手すり等に貼ってあります。
-ステッカーには外国語でも案内があります。
③ 『Zero Pay』利用可能なアプリを開き、QRコードをスマホのカメラで読み取ります
④ 乗車するバスの運賃(一般(幹線・支線)バス1200ウォン・急行バス3000ウォン)の金額をアプリに入力し決済、決済完了画面を運転手に見せて乗車。
※なおQRコード払いの場合、交通カード割引及び乗換割引・距離比例運賃の適用(急行バスの場合)は対象外となりますのでご注意ください。
済州道内を走る路線バスは韓国のQRコード決済サービス『Zero Pay』を導入、『Zero Pay』と提携しているアプリであれば韓国・海外を問わずご利用いただけます。中国のAlipay(支付宝・アリペイ)・UnionPay(銀聯)をはじめ、タイのtrue money、マレーシアのTouch’n GOなど、お住いの国や地域でお使いのアプリをそのまま済州の路線バス利用時にもお使いいただけます。ご利用いただける海外のアプリについては下記のアプリアイコン一覧にてご確認ください。
『Zero Pay』と提携している国内外のQRコード決済サービスアプリ(提供:韓国簡便決済振興院(KEPF))
☞関連リンク:VISIT JEJU日本語ホームページ・公共交通機関
※済州道内の各種バスについての情報あり(バス車両の写真あり)
飛行機に乗って済州国際空港に到着したら、赤いカラーが目印の101番の急行バスに乗車しましょう。青い201番の一般幹線バスは済州国際空港のバス停を経由しないため、済州東部を旅するならまず、101番バスに乗る必要があります。
空港の建物から外に出ると、すぐ目の前の道路に沿ってバス停が1番から6番、そしてリムジンバス(600番台)の7か所(降車用バス停を除く)ありますので、建物を出て一番左手(東側)にあるバス停から2番目の2番バス停「済州国際空港2(一周東路・516道路)」(제주국제공항2(일부동로・516도로)バス停から赤い101番の急行バスにご乗車ください。
バスに乗ったら、今回ご紹介する最初のおすすめ観光スポット・咸徳(ハムドク)犀牛峰(ソウボン)海岸(咸徳海水浴場)まで乗車、済州の素晴らしい海岸を満喫したその後は、ゆっくり進む201番の一般幹線バスもご利用いただけますので、急行バスが通過するバス停付近のさまざまな観光スポットも、より割安な料金の一般幹線バスでいくことができます。
なお、101番の急行バスは観光バスのようなバスで、航空機搭乗の際に預けた大きなスーツケースなどをバスのトランクルームに預けることも可能です。乗車時には運転手さんに一声かけてトランクルームを開けてもらい荷物を自分で入れて、降車時には到着直前に声をかけるとまた開けてくれます。
済州国際空港から咸徳海水浴場近くのバス停「咸徳乗換停留場(咸徳海水浴場)」(함덕환승정류장(함덕해수욕장))まではおよそ40分、空港から10番目のバス停です。
咸徳海水浴場の砂浜(写真:クリップアートコリア)
上空から俯瞰した咸徳海水浴場(写真:韓国観光公社イ・ボムス氏)
Café Delmoondo(写真:韓国観光公社イ・ボムス氏)
済州島北東にある咸徳犀牛峰海岸(咸徳海水浴場)はエメラルドグリーンに輝く海原の風景が素晴らしい海辺として有名なところ。海岸の中央には真っ白な砂浜が広がり、砂浜の西側には大海原に突き出すように岬のようになった岩場が続き、浜辺の東の向こう側には芝生公園やキャンプ場もあります。
砂浜の西の岩場の辺りには済州で五本の指に入るほど人気のカフェ・Café Delmoondoがあります。海辺のそばにあるカフェだけあって波が打ち寄せる様子も眺められ、店内はいつもお客さんであふれています。
■ Café Delmoondo
咸徳海水浴場キャンプ場(写真:韓国観光公社イ・ボムス氏)
キャンプ場にテントを張る様子(写真:クリップアートコリア)
カフェから少し歩いたところには手工芸品を売る夜市やストリートパフォーマンス公演を行うところもあり、周囲はロマンチックな雰囲気を醸し出しています。
海岸の右手・東の方には青々とした芝生の広場や広大なキャンプ場もあり、トイレや水飲み場なども完備し浜辺でのキャンプを楽しむのにもってこいのロケーションです。
犀牛峰トゥレキル(写真:クリップアートコリア)
一面に菜の花が咲き乱れる 犀牛峰 (写真:クリップアートコリア)
キャンプ場の向こう側に視線を向けると、小高い丘のようになったオルム(側火山)・犀牛峰(ソウボン)が見えてきます。散策がてら登ってみると頂上からは美しい大海原や済州の名峰・漢拏山
が一望できます。
ここ犀牛峰は1月から5月にかけて黄色い菜の花が咲き乱れ、多くの人々が訪れることで有名な場所。青い海をバックに一面、黄色い菜の花畑が広がる光景は、ここ済州ならではの自然の風景です。
城山日出峰(写真:クリップアート)
犀牛峰の絶景を満喫したら、次は済州の名所のひとつ・城山日出峰へ行ってみましょう。
最寄りのバス停「咸徳乗換停留場」から西帰浦バスターミナル行きの一般幹線バス201番バスに揺られ、およそ1時間、「城山日出峰」バス停で降りると、目の前に城山日出峰の雄大な姿が目に飛び込んできます。
城山日出峰は海底火山が噴火し形成された火山です。
元々は島でしたが長い年月を経て済州島本島との間に砂礫が堆積し陸繋島のような形になりました。城山日出峰の頂上から眺める日の出はその昔からその荘厳さに定評があり、城山「日出峰」と言われるようになったのも、そのような理由からです。毎年大晦日から元日にかけて城山日出峰では日の出祭りが開催され、多くの人々がご来光を拝みにこの地へやってきます。
入場料なしで散策できる海辺の散策路(写真:クリップアートコリア)
頂上への散策路は入場料が必要(写真:クリップアートコリア)
城山日出峰は入場料なしで散策できるエリアと入場料が必要なエリアがあるので注意が必要です。
海辺にある比較的短い散策路のエリアは入場料なしで利用可能ですが、頂上や直径600mにも及ぶ巨大な噴火口を眺めることができるエリアへ続く散策路は5000ウォンの入場料を支払って上っていくことになります。城山日出峰の城山という名称もこの巨大な噴火口に由来し、あたかも城郭のように見えることから「城山」と言われるようになりました。
また、城山日出峰はその素晴らしい景観や地質学的価値が認められ、ユネスコ世界自然遺産に登録されています。
クァンチギ海岸(写真:クリップアートコリア)
城山日出峰をバックに菜の花咲くクァンチギ海岸(写真:クリップアートコリア)
城山日出峰から歩いて30分ほどのところにはクァンチギ海岸があります。
クァンチギ海岸は玄武岩が風化し出来た黒砂が堆積した砂浜などがある海岸として有名なところです。引き潮時に姿を現す緑色の藻に覆われた岩場は青い済州の大海原と相まって、現代アート作品を彷彿とさせる風景が辺り一面に広がります。また海岸の向こう側には2023年にできた大規模な菜の花畑もあります。
古の時代ここで火山活動があった痕跡を残す真っ黒な玄武岩や黄色い菜の花、そして城山日出峰の風景。フォトスポットとしても人気の済州でしか味わうことのできない風景がここにはあります。
■ クァンチギ海岸(광치기해변)
済州の大海原に面したSONO Calm JEJU(写真:韓国観光公社韓国語ホームページ)
SONO Calm JEJUインフィニティプール(写真:韓国観光公社韓国語ホームページ)
では次にSONO Calm JEJUへ向かいましょう。「クァンチギ海岸」バス停から再び201番バスに乗っておよそ40分、「SONO Calm JEJU」(소노캄제주)バス停を降りると、西帰浦の素晴らしい大海原が広がる地中海にあるリゾートかと見間違えてしまうSONO Calm JEJUの建物が目の前に現れます。
SONO Calm JEJUはヨーロッパにある保養地を彷彿とさせるリゾート。カップル向けのロマンチックな客室、かけがえのないペットと一緒に過ごせる特別室、ご家族連れでお泊りの際に便利なキッチン付きの広めの客室など様々なタイプの部屋があり、どなたでも快適にお泊りいただけます。海がすぐ目の前にあるかのような屋外プール、日頃の疲れを癒してくれるサウナ、様々な料理がいっぱいのビュッフェ、海辺の散策路、ノレバン(カラオケ)など各種施設も充実しています。
SONO Calm JEJUにあるハート形の空が見える森のスポット(写真提供:SLL)
SONO Calm JEJUは、少女時代のユナと2PMのジュノ主演で話題を呼んだ韓流ドラマ『キング・ザ・ランド』(jtbc・2023年=日本ではNetflixで配信)のロケ地として有名なリゾート。主人公のふたりが写真撮影したハート形の空が見える森が屋外庭園になるので、是非訪れた記念に一枚撮ってみてはいかがでしょうか。冬にはツバキの花も咲き大変きれいな風景となります。
SONO Calm JEJUでゆっくり一晩過ごし、大変美味しいと評判の朝食ビュッフェで腹ごしらえしたら、次はツバキ樹木園へ行ってみましょう。「SONO Calm JEJU」バス停から前日に乗ってきた201番バスでおよそ30分、「ツバキ樹木園」(동백수목원=トンベクスモグォン)」バス停までの路線バスの旅です。
ヤシの木の下に鬱蒼と生い茂るツバキの木(写真:韓国観光公社韓国語ホームページ)
展望台からは済州の大海原が一望(写真:韓国観光公社韓国語ホームページ)
済州ツバキ樹木園(제주 동백수목원)は冬に咲く深紅のツバキの花が大変美しい済州を代表する観光スポット。元々、ここは非公開の個人所有の土地でしたが、今では有料の樹木園として一般に公開され、どなたでも入場できるようになりました。
済州 ツバキ樹木園に足を踏み入れると、目の前には天を突くように伸びる椰子の木の根元に丸く刈りこんだツバキの木々が生い茂る光景が広がり、深紅のツバキの花が咲く冬の時期にはこの世のものとは思えない素晴らしい風景が広がり、思わず足を止めてしまうほどです。
中でもおすすめのスポットは展望台で、園内いっぱいに真っ赤なツバキの花が咲き乱れ、その向こうに広がる西帰浦の大海原が太陽に照らされきらきらと輝く光景は圧巻です。
■ 済州ツバキ樹木園(제주 동백수목원)
名画の一場面を彷彿とさせるツバキフォレストの風景(写真:韓国観光公社韓国語ホームページ)
ツバキフォレスト内にあるカフェの大窓から眺める風景(写真:韓国観光公社韓国語ホームページ)
済州の冬の風物詩・ツバキの花の魅力をもっと満喫したいという方は、済州ツバキ樹木園から漢拏山の方向へ直線距離で北東へ5kmほど先にあるツバキフォレストにも足を運んで見ましょう。
残念ながら済州ツバキ樹木園からはツバキフォレストまで路線バスがないため、済州ツバキ樹木園からはタクシーに乗って10分ほど移動することになります。
ツバキフォレストで人気のスポットと言えば、入口近くにあるカフェ。真っ白なカフェの建物が深紅に花開くツバキの森の中に佇む姿は、西洋の名画を見ているかのような風景です。特に店内の大きな硝子窓からの風景は、深紅のツバキの花が咲き乱れる場面を描いた額付きの絵画のような美しさがあり、地元の人々の間ではベストショットが撮影できるフォトゾーンとして有名です。
■ ツバキフォレスト(동백포레스트)
ツバキフォレストから北へ1kmほど先にもツバキなど済州の美しい花々を愛でることができるおすすめのスポットがあります。それは休愛里(ヒュエリ)自然生活公園。
ここ、休愛里自然公園では冬から春先にかけて休愛里ツバキ祭りや休愛里菜の花祭りを開催しています。期間中、園内ではツバキや菜の花のお花見の他、ミカン狩りや動物の餌やりなど様々な体験プログラムもお楽しみいただけますので、ご家族連れやカップルで済州にお越しの際はおすすめのスポットです。
NAVER MAPの日本語画面 / バス停の位置やバスの接近情報などもリアルタイムで確認可能
NAVER MAPのアプリは、韓国語をはじめ設定を変えれば日本語・英語・中国語による表示に切り替えもできる優れものの交通系地図アプリ。ルート検索機能を使えば、いまいる場所から目的地まで最適なルートが一発検索でき、バスを利用する際には、いまバスがどこを走っているのかリアルタイムで表示されるほか、到着予想時刻や路線図、バス停の位置までも詳しくスマホで確認できます。
また、おすすめのレストランを探したい時にもNAVER MAPは役に立ちます。お店を利用した人の口コミ情報や評価、写真、メニューなども閲覧可能で、お店選びの参考になります。
また、カテゴリーをチェックすれば、カフェやコンビニ、薬局など近くにある様々なお店も瞬時に検索できます。モバイル版『NAVER MAP』アプリをもっと知りたい方は、こちらの利用ガイド(日・英・中)をご覧ください。
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空港から直行!済州東部を巡る路線バスの旅
* 上記の内容は2025年1月現在の情報です。今後変更されることがありますのでお出かけ前に必ずご確認ください。